助成金1000万は誰の手に?『三崎優太 若者のみらい応援 基金 ビジネスコンテスト』最終審査会レポート
2020-09-09 23:55:05
実業家の三崎優太氏が、日本の未来を支える若者を支援することを目的とした『三崎優太 若者のみらい応援 基金 ビジネスコンテスト』の最終審査会が8月31日に都内で開催され、応募総数200組のなかから1次審査を通過した16組(うち、1組棄権)の代表者らが登壇し、ビズネスにかける想いやコンセプトなどをプレゼンしました。
最終審査会にはオブザーバーである三崎優太氏をはじめ、西崎康平氏(トゥモローゲート株式会社 代表取締役)、福島達也氏(公益財団法人公益推進協会 代表理事)、大峠和基氏( 筑波大学大学院 図書館情報メディア 研究科所属)、池澤あやか氏(フリーランス ソフトウェアエンジニア)そして、タレントの水道橋博士さんら8名が審査に参加。
2020年7月1日~8月10日の期間に応募されたビジネス企画のなかから、1組に最優秀賞1,000万円、優秀賞3組※に各250万円、審査員賞5組※に各100万円の助成金が送られます。(※は最大人数)
今回のビジネスコンテストは若者の参加を広く求めるもので、①起業後3年以内でかつ事業が継続している企業の経営者 ②フリーランス ③起業を目指している人(学生可)のうち、いずれも満15歳~34歳までという年齢制限が設けられています。そのため、壇上には高校生から社会人までのフレッシュな顔ぶれが揃い、なかには、大舞台でのビジネスプレゼンに慣れない代表者も。緊張を隠せぬまま5分間という短い時間、精一杯企画説明をする姿が印象的でした。
審査では主に、ビジネスにおける新規性や実現性、完成度の高さ、そして未来を良くしたい!という熱意や課題解決意欲などが採点されます。10代~20代の比較的ビジネス経験が浅い代表者がほとんどとはいえ、そこはビジネスコンテストの最終審査会。審査員からの鋭い指摘や激励の洗礼を受けた代表者も多かったようです。
気になる15組のプレゼンテーションの結果は、2020年9月10日に発表予定。果たして1000万円の助成金を受け取るのはどのビジネス企画なのか!? お楽しみに!
最終プレゼンテーションに臨んだ15組の代表者と企画概要
芦原汐音(17歳) 化粧品会社の起業「4one’s(フォネス)」
■美容外科カウンセラーを目指している高校生/患者さんの心と身体に寄り添う美容化粧品を作りたい。男女性関係なく利用できるパッケージデザインを目指し、ゴールドや黒などクールなカラーを基調とする。なかでも男性から支持を得られるメンズ化粧品会社分野の成長を狙う。
【審査員からの質問】
■競合も増えてきていると思うが対策は?
■ジェンダーレスなのか、男女別にブランドを分けるのか?
■製造も販売もするのか、OEMなのか、販売だけなのか?
野村伸行(24歳) インターネット通販会社「semplice」
■“オリジナル製品でお客さまを幸せに”が弊社のコンセプト。「メンズニップレス」や「メガネ くもり止めクロス」などユーザーの身近な悩みを解決する商品を開発し通販サイトで販売中。「メガネ くもり止めクロス」は楽天ランキング8週連続1位。「メンズニップレス」は累計5万個を突破している。今後、認知度をあげるためにも店頭販売を考えている。
【審査員からの質問】
■DtoCは考えていないのか?
■広告マーケティングの必要がでてくると思うが、戦略は?
■模倣品対策と差別化について聞かせてほしい。
青木怜(21歳) 「動物が主役のSNS ○○」
■大学3年生/日本の捨て犬捨て猫などは年間約13万頭(2015年)。原因としてペット飼育の知識不足が挙げられ、そこを解消するようなコミュニティをつくりたい。まるで動物同士がコミュケーションしているようなSNSデザインを考えている。飼い主がペットになりきることで、ペットが所有物ではなく家族であるという意識を高めたい。
【審査員からの質問】
■どの程度、ユーザーヒアリングした? 試験運営した結果は反映されている?
