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スキャンでリアルなアバター体験も!VRなどで可能となったメタバースで生まれる新たな自由と可能性を株式会社博報堂が「生活者インターフェース市場フォーラム 2022」で解説

2022-11-23 16:00:46

株式会社博報堂は、メタバースに代表される 次世代インターネット空間について生活者視点で考える「生活者インターフェース市場フォーラム 2022」を開催。当日は来場者をスキャンして作成された自分にそっくりなアバターがスクリーンで動いたり、踊ったりする「じぶんアバター」の体験も行われ、会場を驚かせた。今後、欠かすことのできないメタバースをはじめとした新たな世界、可能性についていくつかのテーマにわけられて語られたのでご紹介する。

解き放たれる生活者 / 次世代インターネット空間で実現する生活者エンパワーメントの世界

第1章では、株式会社博報堂 代表取締役社長 水島 正幸氏が登壇。オンライン上に構築された3次元の仮想空間をアバターで楽しむなど、メタバースは新しい生活者の誕生だと考えている。自宅にいながら絶景スポットに行ける、生まれる前の時代にいくこともできるなど「時空間」からの解放となり、生活者が時空間を超えたあらゆる体験ができると語る。更にはアバターというもう1つの人格を持つことによって「自分」からの解放となると説明。現実では出会えない人との出会い、翻訳ツールにより世界中の人とのコミュニケーションの可能性、好きなアバターがつくれることにより人種、性別、身体からの解放となるのだ。

メタバースの生活が現実になっていけば、新しい市場、サービス、企業活動が生まれる。つまりメタバースは生活者が集う新たな生活者インターフェースになる。その世界を自由に自分らしく楽しめるように消費者のニーズを掴み、生活者エンパワーメントすることが自分たちの提供価値。そのための技術や新サービスを提供していくことがマーケティングやビジネスに繋がっていくと考えていると水島氏は説明した。

エンパワーメントする3つ成長領域とは

更にはメタバース生活の現実化に向けて、次の3つの領域において生活者エンパワーメントすると水島氏は語った。

・Virtual Platform

メタバース空間そのものを指す。趣味嗜好が合う人々が集まる場所。好きな音楽、衣装など欲しいものを自分で自由につくれ、クリエイターも活躍できる場だ。それぞれの空間にファンも集いコミュニティの場にもなる。これにより次世代のメディアや広告、コンテンツビジネスの可能性も生まれる。

・Avatar

自分らしさへの欲求に近いアバターをつくるために、アバターの技術研究を進めている。Avatarにより自分のプロフィールや身体データ、健康データの管理もできる。また、自宅にいながらバーチャル試着もできてより便利になる。

これに対してはVRCの3Dスキャンにより実際に、それぞれのアバターを作成できる技術を会場で体験した。スキャンは数秒で完了する。

スキャン後はモニターに写されているような実物にそっくりなアバターの完成だ。

当日の来場者のアバターがモニターに映し出され、メタバース空間で息の合ったダンスを繰り広げる姿には会場も驚きを隠せない。このように自分のアバターがメタバース空間で自分にはできない動きをすることも可能なのだ。

・Spatial WEB

PCやスマフォの画面で見ていた画像を空間に拡張する技術。リアル空間にいろんな情報をバーチャルで表示できるようになり、現実空間の拡張が生み出すコミュニケーションの可能性が広がる。

現在のアバター技術にも驚きだが、今後もこれら3つの領域に力を入れていくことで、ますますの発展が見られるだろう。

小学館で取り組んでいるS-PACEとは

第2章以降ではそれぞれのテーマに合わせて登壇者が登場、メタバースについて語った。第2章で登壇した株式会社小学館 ユニバーサルメディア事業局 チーフプロデューサー / XR 事業推進室 室長 嶋野 智紀 氏は 仮装空間の中でさまざまな体験ができる「S-PACE」というメタバースを展開予定(現在はβ版)と話す。これは特別なアプリのダウンロードも必要なく、コミック調のアバターで誰でも簡単にアクセスできるようになっている。小学館のさまざまな雑誌ブランドやコミック作品だけでなく他社のコンテンツも取り入れていく予定で、チャット機能なども備わり、新たなメディア、そしてコミュニティの場になりそうだ。

このようなコミュニティの場がつくられれば、コロナでリアルで会える空間が減ったが、メタバースで集まれるようになる。更には実生活を忘れてリラックスして楽しめる新たな場所としてサードプレイスの次にくるフォースプレイスになるのではないのだろうかなどの意見も上がった。

メタバースとアバターによる可能性

第3章ではアバターの可能性について語られた。自分ではない誰かになる変身と自分を客観視できる分身の2つがアバター体験にはあるのではないかと語られた。例えばアバター試着では360度いろんな角度から自分を見られる。客観視、幽体離脱して見られるのがキーポイントになり、いつもとは違う選択もできるようになるのだ。また、自分のアバターがダンスを踊っているとその方が覚えやすいという意見も上がった。

更にはアバターで自分ではない誰かに変身することで立場の異なる人の視点を見られる。男性が女性の経験を得る、白人が黒人の経験を得る事で差別がなくなってくるなどの考えもある。またこれは、上司と部下、子育てにも活用でき、アバターの可能性は多方面に広がりそうだ。

第4章では「リアル」を拡張するをテーマに語られた。メタバースによって、すぐに商品を手にとってもらえる世界となり、今まで黒い服しか着なかった人にも赤い服を着させるなど新たな体験も簡単に叶うようになる。トライできるコストのハードルが下がるとトライしやすくなる。旅行する前にバーチャル観光を事前に実行。それで満足する人と現地で味わいたいという2つにも分かれていくのではないかと述べられた。22

このようにメタバースで生まれる新たな自由と可能性は計り知れない。今回は実際に自分のアバターを目にして、そのような現実は目の前にきているんだと実感した。「生活者インターフェース市場フォーラム 2022」で語られた通り、これから数年後、数十年後の未来にはメタバースは私たちの生活に当たり前に存在していることだろう。

情報提供元: マガジンサミット

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