「こんなはずじゃ…」 そんな五月病は食事で解消!
2017-04-28 18:30:10
執筆:柳澤 厚生(医師・医学博士)
新生活をスタートさせた人が多いこの季節。
新しい環境への期待感から、やる気に満ち溢れて日々を過ごす一方で、よく耳にすることがある「五月病」。
この五月病の原因には自律神経がかかわっています。
自律神経とは、交感神経と副交感神経で成り立っていて、血管や臓器の働きなどをサポートしています。2つの神経のバランスが健康には欠かせません。
自律神経が乱れると睡眠リズムが乱れ、生体リズムが乱れることで、さらに自律神経が乱れる悪循環に陥ります。
五月病対策はストレスに強い身体と心のための食事法
生体リズムの乱れは、この季節特有の不調。
入社、転勤、入学、転居などで環境が変わり、最初のうちは新しい環境になじもうと緊張して頑張っていたのに、連休が明けて職場に復帰してみると「自分が思ったように活躍できない」と気分が落ちこんでしまったり「環境になじめない」と孤立感を感じたり、「周りの人が優秀に見えてついていけない」と思ったり、「寝ても疲れやすくて集中力がでない」といつもの自分でないと不調スパイラルに陥ってしまいます。
大抵の場合は一過性のもので、1~2か月で自然と環境に慣れるのですが、なかには重症化する場合もあります。
重篤な心身の疲労につながらないように日々の食事でケアをしましょう。
さらにこの季節には「胃が痛い」「便秘や下痢が続く」「電車に乗ると吐き気がする」「喉にものがつかえている感じがする」「ゲップがいつも出てしまう」などの症状を訴える方が多いです。
これらはみな、胃腸の働きの悪さに原因があります。
「ストレスで胃が痛むときがある」と訴える方のなかには、健康診断の内視鏡検査では異常がみられない方もたくさんおられます。
胃腸の不調を感じたら、専門医を受診するだけでなく、ストレスに強い身体と心のために食事法を見直してください。
具体的な方法をご紹介しましょう。
強いストレスを受けている状態のときは体内で普段よりも多くビタミンCを消費しているため、自分が疲れているなと感じたら、朝にビタミンCが豊富な果物をとるといいでしょう。
例えば初夏に旬を迎えるキウイ。
特に黄色いキウイは緑のキウイよりもビタミンCが豊富です。
野菜ならブロッコリーやパプリカなどがおすすめです。
火を通して冷凍しておけば、朝のトーストや卵料理などに加えることができます。
疲労が重なるときは高濃度ビタミンCの点滴もオススメ
また一人暮らしをスタートさせて食事がどうしてもバランスよくできないという方にはオフィスにサプリメントを常備することを勧めています。
自宅だとつい飲み忘れてしまうサプリメントも「ランチタイムのあと」「出勤時」などデスクにおいて、摂る時間を決めておくことで続けやすくなります。
まずは「ビタミンC」や「マルチビタミン」などから始め、体調に合わせ加減していきましょう。
またどうしても耐え難い疲労が重なるときは、高濃度ビタミンCの点滴などを行っている医療機関に相談に行きましょう。
アメリカでは栄養学で著名な医師によって『ビタミンBとビタミンC、マグネシウム、カルシウムの点滴(マイヤーズカクテル)が慢性疲労やうつ病に効果がある』という発表がされました。
また韓国ではビタミンC点滴がオフィスワーカーの慢性疲労に効果を発揮しているという医学論文もあります。
また食事の時間帯も大切です。
自律神経は体温調節とも関連しているので食事前後の体温のリズムを整えるためにも休みの日にも決まった時間に食事をとるように心がけてください。
疲労は重症化させないことが大切です。
新生活疲労や不調は、生体リズムを意識して食事内容を少し見直すだけで解消できます。
五月病の予防にもつながりますので、ぜひ実践していただきたいと思います。
<執筆者プロフィール>
柳澤 厚生(やなぎさわ・あつお)
医師・医学博士。元杏林大学教授、点滴療法研究会会長。国際オーソモレキュラー医学会会長。日本オーソモレキュラー医学会理事長。
日本におけるビタミンC点滴によるガン細胞の抑制研究、統合医療研究の第一人者。
2015年4月からは事業構想大学院大学にて「統合医療」について教鞭をとる。著書多数
(日本オーソモレキュラー医学会HPはこちら⇒ http://isom-japan.org)
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情報提供元: mocosuku