大きく育った庭木に、給湯器を覆うほど茂るツル性植物。繁殖力の高さから“地植えNG”と言われる植物を地植えで育てた動画に反響があり、「こんなに壁を登っちゃうの!?」「我が家も６m級ｗ」「お仲間いて心強いｗ」など様々な声が寄せられている。動画の投稿者で、40種類以上500株以上の植物を育てている「みど」さん（@mido_botanical）に話を聞いた。

【写真】シマトネリコ＆ハツユキカズラを地植えしたら…？

■あまりの成長速度と強さで“悪魔の木”とも呼ばれるシマトネリコ…20年後の姿とは？

――地植えしたシマトネリコ、ハツユキカズラの現状や剪定の様子を紹介した「地植えしちゃダメ」シリーズに反響がありました。地植えが危険な植物の話はよく聞きますが、実際に植えてしまった結果を動画で公開されている方は珍しく、大変勉強になりました。まずは、それぞれを地植えすることになった経緯についてうかがえますか？

「当時、とても人気があったシマトネリコは、まだまだお値段も高くて手を出しづらい植物でした。そんな時、手放したいという友人がいたので、鉢に植えてある子を引き取ったんです。ただ、どうしても調子が良くならなくて…。地植えにしたら元気になるかな？　と安易な気持ちで植えしてみたのが、20年前のことになります」

――もともとは鉢植えの子だったんですね。ハツユキカズラはいかがでしょうか。

「ハツユキカズラはグランドカバー用でした。我が家の庭は土のままなので、雨が降ると泥が跳ねて壁が汚れるのが気になっていたんです。その対策にと、試しに植えてみた１株でした」

――そのたった1株が給湯器を覆うまでに成長を…！　実際に植えてみて「ダメ」だと思ったポイントは？

「シマトネリコは、地植えにすると想像以上に大きくなります。高さのある脚立がないと、自分で剪定するのは難しいかもしれません。そして、ハツユキカズラの驚くべき繁殖力。地面どころか、壁まで這い上がって成長するとは思いもよりませんでした」

――生き生きとした植物の姿は癒やしですが、生命力が強すぎるのも困りものですね…。一方で、苦労はあるものの巨木化したシマトネリコは今ではシンボルツリーとして欠かせず、ハツユキカズラは魅力的な壁面緑化として機能していたとか。

「シマトネリコの枝にはたくさんの植物を吊るしており、夏の良い日除けになっています。風も通りますし、雨水も程よくあたるからか植物の成長もとても良くて…。ほかの植物にとっても、無くてはならないシンボルツリーみたいです。冬はもうちょっと日が入るように、枝を落としても良いかもしれませんね。一方、ハツユキカズラの葉は花のようにキレイなので、壁面を美しく彩ってくれます。門柱に這わせているお宅を見かけたことがありますが、とてもステキでした」

――今回、ハツユキカズラは給湯器入れ替えのため除去することになりましたが、ツルで作成したリースにも「センスよき」「素敵です！」のコメントが寄せられていました。最後に…「地植え」を考えている人に向けて、なにかアドバイスはありますか？

「シマトネリコは大きくしすぎないように、こまめに剪定をすること。とても強い植物で成長速度も早いため、失敗を恐れず剪定できるのはメリットかもしれません。常緑樹なのであまり落葉しないのもいいところですよね。ハツユキカズラに関しては、地植えにするとどうしても増えてしまうので、もし増やしたくないのであれば鉢管理をおすすめします」

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