Windows 10専用ブラウザーEdgeの登場でWebブラウザーの勢力はどう変わった?
2017-04-01 10:00:00
Windows 10が2015年の7月30日に登場してから1年以上が経過しました。Windows 10では、新しいWebブラウザーのエンジンとなる「Edge HTML」を採用した「Microsoft Edge」が、これまでのInternet Explorerにかわって標準ブラウザーとして登場しました。
Microsoft Edgeは、Internet Explorerと異なり、WebページもHTML5を基準としています。 そのため、これまで主流であったAdobe Flashと決別した立ち位置にいると言えます。
ちなみにブラウザーエンジン(レンダリングエンジン)とは、Webサイトを記述する言語(HTML)を理解して表示させる基礎部分のことです。 このブラウザーエンジンが賢いか、賢くないかで ・Webページの表示が正しく行えるかどうか ・高速に表示できるかどうか などの使い勝手が決まります。
現在、Windows向けのWebブラウザーとしては以下があります。 ・Microsoft Edge ・Internet Explorer ・Google Chrome ・Mozilla Firefox ・Opera なお、アップルのSafariは、2012年でWindows版の開発が終わっており、すでに忘れ去られた存在になっていると言えます。また、一時流行となった国産Webブラウザーも、新機能の実装などの更新が停止しています。
実質的に、Windows用のWebブラウザーのシェアは、上記の5つで占められていると言えるでしょう。
新エンジンで快適なブラウジングができるMicrosoft Edge
Microsoft Edge は、Windows 10で初めて搭載されたWebブラウザーです。 Microsoft Edgeは、Internet Explorerから完全に離れたことで、高性能なブラウザーエンジン(EdgeHTML)を手に入れることができました。
最新のHTMLであるHTML5で書かれたサイトの表示は、Internet Explorerよりも高速かつ正しく行えるようになっています。しかし、リリースされて間もないこともあり、使い勝手という点では、先代のInternet ExplorerやライバルのChrome、Firefoxのほうが、長年改良されてきた分、良いと言えます。
ただし、Windows 10に慣れた人や、タブレットモードを多用する人にとって、Microsoft Edgeは非常に使いやすく、Windowsタブレットや2 in 1ノートパソコンなどには、なくてはならない存在であるとも言えます。
リリース当初は不評だったMicrosoft Edgeですが、微増ながら徐々にシェアを伸ばしてきています。
かつての本流、Internet Explorer 11
Windows 10には、互換性の維持のためにInternet Explorer 11が残されています。 Microsoft Edgeは先進の機能が搭載されていますが、過去から現在までのWebを網羅できるのは、やはりInternet Explorerであると言えます(エンジンはTrident)。
Internet Explorer 11は、マイクロソフトがリリースしたAdobe Flash Player対抗であるSilverlightを使ったサイトの表示に加え、Flash Playerが必要なサイトの閲覧まで、幅広くサポートしています。
これまでのInternet Explorerには、 過去最高かつ現在最悪のブラウザーと呼ばれる「Internet Explorer 6.0の呪縛」が存在しています。
Internet Explorer 6.0は、あまりにもシェアが高かったため、多くのWebサイトがInternet Explorer 6.0で閲覧に合わせて作られるようになりました。 このため、Internet Explorer 6.0以後のInternet Explorerは、新機能や改善よりも、互換表示を優先しなければならばくなりました。こうした状況は、最後のInternet Explorerとなっているバージョン11まで、長く続くことになります。
こうした理由もあって、いまだにWebブラウザーのシェアはInternet Explorerが3割弱を占め、2位に位置しています。とはいえ、こうした状況も現在では緩和され、今後はInternet Explorerのシェアは下がっていくと思われます。
現在の主流はGoogle Chrome
現在、Webブラウザーで圧倒的なシェア(ほぼ5割)を持つのがGoogle Chromeです。筆者もメインブラウザーとしてChromeを利用しています。
さらにChrome は、Androidスマートフォン向けChromeと、お気に入りデータ、閲覧履歴などを共有することができ、スマートフォンとパソコン間で同じ使い勝手、環境を利用できます。
たとえば、 パソコンで途中まで見ていたWebページを、そのまま外出時には、移動中のスマートフォンのChromeで閲覧できるといったことが簡単に行えます。
こうしたパソコンでもスマートフォンでも、使うデバイスを選ばない使い勝手の良さといった点で、Chromeは、現在最強のWebブラウザーであると言えます。
ちなみに、このChromeですが、何から何までGoogle独自のブラウザーというわけではありません。 オープンソースのWebブラウザー開発プロジェクトである「Chromium」(コロニアム)がベースとなっているのです。 そのため、このChromiumベースの別のブラウザーも、Chromeとは遠い親戚のような関係にあると言っていいでしょう。
根強い人気を持つMozilla Firefox
Mozilla Foundationが開発しているブラウザーがMozilla Firefoxです。 一時はInternet Explorerと肩を並べ、一世を風靡したNetscape Navigator というWebブラウザーもFirefoxの派生ブラウザーの1種です。シェアは1割に迫る勢いです。
アドオンなど拡張性に優れており、さらに更新頻度が高いのも特徴です。最新版を常に使い続けることができるのもポイントです。
競合ブラウザーを研究しており、それらに搭載されている便利な機能(スマートフォン版とPC版のデータ共有など)も迅速に対応します。パソコン版とスマートフォン版でWebをシームレスに行ったり来たりできるといった点も優秀です。 また、マウスの動かし方で操作できるジェスチャー機能などにも対応しているなど多機能で便利なブラウザーです。
Chromeの動作が重いと感じるパソコン環境でも、動作が軽いといった特徴も人気の秘密でしょう。
一部ユーザーに好かれているOpera
最後に紹介するのは、かなり先を見越し、まだほかのブラウザーでは採用されていないHTMLのベータバージョンなども積極的に採り入れてきたことで、とがったユーザーたちに支持されているOperaです。
現在では、世界で2%にも満たないシェアとなっていますが、先述したようにネットの最新テクノロジーを、真っ先に採り入れるなど、先進性を追求するといった点では、他のブラウザーよりも最新かつ最先端の技術を体験できるところが魅力と言えるでしょう。
使い勝手は独特ではあるものの、現在のベースはChromiumがベースとなっているのでChromeの遠い親戚といったところでしょう。ベースが同じといった点でChromeの拡張機能に対応するエクステンションなども用意されています。
もはや1つのWebブラウザーで賄う時代は終わった?
さて、このWebブラウザーですが、筆者は今回紹介しているWebブラウザーをすべてインストールしています。
メインはChromeを使い、サイトごとにFirefox、Internet Explorer 11、Microsoft Edgeなどと使い分けています。さらに、サイトがブラウザーをチェックしていてInternet Explorerでなければ、メニュー操作が表示されないといった表示の問題も、複数のブラウザーを使い分けることで解決できます。
また、Webブラウザーのスキを突いた攻撃が仕込まれている可能性のあるアンダーグラウンドなサイトなどでは、ユーザー数の少ないWebブラウザーで閲覧することで危険がぐんと減るといったメリットがあります。
現在、こうした複数のブラウザーを使い分けているユーザーは、実は、かなり多いのです。
そのためChrome、Internet Explorer、Firefoxなど、複数のブラウザーをインストールしておくことは、おススメです。
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情報提供元: クチコミ.jp