■開発者は外注、それとも自身で行うのか?
■課題解決に必要なのは本当にユーザーの知識不足?
佐々木章太(28歳) 物流会社の安全教育サービス「WacWac(ワクワク)」
■平成28年は18,254件。トラック起因の事故は自動車に比べ死亡率が16倍。しかし、現状は国交省が配布した資料等での読み聞かせなどが主流であり、もっと効率的で効果的なドライバーの安全教育が必要。そこで、VRを駆使しドライバーが事故を体験、その経験を実際の運転に生かす安全教育サービスの提供を開始した。月額5万、システムと連携し管理できるのでコストも抑えられる。今後は視線検知機能なども装備予定。
【審査員からの質問】
■企業は月額5万だす? コストメリットについてもう少し聞きたい。
■利益率は?
■一般関係や個人のユーザーへの拡大は考えていないのか?
佐藤洸(26歳) ブランドスイカ専門店「あまいスイカ」
■間違いなく!美味しいスイカを農家から直接購入できるオンラインショップを運営中。一般的なECサイトにみられるモール型手数料ビジネスとは異なり、出店者を増やすのではなく厳選して本当に美味しいスイカのみを取り扱い、顧客からの信頼を得ている。ブランドスイカが適正な価格で消費者に届くようにし、日本中にスイカファンを増やしたい。拘るほど儲からないと言われるスイカ農業に革命を起こす。
【審査員からの質問】
■現状のリピート率はどのくらい?
■例えば「あまいイチゴ」を今後、出す予定はないか?
■秋冬のスイカの需要が不明だけれど対策は?
田中幸大(26歳) 「Ashiba Ad」~足場シートに付加価値を~
■工事現場にある足場シートを利用した野外広告を展開し、足場シートに新たな付加価値を持たせたい。商業施設などは事前の告知ができるうえに認知度も上がる。屋外広告物条例の基準をクリアすれば実現可能であると考えている。実家が鳶職を営んでおり思いついた。
【審査員からの質問】
■足場シートは再利用していると思うが、新規に作り直すのはコスト高ではないか?
■足場は施工主との接点がないが、その繋がりはどう考えている?
■施工会社を通じてコネクションを作るのは可能?
木村友哉(22歳) 誰しもが相談相手「ゲートキーパ」になれる自殺防止アプリの開発
■大学生/若年者(特に10代)の自殺者を減らしたい。ネットの誹謗中傷などが主な原因だが、友達や家族など誰にも相談できない人が多く第三者の助けが必要。アプリでは、いじめの相談にのる専門家と一般のグループをつくり、一般の相談相手は無課金、専門家のカウンセリングが入る場合は課金を考えている。悩みをチャットで送るだけでも自殺防止の抑止力になると期待している。
【審査員からの質問】
■LINEを窓口にした相談サービスがある。そことの差別化は?
■知識のない一般人が相談にのるリスクはどう考える?
■相談された結果、自殺をとめることができなかったらどうする? ある程度責任を取るのか否か? 会社としてのリスクヘッジをどうするか?
田村亮二(22歳) 「TUNNEL」~自分のファンクラブを世界一簡単に~アーテイストを売るコミュニティ
■良い作品がつくれても、マネタイズができているバンドマンは少ない。そこで、登録会員から一律に費用を徴収するようなファンクラブ運営の代行サービスを立ち上げ、事務所に所属していないアマチュアアーテイストを助けたい。動画配信を主とした課金制プラットフォームとは異なり、配信以外でのリターンや各ジャンルのアーテイストに特化したサービスを考えている。バンドマンならばCDやチケット販売などの補助など。
情報提供元: マガジンサミット