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オメガ3の油はアスリートも摂取していた!?  筋肉への効果、ダイエット、イライラ解消にも!

2022-11-22 08:00:01

オイル

毎日たった小さじ1杯をとるだけで、多くの不調や症状の改善効果が期待できるという油があるのをご存知ですか? その期待される効果の中には、筋肉などのパフォーマンスアップやダイエットにかかわるものも。その油は、「オメガ3系の油」と呼ばれるもの。
その効果について医師や有識者が解説します。さらに、代表的なオメガ3系の油であるアマニ油やえごま油の摂り方と、管理栄養士による手軽に作れるレシピをご紹介します。

■オメガ3系脂肪酸とは?

現代人は、何かしら不調や不安、ストレスを抱えているといわれていますが、そんな今こそ、注目されているのが「オメガ3系脂肪酸」という油です。

オメガ3系脂肪酸(以下、オメガ3)とは、α-リノレン酸(アマニ油、えごま油)、EPA、DHAなど、構造が共通した脂肪酸のグループ名です。魚介類やアマニ油、えごま油等から摂取することができ、「健康のカギとなる細胞膜を柔らかくする」油とされています。

日本脂質栄養学会 理事長で、麻布大学 生命・環境科学部の守口徹先生は、次のように解説します。

「脂質(油脂)は糖質やタンパク質と並ぶ三大栄養素の一つで、生きていくために必ず摂らなければならないもの。体を動かすエネルギーになるほか、私たちの体を作っている約37兆個と言われる全ての細胞ひとつひとつを覆っている膜を作る大切な材料となっています。そして、その細胞膜にオメガ3の油が適度に含まれることが、細胞膜自体の柔らかさに繋がり、体と心と脳の健康を大きく左右することがわかっています」(守口先生)

油(脂質)には大きく分けて4種類。そのうち、細胞の働きに大きく影響するのが、オメガ3とオメガ6の油だといいます。

また、工藤内科 院長の工藤孝文先生は、次のように解説します。

「『オメガ3系』と『オメガ6系』はとても大切です。『飽和脂肪酸』と『オメガ9系』は体内で作ることができますが、オメガ3系とオメガ6系は作ることができません。どちらも食品から摂取する必要があるため『必須脂肪酸』と呼ばれています。オメガ3系とオメガ6系とのバランスは非常に大切で、オメガ6系は、血液を固まらせたり、炎症を促進したりする働きがあり、オメガ3系は、血液を固まりにくくしたり、炎症を抑えたりしますから、オメガ3系を摂らずにオメガ6系とのバランスが崩れると、血が固まりやすくなって心筋梗塞などのリスクが高まります。魚を食べることが減った現代人はオメガ3が足りていない人が多いので、アマニ油やえごま油などから摂って血液サラサラを目指したいですね」(工藤先生)

心身の健康を保つためには、オメガ3とオメガ6の油をバランスよく摂取することが大事であるようです。そのうち、オメガ3は、現代人が不足しがちな油であるため、意識して摂取することが重要です。

■ダイエットや筋肉への効果も期待!

そんなオメガ3、気になる効果があるというのです。それが、ダイエット効果や、筋肉のパフォーマンスアップ効果です。

工藤先生は、次のような興味深い説明をしています。

「人間は不安が強いとつい食べてしまうんです。そのためダイエットの治療には、心療内科的なアプローチが必要です。オメガ3には不安を和らげる効果があることが知られているため、不安が強い人、ダイエットが必要な人にはオメガ3の油を摂るように勧めています。また満腹感を持続させる効果もあるので、つい食べ過ぎてしまうことも防いでくれます。私はダイエットで25kg痩せた経験がありますが、毎日オメガ3の油を摂っていました。以前、テレビ番組で、1日に必要なオメガ3の油を48人の方たちに毎日摂ってもらったところ、1ヶ月後、実に33人の体重が減少しました」(工藤先生)

守口先生によると、オメガ3は、筋肉の可動域を広げ、筋肉の炎症回復と強化促進が期待できるとのこと!

「オメガ3の油の摂取によって細胞の柔軟性が高まり筋肉の可動域が広がるということで、アスリートが運動機能を強化するのにオメガ3の作用を期待して摂取しているようです。また筋肉の炎症を抑えてくれるので、回復と強化が促進され、パフォーマンスアップにつながると言えそうです。
また、オメガ3が脳に十分に足りていると、脳の機能が正常に働き、集中力・思考力・判断力の向上、精神的安定性の効果などが期待できます」(守口先生)

日頃からダイエットや筋肉トレーニング、日々の活動全般のパフォーマンスアップなどを目指している人は、ぜひオメガ3を取り入れたいですね。

■オメガ3のアマニ油やえごま油はどんな風に摂るといいの?

ところで、オメガ3を実際に取り入れるにはどうするのがいいのでしょうか。手軽に摂れるアマニ油とえごま油について知っておきましょう。

●アマニ油とは?

