【PSL2026最終戦プレーオフ】ポール・ロドリゲス率いるSHSが制覇!ステアマスター、ジュリアン・アグリアルディがMVP
2026-03-31 11:30:46

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チームで戦う新しい発想のスケートボードコンテスト、プロフェッショナル・スケートボーディング・リーグ(Professional Skateboarding League、略してPSL)の今季プレーオフとなる最終戦が3月28日(現地時間)カリフォルニア州のプリミティブスケートパークで開催され、ポール・ロドリゲス率いるSHSチームが優勝。
シーズンを通して好調だったジュリアン・アグリアルディが、決勝でも大技を決める大活躍を見せてMVPに輝いた。
SHSと最後まで大接戦を繰り広げた、クリス・ジョスリン率いるウルヴァリンズが準優勝となり、ジェイミー・フォイ率いるトロピックスと、ナイジャ・ヒューストン率いるソルジャーズはプレーオフ敗退となった。

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日本から唯一の参戦となる小野寺吟雲が所属するロスサントスは、3月14日に行われた第5戦目の対ウルヴァリンズ戦で15-4の大敗を喫し、上位4チームが出場するプレーオフ進出を逃した。
第2戦まではチームの絶対エースとして大活躍を見せていた小野寺だったが、3戦目以降は他の大会やケガでの欠場が続いた。
彼の出場が続いていたら間違いなくプレーオフでの活躍が期待できただけに、来年度の動きに期待したい。
【PSLのルールをチェック】

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PSLはアメリカのレジェンドスケーター、マイク・モー・カパルディが発案するスケートコンテストで、これまで行われてきたオリンピックやストリートリーグ、タンパなどの主要な大会とは一線を画すフォーマットが注目されている。
主なルールは以下の通り。
・6人(レギュラー3人と控え3人)1組によるチーム戦。
・トリックの採点をするのではなく、トリックの成功か失敗かを判定する審判がいる。
・ハンドレールのついたステア(階段)のセクションで行われ、基本的にはステアでのトリックのみとなるが、各チームレールトリックを3回だけ行うことができる。
・オフェンスが行なったトリックをディフェンスが失敗したらオフェンスに1点が入る。
・オフェンスの順番を変えることはできないが、ディフェンスはフィールド上から自由に選手を選ぶことができる。
・オフェンスは同じトリックを繰り返してはならない(繰り返した場合1アウト)。
・1ラウンド(クォーター)につき、3回オフェンスがトリックをミスしたらチェンジし、両チームのオフェンスが終わった時点で次のクォーターに移る。
・上記を4回繰り返し、最終的に得点の高かったチームの勝利。
・同点の場合はサドンデスで勝敗を決める。
・リザーブの選手と交代した場合、交代した選手のオフェンスの順番は代わりに退場した選手の順番となる。
トリック判定について。
・着地時に指が軽く地面につく程度(手を使って体重を支えていない)ならOK。
・着地でステアにテールが当たったりすると(要はステアを全て飛び越えていない)、デッキに乗っていてもアウト。
・ワンフット系のトリックの場合、例えばオーリーだったら足が完全にノーズを越えていないとアウト。
・これらの判定に対して、トリックを行った相手チームのスケーターは審判に異議申し立て(チャレンジ)を行うことができる。
→チャレンジを失敗した場合、レールトリック挑戦権を1つ失う。
・6チームが5ウィークを戦い、うち4チームがプレーオフに進出し、最終的に上位2チームで優勝争いを行う。
野球やサッカーのようにルールを知らなくても、ポイント加算制にしてどっちが勝っているかをわかりやすくし、より観客が白熱できるようにしたかったとのことで、要は「スケートを知らない人が見てもわかりやすいシンプルなスケートボードコンテスト」となっている。
【2026シーズンの各チームメンバー】

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事前に発表されたドラフトの結果は以下の通り。
※選手名の順番はドラフトでの獲得順
[リチウムチーム]
ザック・サラシーノ(キャプテン)
ダショーン・ジョーダン
アレックス・ミドラー
ロバート・ニール
マウリオ・マッコイ
ブレイデン・ホーバン

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[トロピックスチーム]
ジェイミー・フォイ(キャプテン)
イショッド・ウェア(共同キャプテン)
クリスチャン・デュフレーヌ
ジョン・ディロレンゾ
アレック・マジェラス
トレバー・コールデン

