冬の衣類や毛布など… 洗濯はどれくらいの頻度でするべき?
2017-12-10 18:30:36
執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
冬場の洗濯・・・衣服の生地は厚いし、シーツなどの大物は乾きづらいし、おまけに外干しできない日も多い、とっても悩ましいですよね。
ところで皆さん、冬物はどれくらいの頻度で洗濯をしますか?
今回は、「冬の洗濯」というシーンに注目。
注意することや工夫できそうなことを確認してみましょう。
毛布類の洗濯
厚生労働省は宿泊業者(旅館業など)に対して、寝具の管理について、次のように通達しています。
「布団、枕、毛布およびこれに類するものは、日光消毒と十分なはたきを適切に行い、ひと月に1回以上、その中心部の温度を概ね60℃30分間加熱乾燥する方法、又はこれと同等以上の効力を有する方法による加熱処理を行うことが望ましい。
また、布団および枕にあっては、半年に1回以上その汚れ等を除去するため、丸洗い(※)を行うことが望ましい。
この場合、布団丸洗いは、前記と同様の効力を有する加熱処理工程を含めることが望ましい。」
※参考: 丸洗いとは、洗濯物に洗剤液及び水を直接吹きつけるなどして行う洗濯方法であり、もみ洗い処理工程がないものをいいます。
以上が旅館などで、最低限守らなければならない洗濯の頻度、ということになります。
不特定多数の人が訪れる施設ですから、頻繁に寝具の洗濯をするのは清潔を保つために必須というところでしょう。
自宅で自分だけが使う寝具類の場合は、もう少し減らしてもよいかもしれませんね。
また、同じ毛布でも素材によって洗濯の頻度も違ってくるでしょう。
たとえば、ウールやシルク、アクリルなどは、時々風に当てるとよいでしょう。
洗うときは、洗濯が可能であれば洗濯機へ、それ以外はクリーニング店でドライクリーニングをしてもらいましょう。
綿の毛布は、おおむね洗濯機で洗えます。
洗ったら、変色を防ぐため日蔭干しにして、乾いたらブラッシングしましょう。
もちろん、いずれの方法をとるにせよ、洗濯表示タグの確認をお忘れなく。
布団の洗濯
前述の厚労省通達には、布団は半年に1回洗う、とありますので、それをベースに考えると、冬布団の洗濯は、布団を入れ替える時がよさそうです。
押し入れに長くしまっていると、ダニの発生や湿気がこもる、といったことが考えられます。
冬布団は1年に2回、押し入れから出したときと、しばらくしまっておくという、夏布団との入れ替えのタイミングを標準にするとよいでしょう。
布団は洗濯機では洗えないので、クリーニング業者に頼むか、天日干しをしましょう。
また、布団にはカバーやシーツをかけて、それらは週1回くらいの頻度で洗濯しましょう。
セーターの洗濯
セーター類は、着用のしかたと素材により、加減を見ながら洗濯しましょう。
着用のしかた
セーターを地肌の上に直接着用するか、インナーなどの上から着用するか、また、汚れが表面についているか、どのような活動をしたか、どのような場所で過ごしたか・・・などにより、洗濯の頻度は変わってきます。
ここはご自身が確認して臨機応変に洗濯頻度を決めましょう。
素材
セーターの素材は、天然繊維の羊毛、カシミア、アンゴラ、それに、化学繊維のアクリル、トリアセテートなど、また混紡(二種類以上の異なる繊維が混ざっていること)などさまざまです。
セーターに多い素材は、羊毛(ウール)ですが、水に濡れると毛のウロコのような部分が膨らみ、絡み合って縮むフェルト化という現象が起こりやすくなります。
ですから、洗濯機のウールマークコースや、オシャレ着用洗剤で手洗い、または、ドライクリーニングなどをチョイスして、フェルト化を防ぐように洗いましょう。
しかし、上質な生地は、たとえプロのドライクリーニングに頼んでも、劣化のリスクは避けられません。
洗濯頻度が低いにこしたことはないのです。
セーターの質と洗濯頻度を考え、シーンにあったセーターの選び方をするとよいでしょう。
新しく購入するときに、そうした目線を持つことも大切ですね。
ダウンジャケット、コート類の洗濯
この類は、1シーズン中は洗濯しない、という方針の方がほとんどのようです。
それだけに、シーズンが終わったら、早めにクリーニングに出して保管したいですね。
一見汚れていないように見えても、汗や臭いは付着しています。
そのまましまうと、黄ばんでシミになったり、虫食いやカビが発生しやすくなったりします。
現在では、ダウンを含め、自宅で洗えるコート類もあります。
こちらも、必ず洗濯表示タグをチェックして、手洗いOKや洗濯機OKであれば、適宜自宅で洗濯をしましょう。
ブーツのメンテナンス
ブーツはさすがに洗濯はできませんが、なにより気になるのは、内側の臭いでしょう。
そのおもな原因は「汗」と「蒸れ」です。
ですから、ブーツを履くときは、肌が直接当たらないように、靴下やストッキングを履きましょう。
また、消臭効果がある中敷きや消臭スプレーなどをこまめに使用すると効果があるでしょう。
冬ものの洗濯は、少々おっくうではありますが、次のシーズンに気持ちよく清潔に使用、着用するためにも、上記を目安にして、ほど良いタイミングで洗濯することをおすすめします。
【参考】
・厚生労働省「公衆浴場における衛生等管理要領等の改正について」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2001/0111/tp1106-1.html)
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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情報提供元: mocosuku