日本でも大人気のKPOP。年内のデビューを目指すアイドルグループのメンバーに、脱北した若者たちがいます。彼らがアイドルになって目指すものとは?
【写真を見る】「歌を聴いて生活したことなんてなかった」デビュー前のKPOPアイドルグループに「脱北者」の若者 貧しさから逃れた彼らがアイドルとして叶えたいこと
デビュー前のKPOPアイドルグループ、「1VERSE(ユニバース)」。メンバーは日本人のAITO(アイト)さん、アメリカ人のKENNY(ケニー)さん、そしてHYUK(ヒョク)さんとSEOK(ソク)さん。この2人は、北朝鮮出身の「脱北者」です。
HYUKさん
「飢えて死ぬ。それほど悲惨なことはないです」
日本、アメリカ、北朝鮮の出身者で結成する多国籍KPOPアイドルグループ「1VERSE」。4人のうち、2人が脱北者であることについて、ほかのメンバーは。
KENNYさん
「脱北者がいると聞いて、最初は『おぉ…』という感じでした」
AITOさん
「北朝鮮と日本って仲が悪いじゃないですか。それで最初、どう接すればよいか心配していました」
メンバーのひとり、HYUKさんは2013年に脱北しました。
HYUKさん
「(北朝鮮では)本当に貧しい生活でした」
北朝鮮では極貧の生活を送っていて、1日1食、食べられればいいという日々でした。
事務所のスタッフ
「もうやめな」
HYUKさん
「これだと北朝鮮ではあと一週間食べられます。(容器の)プラスチックの味がするまで舐めます」
HYUKさん
「盗みなどでお金を稼ごうとしていました」
当然KPOPはおろか、「歌を聴いて生活したことなんてなかった」そうです。貧しさから逃れ、辿りついた韓国で手に入れたいのは“普通”の生活です。
HYUKさん
「他の人と同じように、学校に行く時間になったら学校に行き、寝る時間になったら寝る。そんな生活です」
そして、もう1人の脱北者メンバー、SEOKさん。北朝鮮で中国から密輸されたCDを手に入れ、KPOPを聴いていました。
北朝鮮では金正恩総書記を讃える歌が大半を占めるため、初めてKPOPを聴いたときは新鮮だったと当時を振り返ります。
SEOKさん
「恋とか友情とかを歌にしていたので、ずっと頭の中に残り、口ずさむようになりました」
デビューできたら自分がそうだったように、誰かを元気づける歌を歌いたいと話します。
しかし…
「そこから間違ってるでしょ?」
思い通りにはいかない日々。
北朝鮮で歌もダンスも学んだことがなかった2人。毎日が失敗の連続です。
それでも2人はアイドルになる夢を諦めたくはないといいます。叶えたいことがあるからです。
HYUKさん
「(もし成功したら)寄付して、飢えて死ぬ人がいなくなるようにしたいです。飢えて死ぬ。それほど悲惨なことはないです」
SEOKさん
「(脱北者も)諦めずに頑張ればうまくいくと伝えたいです」
「1VERSE」は年内デビューを目指していて、夢を叶えるための練習の日々が続いています。
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