「抗疲労∞抗老化」トータルリペアプロジェクト始動、「修復力(リペア力)」を新指標に健康長寿社会を目指す
2026-05-15 14:31:46
5月12日(火)、東京都中央区のコングレスクエア日本橋にて「『抗疲労∞抗老化』トータルリペアTMプロジェクト」の発足セミナーおよび記者発表会が開催された。
本プロジェクトは、インテグレーテッドヘルスサイエンス株式会社(IHS)が提唱するもので、現代社会の深刻な課題である疲労と老化に対し、「修復力(リペア力)」という新たな健康指標を導入し、科学的エビデンスに基づいた解決策の社会実装を目指す取り組みである。会場には多くの報道関係者や業界関係者が集まり、次世代の健康管理のあり方について関心が寄せられた。

開会挨拶では、一般社団法人ウェルネス総合研究所のエグゼクティブフェローである赤坂幸正氏が登壇した。

赤坂氏は、人生100年時代において健康寿命の延伸がいかに重要であるかを強調し、日々の疲れが取れない、体力が衰えるといった生活者の悩みに対して、これまではそれらを客観的に可視化して適切な対策を講じることが難しかったと指摘した。同研究所は、疲労研究の第一人者である渡辺恭良氏が率いる本プロジェクトを全力で支援し、情報を収集・発信することで、国民一人ひとりが意欲的かつクリエイティブに生きられる社会の実現に寄与していく決意を述べた。

続いて、IHS社代表取締役CEOであり、日本疲労学会理事長なども務める渡辺恭良氏による基調講演が行われた。
渡辺氏は、30年以上にわたる研究から、疲労と老化の中核メカニズムには共通の要因があることを解明した。それは「生体酸化(錆び付き)」「炎症」「修復エネルギーの低下」であり、渡辺氏はこれらを「OIL(Oxidation, Inflammation, Less repair energy)=老いる」というキーワードで定義した。

特に重要視されるのが、細胞のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)の振り分けである。老化や慢性疲労の状態では、ATPが生命維持や活動に優先的に使われ、本来、寝ている間に行われるべき「修復」にエネルギーが回らなくなる。渡辺氏は、PET(陽電子放出断層撮影)やAIを用いた高度な計測技術により、この修復力を数値化・可視化することの必要性を説いた。

毎日の疲労をリセットできているかをチェックし、負のスパイラルを正のスパイラルへと転換することが、直接的にアンチエイジングへと繋がると強調した。
渡辺氏は今後5年間の事業・研究計画についても言及した。生体酸化、修復エネルギー、炎症、自律神経の状態を網羅的に計測し、多角的な視点で個々の健康状態を評価する。この枠組みを産業界と共有し、各個人の状態に応じた最適な製品や対策を推奨する仕組みを構築するという。

例えば、アリナミンのPET試験では、成分が血球内に取り込まれ、徐放的に供給される動態が視覚的に確認されている。プロジェクトでは、短期間の臨床試験に加え、長期利用者の健康度も追跡し、エビデンスに基づく効果判定を最大化させる。さらに、参画企業同士の製品を組み合わせたセットメニューの提案や、新製品のグローバル展開も見据えている。包括的な共同研究を通じて、各修復点に最適なソリューションを提供し、健康長寿社会の実現を目指す構えだ。

発表会ではこのほか、IHS社取締役CTO/CFOの水野敬氏が「個々人の総合的健康度を表す健康関数と様々なソリューション開発」について、株式会社日本トリム代表取締役社長の田原周夫氏が「エッセンシャルヘルスケアの重要性、時間生物学からの期待」についてそれぞれ講演を行った。

最後には、講演を行った3名に加えて、早稲田大学の矢澤一良氏、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の國澤純氏、健康医療ジャーナリストの西沢邦浩氏を交えたパネルディスカッションが実施された。産官学の専門家たちが、トータルリペアの概念をいかに社会に実装し、健康寿命の最大化に繋げるかについて、多角的な視点から活発な議論を交わした。

情報提供元: マガジンサミット