E START

E START トップページ > 経済 > ニュース > 日産自動車を象徴する工場、なぜ生産終了に? “100年に1度の変革期”で高い再建ハードル【サンデーモーニング】

日産自動車を象徴する工場、なぜ生産終了に? “100年に1度の変革期”で高い再建ハードル【サンデーモーニング】

経済
2025-07-20 16:27

日産自動車は、神奈川県横須賀市にある追浜工場での生産を2027年度末に終了すると発表しました。


【写真を見る】追浜工場は「ブルーバード」「ダットサン・ブルーバード」「セドリック」の生みの親だった


日産を象徴する工場の一つに幕…従業員も2万人削減

「ダットサン・ブルーバード」。神奈川県の追浜工場はこの車と共に1961年から走り始めました。日本のマイカーブームをけん引した「ブルーバード」や、高級セダン「セドリック」なども、この追浜工場が生みの親でした。まさに日産を象徴する工場の一つが幕を閉じることになります。


今回、生産終了となる追浜工場では、コンパクトカーの主力車種「ノート」や「オーラ」を生産していますが、生産できる台数が年間24万台のところ、その半分ほどしか稼働できていないのが現状です。


昨年度の決算は6700億円を超える赤字となる中、今年5月に発表した再建計画では、国内外にある7つの工場を生産中止することになっていて、その一環として追浜工場は九州工場に統合されるのです。また従業員についても、グループ全体の15%にあたる2万人を削減することになっています。


「現在の自動車産業は“100年に一度の変革期”で再建のハードルは相当高い」

大規模な生産能力の削減や従業員のリストラは、26年前に当時のゴーン社長が行った改革にも重なります。


1999年度に日産が抱えた赤字は、昨年度と同じレベルの6800億円ほど。その時ゴーン氏は、今回の追浜工場と同様、「スカイライン」や「グロリア」など数々の名車を作ってきた村山工場など5つの工場閉鎖に踏み切り、今回の計画と同じ2万人規模のリストラを敢行しました。


このときは1年ほどでV字回復を果たした日産ですが、今回はどうなるのか。


自動車産業に詳しい経済ジャーナリストの井上さんは「ゴーン氏はコストカットを追求して再建を果たしたが、現在の自動車産業は“100年に一度の変革期”にあり再建のハードルは相当高い」と指摘します。


「100年に一度の変革期」とはどういうことなのでしょう。


ここ数年、急激にシェアを伸ばしているのがBEV=電気自動車や、電気とガソリンで走るハイブリッド車、そして、電気自動車のように充電もできるプラグインハブリッド車です。


純粋にガソリンや軽油だけを動力としないこうした車が、世界の自動車市場に占める割合はこの5年で、およそ9%から26%に増加しているのです。


中でも電気自動車のシェアで目を引くのが、中国メーカーです。1位はアメリカのテスラですが、続くBYD、ジーリー、五菱はすべて中国系です。そして、「車のスマホ化」とも言われるように、自動車業界でもIT企業が存在感を強め、車の作り方そのものも変わりつつあります。


例えば中国最大の検索エンジンを運営する「バイドゥ」ですが、自動運転の技術を開発。自動車メーカーに車の製造を発注するという業種を超えた連携が進んでいます。


では、こうした「変革期」に日産はどう対処するべきか。


井上さんは、日産との連携が取りざたされている、台湾の電子機器大手「ホンハイ」との関係がカギを握ると指摘した上で、「iPhoneの精密部品の生産で知られるホンハイと手を組めば、ソフトウェアの領域で進化した『次世代自動車』の製造が期待できる」とエールを送っています。


エアコン「1℃下げる」OR「風量を強にする」どっちが節電?「除湿」はいつ使う?賢いエアコンの使い方【ひるおび】
スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】


情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

ページの先頭へ