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[ソルジャーズチーム]
ナイジャ・ヒューストン(キャプテン)
アート・コルドヴァ
ミッキー・パパ
イヴァン・マルティネス
グスタボ・リベイロ
パット・パスクァーレ A.K.A“シナー”

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[ウルヴァリンズチーム]
クリス・ジョスリン(キャプテン)
クリスティオン・ジョーダン
テイラー・マクラング
ローマン・ハガー
TJロジャース(今シーズン欠場)→代わりにトレバー・マクラング
クリス・コルボーン

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[ロスサントスチーム]
フェリペ・グスタボ(キャプテン)
マイルス・シルヴァス
小野寺 吟雲
ライアン・デセンゾ
ヴィンセント・ミルー(今シーズン欠場)→代わりにマーク・スチュウ
カイル・ウォーカー

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[SHSチーム]
ポール・ロドリゲス(キャプテン)
ジュリアン・クリスティアンソン
ジョニー・ヘルナンデス
マニー・サンティアゴ
アンジェロ・カロ
ジュリアン・アグリアルディ
【プレーオフの模様】
(YouTube:https://www.youtube.com/live/GHgc5V1gyJs?si=oQroTflATNCimx9_)

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プレーオフ準決勝第1試合はSHS(ポール・ロドリゲス)VSトロピックス(ジェイミー&イショッド)
第1クォーター、先攻SHSのマニー・サンティアゴがハンドレールで目の覚めるようなビッグスピンヒールフリップ バックサイドボードスライドを決めるなどして2点を獲得。
後攻トロピックスの攻撃はミスが続き、1点止まりで2-1。
第2クォーター、先攻SHSはキャプテンのポール・ロドリゲスが登場。
この回2点を追加して、合計4得点。
後攻トロピックスの攻撃は、キャプテンのジェイミー・フォイがハンドレールでフェイキー5-0グラインドを決め、1点を追加して4-2。
第3クォーター、SHSのポール・ロドリゲスは得意のスイッチフリップが精彩を欠き、第2クォーターから含めて3連続ミス、この回は0点に終わる。
後攻トロピックスの攻撃、クリスチャン・デュフレーヌのバックサイド360に対して、自信満々に自分がディフェンスに行くと主張するSHSのジュリアン・アグリアルディと、他の選手に託そうとするポール・ロドリゲスとの真剣なやり取りの末、ジュリアンが見事ディフェンスに成功。
さらにその後、トレバー・コールデンのノーリーバックサイドヒールフリップもジュリアン・クリスティアンソンが防ぎ、2人のジュリアンの活躍でトロピックスをこの回0点に抑え4-2のまま。
第4クォーター、先攻SHSのジュリアン・クリスティアンソンが、スイッチフロントサイド360、ポール・ロドリゲスがスイッチ360フリップを決めてチームを活気づけると、その後もジュリアン・アグリアルディがハンドレールでビガースピンフリップ フロントサイドボードスライドを決める。
続けてジュリアン・クリスティアンソンがスイッチハードフリップ、ポール・ロドリゲスがスイッチバックサイドキックフリップと立て続けに波状攻撃を成功させ、この回一挙6点を追加し、合計10点。
後攻トロピックスの攻撃、ジェイミー・フォイがフェイキー スイッチフロントサイドKグラインドで得点を重ねるが、続くトレバー・コールデンのフェイキーバックサイドビッグスピン(スケッチーながらメイクに見えたが)にジャッジは「ノーグッド」の判定。これに観客は大ブーイング。
終盤、残り5点差の時点でジェイミー・フォイが、フェイキーヒールフリップを外してしまい3アウト。
10-5でSHSチームが決勝進出を果たした。

