ヘルメットで締め付けられるような痛み 「緊張型頭痛」
2016-12-18 18:30:23
執筆:南部 洋子(看護師)
監修:川口 佑(医師、新宿ストレスクリニック院長)
偏頭痛で苦しんでいる人は多いもの。
原因のわからない頭痛に悩んでいる人もいるでしょう。偏頭痛にも様々な種類があります。
そこでここでは“ヘルメットで締め付けられるような痛みを感じる”という「緊張型頭痛」についてご紹介したいと思います。
老若男女問わず起こる「緊張型頭痛」
「緊張型頭痛」は、日本では約20~30%の人にみられる頭痛です。
この頭痛は特定の年代ではなく、子どもから高齢者までどの年齢層にもみられます。緊張型頭痛には、頻繁に症状が起こる「慢性緊張型頭痛」と、時々頭痛がおこる「反復緊張型頭痛」の2つがあります。
緊張型頭痛の症状は?
緊張型頭痛は痛みが30分~7日間ほど続きます。
頭の周囲を締め付けたような痛みは「きついヘルメットをかぶったよう」「締め付けられるような痛み」などと表現されることが多いです。
この頭痛は、首から肩、背中の筋肉が緊張することで起こります。筋肉の緊張が高まると血流が悪くなり、筋肉のなかに乳酸やピルビン酸などの老廃物がたまります。
これが周囲の神経を刺激し、締め付けられるような痛みを引き起こすのです。
慢性型緊張頭痛の場合は、頭全体や後頭部、首筋などに痛みを感じます。身体を動かすことで痛みは軽くなるので、家事や仕事を続けることが可能です。
頭痛以外の症状としては肩や首のこりやふらつき、めまい、全身のだるさを伴います。
緊張型頭痛はどうして起こる?
緊張型頭痛は、身体的・精神的ストレスが原因となって起こると考えられています。
身体的ストレス
・長時間にわたる運転
・長時間にわたるデスクワーク
・合わない寝具で睡眠する
長時間同じ姿勢を続けることで首すじから肩にかけての筋肉が収縮し、かたくなって頭痛を誘発します。
精神的ストレス
・仕事上でのプレッシャーが大きい
・人間関係にストレスがある
・家庭内にトラブルがある
プレッシャーを受けるなどのストレスにより、神経や筋肉の緊張を高め頭痛を引き起こします。また、神経の緊張が続くと脳に備わる痛みのコントロール機能が働かなくなり、筋肉が緊張しなくても頭痛が起こるようになってしまいます。
自己診断での薬の服用は薬物乱用になることも<
緊張型頭痛を予防するためには、心身のストレスを解消することが大切です。
またウォーキングやストレッチなどを習慣化する必要があります。仕事でやむを得ず長時間同じ体勢でいるときは、こまめに休憩をとり、両手をあげたり背筋を伸ばしたりするなどのストレッチを行う必要があります。
頭痛が起きたときに自分で鎮痛剤を服用していくと、量が増えていく危険性があります。
薬物を過剰に摂取することで頭痛を引き起こす「薬物乱用頭痛」になってしまうことのないよう、専門家に相談しましょう。
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
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情報提供元: mocosuku