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VRアートの面白さを体感!『BOOST CREATIVITY SESSION』の撮影現場を取材&せきぐちあいみインタビュー

2021-07-21 13:30:53

話題のクリエイターらが、毎回テーマに基づいてSamsung SSDを使用し、他では見られない映像作品の制作に挑戦する姿を撮影した動画『BOOST CREATIVITY SESSION(ブーストクリエイティビティセッション)』が2021年7月20日に公開されました。

第一弾では「FUTURE STAGE」をテーマに、VRアーティストのせきぐちあいみさんと、2021年9月にメジャーデビューを控える注目のバンド“NEE”がコラボレーション。せきぐちさんが仮想空間に作り上げた幻想的なステージ上で、NEEがライブパフォーマンスをする最新技術とクリエイティビティが融合した“未来のステージ”を披露しています。

リスペクトしあう者同士がコラボレーションすることで、どのような世界感が展開されるのか。編集部では、せきぐちさんにインタビューし、今までに感じたことのない新しい可能性を目撃するために収録現場にお邪魔しました。ついでにVRアートも初体験してきましたが…これが、人生観がひっくり返るほどの面白さでした。

自分が創った世界に人が入れて共有できる凄さ

―― VRアートパフォーマンスと生演奏のコラボレーションは初の試みだそうですね。

せきぐち「NEEのメンバーとの事前打ち合わせでは、楽曲「下僕な僕ちん」とVR作品の世界観やパフォーマンスのアイディアを出し合いました。当日は、グリーンバックを背景にライブパフォーマンスをするメンバーとの撮影でしたが、私はVRゴーグルをつけ描いているので、パフォーマンス中にぶつかってしまわないかと心配していたのですが、初めてお会いしたにもかかわらず息ぴったり!ぶつかることなく阿吽の呼吸で、本当にスムーズな楽しい撮影ができました」

―― 今回のMVの見どころは?

せきぐち「何と言っても“コラボレーションならではの新しい空間”が生まれてくるワクワク感です。実際にパフォーマンスすることで、メンバー4人の個性が1つの絵に納まってアート空間に新しい命が吹き込まれた感じがあります。パフォーマンスしている空間のその奥に別の空間があって、それが思わぬところに繋がっているという、まるで“終わらない夢”が本当に目の前に広がる面白さを感じてもらえたらと思います」

―― 今回「FUTURE STAGE」がテーマですが、せきぐちさんにとっての未来とは?

せきぐち「今、創っているもの、パフォーマンスしているものが“未来”なのかも知れません。私自身は、5年前からVRアートの創作活動を始めたのですが、作品を体験した皆さんから「今は、こんなことができるようになったんだ!?」と驚かれます。人類が体験したことのない新たな世界を広げていく、まさに未来的だと感じますよね」

―― せきぐちさんご自身がVRアートに出会ったときはどんな感想でしたか?

せきぐち「VRアートに出会った頃は「空間に絵がかける!魔法みたい!!楽しい!!」という気持ちが止められなくて、コントローラーの電池が切れるまでやり続けました。こんな楽しいこと皆も楽しくないわけがない!と創作活動を始めましたが、今は人がまだ知らない世界を提供できることが嬉しいですね。誰かの想像力を刺激して、もしかしたら人生観すら変えられるかもしれないと思うとワクワクします」

―― せきぐちさんといえば、VRアート作品「Alternate dimension幻想絢欄」が日本円でおおよそ1,300万円という値で即日落札されたことが話題になりましたが、作品づくりにおいて影響を受けた人やモノなどは?

せきぐち「色々ありますが、日本庭園や生け花、盆栽などからインスパイアを受けています。空間そのものを大切にしていて、どこから見ても美しい絵になるように計算して庭を造り、花を生けるなどしていますよね。その感覚がVRアート制作に似ていて、例えば、オブジェクトは「作庭記」(平安時代に書かれた日本最古の庭園書/橘俊綱著)を参考に、近景・中景・遠景など奥行きや景観を考えて配置するなどしています。その他、発信の仕方やパフォーマンス的な要素もふくめるのなら、ダンスやアイドル活動などの色々な体験が集約されてVRアート制作に活きていると思います」

――BOOST CREATIVITY SESSION』をきっかけにVRアート制作をしてみたいと思った方にアドバイスはありますか?

せきぐち「VRって少しでもラグがあると世界が崩れてしまいます。特に私は細かく作り込むのでデータが重くなり、立ち上がりや読み込みの速度が遅いとそれだけでストレスが大きいです。遊びならば安価なものでも良いと思いますが、仕事ならば良いものを揃える必要があります。VRアートのもつパフォーマンス力を最大限活かすためにも、多少、無理をしてでも最新の良い機材を使って練習した方が良いと思います。それに、私は作品を、驚きをもって紹介したいです。初めてVRアート体験をする皆さんにラグを感じさせてしまったら興ざめじゃないですか? デジタル環境を整えることは大切なことですよね」

VRアートを初体験してみた!

さて、実際に筆者もVRアートに挑戦。せきぐちさんが制作したVR空間に潜り込み、ペイントもとい“悪戯書き”を試してみました。

せきぐちさんは「Tilt Brush」(Google)というVRペイントアプリを活用し制作しています。ヘッドセットを着用しバーチャル空間の中で描いていきますが、平面に描くのとは異なり三次元的な奥行きをも描け、描いた絵やペイントは360°様々な方向から眺めることができます。

また、自分が描いた絵にどこまでも近づくことができるため、選んだエフェクトや描いたペイントに自ら接触することが可能で、例えば、アーチを描いたのならば、そのままアーチを潜ることもできるわけです。

写真)VRゴーグルを装着。せきぐちさんの創ったVR空間が目の前に広がります。

写真)まずは、コントローラーでエフェクトやカラー、筆質などを選びます。

写真)試しにブルーのペイントでVR空間に平面を描いてみました。

写真)画面中央。ブルーのペイントを平行に重ね、左官が土壁を塗るイメージで“見えないキャンバス”に描いたつもりでしたが…

写真)90度横からみると、ペイントの位置に前後のズレが生じているのが分かります。これだけでも新鮮な驚きです!(フリーハンドで平行に塗るには修行が必要そうです)

写真)今度は、みどりのペイントで“渦”を描いき90度横から眺めると…トンネルのようになって潜れる状態になりました。

写真)虹や星屑などのエフェクトが豊富にあり、描いても鑑賞しても楽しいです!

『BOOST CREATIVITY SESSION』は、今後も第二弾、第三弾と続いていく予定。今回のせきぐちあいみ×ロックバンド NEEのコラボレーション作品は、フルバージョンが「下僕な僕チン」のAnother Movie としても使用され 、後日『BOOST CREATIVITY SESSION』のYouTube チャンネルからも配信されるのでお楽しみに。詳細は、https://samsungssd.jp/creativitysession/ まで

日経デザイン
Fujisan.co.jpより

情報提供元: マガジンサミット

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