2026年のワールドカップ出場を目指すサッカー・中国代表ですが、低迷が続き、国民から厳しい目が向けられています。そこで注目されているのが日本。アマチュアから代表チームまで、中国で日本人指導者が急増しています。
今月19日、中国・上海の飲食店では、ワールドカップのアジア最終予選、中国と日本の一戦を大勢のサッカーファンが観戦していました。
試合は中国サポーターで赤一色に染まるアウェーのなか、日本が危なげなく勝利しました。
記者
「日本が中国を3-1で下しました。もう中国のお客さん、早々に店を後にします」
24年ぶりのワールドカップ出場を目指す中国ですが、日本には連敗。最終予選はこれまで、2勝4敗と苦戦が続いています。
結果を出せない代表チームに、中国では想像以上に厳しい意見が。
市民
「代表戦はたまに見るけど、下手くそすぎて特に楽しみにはしてません」
サッカーに打ち込む子どもからも。
小学生
「ひどいよ。パスばかり回していないでドリブル突破させたほうがいい」
「たぶん頭を使ったプレーが出来ていないと思う」
そんな子どもたち、この日の練習はちょっと特別です。
REGATEドリブル塾 奥平卓也さん
「どっちが抜けそう?」
日本人コーチによる指導です。ドリブルに特化した指導を行い、YouTuberとしても知られる奥平卓也さんは、中国からの熱烈なラブコール受けて、上海や北京などでこれまでに10回近く練習会を開催。希望者が殺到しているといいます。
中国人コーチ
「サッカーにおいて、日本と中国の間には大きなレベルの差があります。だからこそ私たちは、日本の先進的なトレーニングや経験を見習うべきなんです」
Jリーグ発足から30年、日本はなぜ世界ランクトップ20に入るほど飛躍できたのか。中国は高い関心を示しています。
プロチームでも日本人指導者が増えているほか、16歳以下の代表チームには初の日本人監督として、元日本代表の上村健一さんが就任しました。
過去に代表を率いた人も中国に。女子リーグのチーム「上海農商銀行」で去年から指揮を執るのは、「なでしこジャパン」元監督の高倉麻子さんです。監督として見た中国選手の課題は。
上海農商銀行 高倉麻子 監督(なでしこジャパン元監督)
「指示待ちだったり命令待ちというか、やっぱり国のそういう教育とか文化の違いで。自分発信でやる子は少ないです」
戦術も昔ながらの「フィジカル頼り」な面があり、細かい技術を取り入れようと模索しています。
上海農商銀行 楊家琳 選手
「変化はかなり大きいです。新しい日本人監督のもと、チーム全体がこれまで以上にフットワークやパスを重視しています 」
上海農商銀行 高倉麻子 監督(なでしこジャパン元監督)
「アジアの中で良いライバル関係で切磋琢磨していくのが中国のためでもあり、自分の国である日本のためにもなるかなと感じます」
対抗意識を燃やす日本からも学ぼうとする姿勢。これも中国の特徴と言えるかもしれません。
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