亜麻の種子から絞った油。アレルギー反応の抑制、生活習慣病のリスク低減が期待できる必須脂肪酸であるα-リノレン酸を高濃度で含有。フラックスシードオイルとも呼ばれる。

●えごま油とは?

シソ科のえごまの種子から絞った油。アレルギー反応の抑制、生活習慣病のリスク低減が期待できる必須脂肪酸であるα-リノレン酸を高濃度で含有。

守口先生は、オメガ3の摂り方について次のように述べています。

「オメガ3の油は、体内で合成できない必須脂肪酸のため、一生にわたり、普段の食事から摂る必要があります。毎日小さじ1杯をきちんと摂ることで、体は少しずつ変化します。まずは約1ヵ月程度を目安に肌のツヤを見てください。脳への影響は約半年ほどかかりますが、摂り続けることですべての細胞・臓器にオメガ3が行き渡るので、確実に手ごたえを感じるはず。若々しく健康でいるために、正しい油の働きを知って、毎日の食生活に取り入れることをおすすめします」(守口先生)

「ダイエット中だからと油を控える方がいますが、それは間違いです。オメガ3の摂取により細胞が正常に機能することでエネルギー消費を円滑にすることができます。老廃物をきちんと排出するなど健康的なダイエット効果が期待できます。ダイエット中でも良い油はしっかり摂りましょう」(守口先生)

工藤先生は、次のように述べています。

「私もオメガ3の油を毎日摂っています。アマニ油もえごま油もほとんど味はしないので、さほど違いがありませんが、今はオイルをそのまま飲んだり、味噌汁や煮物、サラダなどにかけたりして食べています。またオメガ3オイル入りのドレッシングが好きで使っています。食卓に出して、家族みんなのおかずにサッとかけています。毎日小さじ一杯を摂るだけで良いのですから、皆さんもぜひ続けてみてください」(工藤先生)

スプーンで摂取したり、ドレッシングなどにかけたりして手軽に摂ることができそうですね。

■オメガ3の油の簡単レシピ2選

ちょっとしたおつまみやおかずにも、オメガ3の油が活用できます。管理栄養士 金丸絵里加さん監修の簡単レシピを2つご紹介します。

●「タコわかめキムチやっこ」

「タコわかめキムチやっこ」

【材料】(2人分)
ゆでたこ……足1本(80g)
塩蔵わかめ……40g
白菜キムチ……60g
木綿豆腐……1丁(300g)
白だし醤油……小さじ1
アマニ油orえごま油……小さじ2

【作り方】
1.豆腐は水気をきってさっと洗い、器に盛る。
2.タコはそぎ切り、キムチは粗く刻み、ワカメは戻して食べやすい大きさに切る。
3.2と白だし醤油を加えてなじむように混ぜて、1の豆腐の上にのせて、アマニ油orえごま油をかける。

●「まぐろアボカド納豆」

「まぐろアボカド納豆」

【材料】(2人分)
まぐろ刺身(赤身)……120g
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しょうゆ……小さじ2
みりん……大さじ1/2
納豆……2パック(80g)
アボカド……小1個
練りわさび……小さじ1/2
アマニ油orえごま油……小さじ2

【作り方】
1.まぐろは2cm角に切り、Aを混ぜたたれに漬け込む。
2.アボカドは種と皮を取ってまぐろと同様の大きさに切る。
3.納豆は付属のたれを一つだけ加えて、粘りが出るまでかき混ぜる。2と汁気を切った1、わさびを加えて混ぜ合わせて器に盛り、アマニ油orえごま油を回しかける。

オメガ3の油は酸化しやすいので、1ヵ月程度を目安に使い切るようにしましょう。また加熱せず、そのまま料理等にかけて摂るのが基本です。毎日、小さじ1杯のアマニ油・えごま油を摂る習慣をつけることで、体・心・脳を細胞から元気にしたいですね。

 

【プロフィール】

守口 徹先生

守口 徹先生
麻布大学 生命・環境科学部 食品生命科学科 食品栄養学研究室 教授。
横浜市立大学卒 国立がんセンター研究所、東京大学 薬学部に研究出向の後、同大学で博士号を取得。 米国国立衛生研究所(NIH)で脂肪酸と脳機能に関して研究。 2008年より現職。 日本脂質栄養学会 理事長。気分障害を中心としたオメガ3系脂肪酸に関する脳機能研究の第一人者。

 

工藤孝文先生

工藤 孝文先生
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科で地域医療に力を注いでいる。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。テレビ・ラジオなどのメディアではジャンルを問わず様々な医療の最新情報を発信している。

 

金丸絵里加さん

金丸絵里加さん
管理栄養士・フードコーディネーター。テレビ出演、雑誌取材、書籍の出版、旅館やレストランのメニューコンサルタントにも従事。栄養価計算や栄養指導、ダイエットアドバイスなども加えながら、毎日食べても飽きずに、「おいしい」と顔がほころぶ、食べて「ほっ」とするような健康的なおうちごはんを提案。

情報提供元: マガジンサミット

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