39年前、福井市で中学3年の女子生徒が殺害され、殺人の罪で服役した前川彰司さんの再審＝やり直しの裁判で、名古屋高裁金沢支部は無罪を言い渡しました。裁判所前から中継です。

名古屋高裁金沢支部の前からお伝えします。判決の読み上げは現在も続いています。

先ほど午後2時過ぎ、法廷で無罪が言い渡されると、前川さんはまっすぐ前を向き、その後は、時折、上を向きながら軽く頷いて判決に耳を傾けていました。

この事件は1986年3月、福井市で中学3年の女子生徒を包丁で殺害したとして前川彰司さん（60）が懲役7年の判決を受け、服役したものです。

前川さんは捜査段階から一貫して無罪を主張し、去年10月に2度目の請求で裁判のやり直しが認められました。

検察は再審で改めて有罪を主張した一方で、新たな証拠は提出せず、前川さんの無罪が確実視されていました。

増田啓祐裁判長はきょうの判決で、「服に血が付いた前川さんを見た」とする知人の証言について、知人が自身の刑事事件の量刑を有利にするため、うその供述を行った可能性があるとしました。

そのうえで、捜査に行き詰まった捜査機関が、他の関係者に供述を誘導した疑いが払拭できないとし、有罪の決め手となった供述はいずれも信用できないと結論づけました。

検察側が来月1日までに上告しなければ、事件から39年を経て、前川さんの無罪が確定することになります。

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