
27日、アメリカのトランプ大統領が6年ぶりに日本を訪れました。両首脳が蜜月ぶりをアピールした陰で、日本側はどんな要求を突きつけられたのでしょうか。
【写真を見る】在日アメリカ大使公邸では、日米の経営者らが集まる夕食会が
約1年ぶりの日中首相会談 「戦略的互恵関係」の構築を確認
31日、APECにあわせ、約1年ぶりに実現した日中首脳会談。お互い、硬い表情に終始しています。会談では、戦略的互恵関係を構築することを確認しつつも、高市総理は尖閣諸島を含む東シナ海の問題について懸念などを伝えたといいます。
一方で、習近平国家主席も植民地へのお詫びを盛り込んだ「村山談話」に言及し、「この精神は広めるに値する」とくぎを刺しました。
お互い、懸念を伝え合う会談となりましたが、その3日前には、満面の笑みでアメリカのトランプ大統領を迎える高市氏。
移動中には、寄り添って腕を組みます。
高市総理
「世界の平和と安定へのトランプ大統領の揺るぎないコミットを高く評価します」
会談では、ガザの停戦合意などトランプ氏の外交手腕を持ち上げ、ノーベル平和賞に推薦するとまで伝えたといいます。
防衛費増額の要求は…?アメリカ側が求める2点とは
さらに、アメリカ軍横須賀基地では、会場の大きな歓声に、飛び跳ねながら応えてみせました。
トランプ大統領
「この女性は勝者だ。私たちは一気に親しい友人になった」
親密さをアピールする日米両国ですが、懸案も。
その一つが、これまでトランプ政権が同盟国に繰り返し要求してきた防衛費の増額。今回、高市氏は今年度中に防衛費を対GDP比2%に増額する方針などを伝えたとみられます。
地元・横須賀のスカジャンをヘグセス国防長官にプレゼントした小泉防衛大臣も、増額に取り組む考えを伝えたとしています。
一方で、アメリカ側は...
アメリカ ヘグセス国防長官(29日)
「日本に何かを要求したということは一切ありません」
なぜ今回、増額の要求がなかったのでしょうか。それを読み解く鍵が、首脳会談のテーブルにありました。
日本側には資料がありますが、アメリカ側には見当たりません。専門家は...
明海大学 小谷哲男 教授
「アメリカ側の最大の狙いは経済の問題です。7月に合意した関税合意、これを着実に履行していきたいということ。それから、やはり対中国。これで日本とも協力したいということで、複雑な資料が必要ではなく、この2点のみを伝えにきた」
日米同盟 今後の注目は“防衛費”と“投資”
ただ今後、アメリカはさらなる防衛費の増額を要求する可能性はあるといいます。さらに、もう1つの懸念がアメリカへの“巨額の投資”です。
トランプ大統領(7月)
「日本とは合意したばかりだ。これにより、ある種の“ボーナス”が得られる。スポーツの契約金のようなものだ」
7月、日本への相互関税と自動車関税を15%とすることで合意した日米。トランプ氏は日本が、その引き換えに80兆円もの投資を行うとし、利益の90%をアメリカが受け取ると主張していました。
日本側が戦々恐々とする中、28日、在日アメリカ大使公邸を訪れたのはファーストリテイリングの柳井正会長や、日本航空の鳥取三津子社長など日本企業のトップ。日米の経営者らが集まる夕食会が開かれ、その中でトランプ氏は、アメリカへの投資を呼びかけました。
その夕食会の前に行われたのが、投資に関する共同文書の署名式。ラトニック商務長官が金額を読み上げながら、各企業の投資を次々に紹介します。
ラトニック商務長官(28日)
「次はTDK。AIインフラに不可欠な電子部品と、パワーモジュールを250億ドル規模で生産」
上機嫌なトランプ氏からはジョークも。
ラトニック商務長官
「次に日立ですが、まだどの程度の規模を目指すか決めていません。検討中です」
トランプ大統領
「5000億ドル(約77兆円)だよ」
日本政府は投資の中身について、80兆円のうちエネルギーやAIインフラの強化など、総額60兆円規模のプロジェクトを公表しています。
一方で、両国に認識の違いも垣間見えます。署名式で、決定事項のように金額を読み上げながら紹介するアメリカ側に対し、日本側の資料では、「関与を検討」と記される案件も多くあります。
防衛、そして経済、今後アメリカは同盟国日本にどんな要求を突きつけてくるのでしょうか。
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