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本当に「ぽっちゃりは健康的」なの?

2016-10-23 12:00:12


執筆:井上 愛子(保健師)
若い女性を中心に「痩せ型」の体型へ憧れの声が聞かれる中、「ぽっちゃりは健康的」と耳にしたことはありませんか?
どうして「ぽっちゃり」は健康的なのでしょう?
体格によって健康・不健康が決まるとすれば、理想的な体型とはどういうものなのでしょうか。

体格を判断するBMI


「ちょっと太ってきたかな?」と思ったときに、まず気になるのは体重ですね。
しかし、痩せ形、肥満といった体格は、その人の身長と体重によって計算されるBMI(Body Mass Index:ボディ・マス・インデックス)で判断します。国際的に用いられているこの値は、「体重kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算します。
例えば身長160㎝、体重55㎏のAさんは、55÷1.6÷1.6=21.48、つまりおよそのBMIは21.5です。
BMIは肥満度ともいわれ、肥満とされる基準は国によって決められていますが、日本肥満学会は次のような基準を定めています。

 ●BMI18.5未満: 低体重(やせ)
 ●BMI18.5~25未満: 普通体重
 ●BMI25以上: 肥満

ちなみにですが、低体重、普通体重、肥満の中でも細かい分類があります。

肥満や痩せ型にはリスクが


「太りすぎや痩せすぎは不健康」というイメージは多くの人が持っているのではないでしょうか。
実際に日本では、“BMI22”を適正体重とし、病気にもっともなりにくい体格である、というデータがさまざまな研究で検証されています。
BMI25以上の肥満になると、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病にかかる危険が2倍以上にもなります。
一方で痩せすぎも危険が伴います。
若い世代では必要な成長が妨げられたり、高齢になると骨粗しょう症のリスクも高まります。しかし、どの体格が長生きできるか、ということを調べた厚生労働省の調査では、気になる結果が報告されています。次から詳しく見ていきましょう。

ぽっちゃりは長生きだった!


この研究では、さきほどのBMI25以上(肥満)をさらに分け、BMI25以上~30未満(太り気味)、BMI30以上(肥満)として、体格別に40歳からどのくらい長生きできるかが調査されました。
その結果、体格別にみて40歳からの余命が長いのは次の順番であるという報告が出されたのです。
1. BMI25~30未満(太り気味)
2. BMI18.5~25未満(標準体重)
3. BMI30以上(肥満)
4. BMI18.5未満(低体重)

つまり太りすぎ・痩せすぎはどちらも健康へのリスクが大きくなりますが、今回の結果では太り気味、に該当する「ぽっちゃり」の人が長生きであることが明らかになりました。
長生きをする上で身体の状態が健康的であったかは、この調査では断定できません。しかし、ややぽっちゃりしている体型が長生きに、ひいては健康につながる可能性はあると言えそうです。

ぽっちゃりも痩せ型もその中身次第


肥満の人が生活習慣病になりやすいのは事実ですが、一言で肥満と言ってもあまり問題がない場合もあります。
実は、生活習慣病にとくに関係しているのは、内臓周りに余分な脂肪が蓄積する内臓脂肪です。これは食べ過ぎや飲みすぎ、運動不足などが関連し、一見痩せている人でも内臓脂肪が蓄積していることはあります。
一方で年齢とともに基礎代謝が落ちるため多少体重が増えることはありますが、それを心配し無理なダイエットを行うと、年齢と共に必要な筋肉まで落ちたり骨粗しょう症で骨折してしまうなど健康に与えるデメリットの方が大きくなってしまいます。
ストレスになるほど体重を気にしたり、生活に制限をするよりは、多少ぽっちゃりしていても大丈夫、と思っている方が精神的にも安定して過ごせます。
もちろん太りすぎはいけませんが、標準体重を目安に自分にとってちょうどいい体重を保ち、健康的に過ごせるといいですね。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

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情報提供元: mocosuku

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