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準決勝第2試合はウルヴァリンズ(クリス・ジョスリン)VSソルジャーズ(ナイジャ・ヒューストン)
第1クォーター、先攻ウルヴァリンズの攻撃。
トレバー・マクラング、クリスティオン・ジョーダン、ローマン・ハガーがなんと5巡目までノーミスの活躍で一挙10点を獲得。
これまでチームの中心として活躍してきたキャプテンのクリス・ジョスリンが怪我で不在にも関わらず、選手層の厚さを見せつける。
後攻ソルジャーズは4点を返し10-4。
第2クォーター、先攻ウルヴァリンズはトレバー・マクラングから、兄弟のテイラー・マクラングに選手交代、2点を追加して合計12点。
後攻ソルジャーズの攻撃、途中交代でキャプテンのナイジャ・ヒューストンが加わり4点を追加して12-8と追い上げる。
第3クォーター、先攻ウルヴァリンズの攻撃はミスが続き0点に終わる。
後攻ソルジャーズの攻撃では、ナイジャがノーリーフロントサイドヒールフリップ、ミッキー・パパがスイッチ360キックフリップで2点を追加し12-10で最終クォーターへ。
第4クォーター、先攻ウルヴァリンズの攻撃。
クリスティオン・ジョーダンがビッグスピンヒールフリップ、ローマン・ハガーがレイトショービットフロントサイドボードスライドとフェイキーバリアルヒールフリップで3点を追加し15点。
5点を追いかける後攻ソルジャーズ。
途中出場のアート・コルドヴァがポップショービットを決めるが、すでに他の選手が行っているトリックだったため、まさかのトリックダブりで1アウト。
その後ミッキー・パパがノーリーインワードヒール、グスタボ・リベイロがビガースピンフリップ フロントサイドボードスライドを決めて2点を追加するが、5点差を覆すことはできず、第1クォーターで10点の大量リードを上げたウルヴァリンズが15-12で決勝進出を決めた。
【ステアマスターが爆誕した決勝戦】

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決勝戦はSHS(ポール・ロドリゲス)対ウルヴァリンズ(クリス・ジョスリン)。
第1クォーター先攻のSHSは4点を獲得、準決勝では好調だったウルヴァリンズチームのエース、クリスティオン・ジョーダンだったが、決勝ではヘッドフォンを外して出場するもことごとくディフェンスに失敗、これには実況も「誰か彼にヘッドフォンを持ってきて」というほどの大崩れ。
後攻のウルヴァリンズの攻撃は2点にとどまり4-2。
第2クォーター、SHSの攻撃。
ここでもウルヴァリンズのクリスティオン・ジョーダンがディフェンスに尽力するが、2回ディフェンスに失敗した時点でようやくヘッドフォンを装着。
これで落ち着きを取り戻したのか、SHSのスタメン、ジュリアン・クリスティアンソン、ジョニー・ヘルナンデス、ジュリアン・アグリアルディの猛攻をブロックし続け、この回を3点に抑える。
後攻、ウルヴァリンズの攻撃。
ヘッドフォンを装着したクリスティオン・ジョーダンがノーリーバックサイドフリップやスイッチビッグスピンヒールフリップ、ハーフキャブヒールなど高難度のトリックを決めるが、SHSのエース、ジュリアン・アグリアルディがこれをブロックし、この回を3点に抑え、7-5で折り返す。
第3クォーター。
先攻SHSはジョニー・ヘルナンデスからアンジェロ・カロに選手を交代し、ビガースピンフリップボードスライドなどのレールトリックを狙うがことごとく失敗に終わり、追加得点は1点のみ。
後攻ウルヴァリンズはトレバー・マクラングが、スイッチバックサイドキックフリップで攻めるが、ここで登場のSHSボス、ポール・ロドリゲスがこれをブロック。
これで勢いに乗ると、クリスティオン・ジョーダンのスイッチフロントサイドキックフリップもPロッドがブロックに成功。
続いてローマン・ハガーが、ハンドレールで超高難度トリックとなるレイトショービット フロントサイドボードスライドを決め、SHSジュリアン・アグリアルディがブロックに挑むが惜しくも失敗。
ウルヴァリンズはこの回3点を追加し、8-8の同点で最終クォーターへ進む。
第4クォーター。
先攻のSHS、ジュリアン・アグリアルディがフロントサイドハーフキャブキックフリップを決めるとトレバー・マクラングがこれをブロック。
ジュリアン・クリスティアンソンが、スイッチバリアルヒールフリップを決めると、クリスティオン・ジョーダンがこれをブロック成功。
ジョニー・ヘルナンデスがスイッチバックサイドヒールフリップをミス。
ジュリアン・アグリアルディがフロントサイドヒールフリップを決めると、クリスティオン・ジョーダンがこれをふたたびブロックし、一進一退の攻防が続くが、ここでジュリアン・クリスティアンソンがノーリーフロントサイドショービットを決めると、ローマン・ハガーがこれをイージーミス。
続けてSHSジョニー・ヘルナンデスがスイッチバックサイドヒールフリップを決めると、クリスティオン・ジョーダンがブロック失敗し2点目を許した後、ジュリアン・クリスティアンソンがスイッチフロントサイドビッグスピンを決めてSHSが3点をリード。
3点を追う後攻、ウルヴァリンズの攻撃。
ローマン・ハガーがオーリーボディバリアルを失敗し1アウト。
続く2人はフェイキーオーリー、スイッチ180で送りバントをすると、ローマン・ハガーがハンドレールでレイトショービット フロントサイドボードスライド フェイキーアウトをメイク。
これを迎え撃ったジュリアン・アグリアルディが見事にブロック成功!
第3クォーターでくらったのと、ほぼ同じトリック(今回はアウトが違う)にリベンジすると会場はこの日一番の大歓声に包まれ、ブロックされたローマンまでもが称える。
その後はクリスティオン・ジョーダンがハードフリップバックサイド180を失敗し、2アウト。
ローマン・ハガーがフェイキーフロントサイドビッグスピンを決めるも、着地で異音が。
着地の時にテールがステアに当たっていたのではないかということで、主審がビデオ判定した結果これはセーフの判定。
しかしジョニー・ヘルナンデスがこれを見事ブロックし、ウルヴァリンズは万事休すかと思われたが、クリスティオン・ジョーダンがハードフリップバックサイド180を決め11-9で2点差まで追い上げる。
しかし最後は、ローマン・ハガーがオーリーボディバリアルをふたたび失敗してしまい、3アウト。
ポール・ロドリゲス率いるSHSチームが2026年シーズン王者となり、スケートボードにおけるチーム戦の可能性を強く印象づける、歴史的なシーズンの幕を閉じた。
そして、今大会ステアマスターの称号を獲得したジュリアン・アグリアルディがMVPに輝いた。
【気まぐれなスケーターたち、勝利の鍵は結束力】

