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岩手・大船渡の山林火災 避難指示2000人以上、なぜ相次ぐ? 消火活動を阻む壁【Nスタ解説】

国内
2025-02-27 20:39

岩手県大船渡市で発生した大規模な山林火災。現在も消火活動が続いています。そしてこの火災で、男性1人の遺体が発見されました。


【写真で見る】大量の煙、交通にも影響…現地レポート


山林火災、なぜ相次ぐ? 専門家「この時期の太平洋側は…」

小林由未子キャスター:
岩手県大船渡市で発生している山林火災についてです。


26日の午後1時ごろ発生した火災で、600ヘクタール以上、84棟が焼失してしまいました。また、住宅などにも被害が出て、男性1人の遺体が発見されています。873世帯2114人に対する避難指示も継続中ということです。


大船渡市では、1週間で3件の山林火災が発生しています。

19日には三陸町の綾里地区で、約324ヘクタールが焼ける山林火災が発生しました。25日に鎮圧されましたが、1週間ほど時間がかかったということです。

西側では、25日に陸前高田市の小友町から火が出て、大船渡市の末崎町に広がりました。約8ヘクタールが焼け、26日に鎮圧したということです。

市民防災研究所の坂口隆夫理事は「この時期の太平洋側は、湿度が低く乾燥しているため、山林火災が起きやすい」と話します。大船渡市も、10日連続で乾燥注意報が発表されていました。


また、山林火災を含む林野火災の発生状況について、消防庁は次のように発表しています。


●2023年…全国で1299件報告
→半数以上(679件)が2月~4月に発生

<出火原因>
●たき火…32.0%
●野焼きなどの火入れ…19%
●ほか「放火」「放火の疑い」「タバコ」など

坂口さんいわく「日本の気候で自然発火は起きにくい。暖かくなり始める春先にかけ、人為的な火災が発生しやすい」とのことです。


山林火災の特徴…消火活動を阻む壁とは?

小林キャスター:
山林火災というのは、消火活動が難しいといわれています。坂口さんによれば、次のような特徴があるということです。


●発見したときには延焼拡大していることが多い
→初期段階での消火活動が難しい
●乾燥・強風などで一気に燃え広がる可能性が高い

また、消火活動にも影響があるといいます。整備された道が無くて急傾斜地が多いことから、▼消防車や消防隊員の移動、▼地上からの消火活動、▼状況把握が困難になってしまうそうです。


ホラン千秋キャスター:
非常に消火活動が難しい地域なので、一度広がってしまうと、コントロールできなくなってしまう。地元の皆さんは、大変不安な思いですよね。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
話を聞くと、このあたりはやはり高齢化も進んでおり、消防団員の人手もなかなか足りない。消防の人数が必要なので、東京や神奈川などからの応援がいずれ必要になるのではないかと、政府のほうで準備を検討しているようですね。


ホランキャスター:
各自治体、こうなったときの想定などはしているのでしょうか。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
まず近隣の自治体から応援をもらったあと、第2、第3出動として大きいところから応援を求めるという体制になっています。

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<プロフィール>
星 浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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