今年8月、長崎県沖で中国軍機による領空侵犯が初めて確認されましたが、空の守りを担う航空自衛隊では、緊急時に備えた厳しい訓練が日々実施されています。
西日本の空を守る福岡県築上町の航空自衛隊築城基地。荻田祥3等空尉(26)は去年10月に初めて戦闘機の実戦部隊の一員となりました。
荻田祥 3等空尉
「(Q.今は何をやっている)このあとフライトがあるので、それに向けた準備をしている。(確認作業を怠ると)大きな失敗や最悪の場合、事故に至ってしまうこともあるので、一つ一つ確認を確実にやるのが重要だと教わってきた」
井上道 1等空尉
「もし1番機が通信不良になった場合だけど、その場合は」
この日は、先輩隊員とともに領空に接近する国籍不明機に警告を出す訓練に臨みます。
井上道 1等空尉
「(想定で)1番機、無線の不具合」
先輩が乗る1番機の通信機器にトラブルが起きたと想定して、2番機の荻田さんが警告を行います。
兵器管制官
「対象機、領空イン、領空侵犯機と判定、警告開始」
荻田祥 3等空尉
「東へ進路を変更せよ」
井上道 1等空尉
「ちゃんと機体信号も使えよ」
機体信号と呼ばれる翼を振る動作で指示に従うよう意思表示したうえで、再度警告します。
荻田祥 3等空尉
「ただちに東へ進路を変更せよ」
訓練の後のミーティングでは国籍不明機に対する意思表示の大切さを指摘されました。
井上道 1等空尉
「日本国の領空に入ったらこちらの誘導に従うのは国際法上やっていいことだから、強制することができるから、強制するといったときに強制しうる意思を示しているのかがすごく大事になるから、そこはちゃんとやりなさい」
防衛省によりますと、昨年度の航空自衛隊によるスクランブル発進は669回。今年8月には長崎県沖で中国軍機による領空侵犯が初めて確認され、西日本の空を守る築城基地は緊張を強いられています。
第6飛行隊長 濱島雄一郎 2等空佐
「当該築城基地は場所的にこの基地から東京と上海がほぼ同じ距離にある。われわれが中国の方から不明機が飛んで来た場合は、真っ先に対応しなければいけない、そういう位置にある基地なので、最前線で対応する意味合いが強い」
防衛の最前線の築城基地で訓練だけでなく、実際にスクランブル発進もしている荻田さん。きょうも国際情勢を注視しつつ、どのような任務にも対応できるよう備えています。
荻田祥 3等空尉
「われわれは淡々と日々の訓練をやっていき、常に精強であるということをもって、日本を守っていくことが重要だと考える」
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