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個人的に今シーズン通して見て思ったことは、トップ選手を獲得したとしても、その選手が多忙で出場できない機会があったりすると、戦力差が一気に広がってしまうことと、チームメンバーの勝ちたいという気持ち、そしてスケーターには馴染みのない結束力が勝利の鍵になったように思う。
今大会、SHSが優勝に輝いた最大の要因はまさにチームの結束力にあった。
準決勝の試合途中ではキャプテンのポール・ロドリゲスと、エースのジュリアン・アグリアルディがヒートアップする場面があったりと、本気で勝ちたいという気持ちが一番強く、キャプテンがしっかり結束力をキープしたチームがSHSだった。
そういった意味では、準優勝のウルヴァリンズもソルジャーズに比べて勝ちたいという気持ちが勝っていたように見えるし、プレーオフは怪我で欠場したものの、ここまで最前線で活躍し、常にチームメイトに背中を見せてきたキャプテン、クリス・ジョスリンの活躍は素晴らしいものだった。
そして残念ながらプレーオフ進出を逃したチームには、怪我で欠場というのは仕方のないことだが、それ以前に途中でいなくなってしまう選手や、気まぐれな選手がいたのは事実だ。
ポール・ロドリゲスが終始見せたあの真剣な眼差しは見ている側もテンションが上がるし、応援したくなる。
PSLはチーム戦というフォーマットが持つ、スケートボードの新しい可能性を見ることができる大会だった。
【PSL2026最終順位】

PSLホームページより https://www.pslskateboarding.com/stats/standings
2026年シーズンの最終的なチーム順位はこちら
※()内は勝敗数と得失点差。
1位SHS(5-2/+10)
2位ウルヴァリンズ(5-2/+14)
3位トロピックス(3-3/-11)
4位ロスサントス(2-3/-6)
5位ソルジャーズ(2-4/+10)
6位リチウム(1-4/-17)
※4位のロスサントスはプレーオフには出場していませんが、順位はホームページのまま表記しています(3月30日時点)。
文 小嶋勝美
スケートボード放送作家のスケーター。
情報提供元: マガジンサミット