BIGLOBE、福岡にネットワーク拠点を設立し九州のネット品質向上へ
2025-03-25 14:40:56

BIGLOBEは2024年10月、福岡にネットワーク拠点を設立した。これにより、九州の企業やISP事業者に対し、高品質なインターネットサービスを低価格で提供可能になり、加えて東京や大阪で災害が発生した場合のディザスタリカバリ体制の強化にも繋がるという。3月21日には福岡拠点が果たす役割について有識者が語るトークセッションと、BIGLOBE九州支社開設のお知らせを兼ねた記者発表会が九州・博多で開催された。

東京、大阪に続く第3の拠点として福岡を選んだ理由について、TSMCの進出やスタートアップ支援の活発化など、ビジネスの勢いを挙げたビッグローブ株式会社 BIGLOBE 九州支店長 佐藤徹弥氏。また、九州に新しく相互接続型のデータセンターができたこと、九州地盤のインターネット系事業者の活気、技術者コミュニティの存在も後押しとなったと説明した。

研修デザイナー 岩永真一氏(左)がファシリテーターを務めたトークセッションには、青山学院大学 地球社会共生学部 学部長 教授の松永エリック・匡史氏とビッグローブ株式会社 執行役員(CNO)の南雄一氏が登壇。福岡のネットワークインフラ強化による経済効果、インターネット利用の課題、九州ビジネスの可能性などについて議論した。

BIGLOBEの取り組みを「シェアハウス」に例え、物理的なネットワークの繋がりだけでなく、企業間の協力や新しいビジネス創出に繋がるオープンイノベーションの場となることに期待を示した松永エリック・匡史氏。

従来の東京・大阪集中型ネットワークの課題として災害時のリスク、九州企業のコスト負担、通信遅延、投資の集中などを挙げ、福岡拠点の開設により、これらの課題解決の第一歩となるだけでなく、世界への玄関口としての九州の更なる発展に貢献したいと語った南雄一氏。質疑応答では、北海道への展開も視野に入れていることを明らかにした。
経済にしてもテレビのキー局にしても、東は東京、西は大阪が中心になっているのは日本に住む我々にとっては常識。だが、まさか地方でクリックした指令が中心地まで運ばれ、その反応が返ってくるのを待っているとは知らなかった。つまり、福岡の自宅でインターネットのページのボタンをクリックしたら、はるばる大阪までその指令が走っていき、それが承認されたら今度は福岡まで〈クリックされたよ〉という回答を持って帰ってくるわけだ。
現状のこの仕組みでは10mmsecほどの遅延が生じているのだが、福岡に拠点ができたことにより、それが5mmsec程度まで短縮されるという。ちょっとしたホームページを見る分にはその違いは体感できないかもしれないが、4K動画など今後ますます増えるビッグデータのやり取りを考えると、差は歴然となることは間違いない。今回の福岡拠点設立は、九州のインターネット品質向上と経済活性化に大きく貢献することが期待される。
情報提供元: マガジンサミット