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酷暑対策!?大人もトラウマになる超本格派“怪談絵本” で涼む

2018-08-30 06:30:26

夏といえば、“怪談”でございます。が、最近では稲川淳様の姿を拝見する機会も減ったような…。せっかくの日本の夏の風物詩なのですが…。そんななか、絵本の世界では「怪談」が盛り上がっているようでございます。と言っても、子ども向けの「おばけだぞ~」的な絵本ではございません。昨今の大人絵本ブームを受けてか、大人向けの本格的な怪談でございます。

一番有名なのが、怖い絵本ブームの火付け役として、異例とも言える大きな反響をよんだ岩崎書店の「怪談えほん」シリーズでございます。良質な本物の怪談の世界に触れてほしい…そんな願いから生まれたシリーズ。

執筆陣には、宮部みゆき様、京極夏彦様といった日本を代表する怪談文芸や怪奇幻想文学のプロフェッショナルの面々がラインナップ。さらに、その研ぎ澄まされた文章が、実力派画家によって絵本、アートブックという形で表現されております。その結果、子供よりむしろ大人が楽しめる怪談絵本として注目を集めております。

活字離れも進む昨今、小説の怪談より、短い時間で絵も楽しめるという意味では、イマドキな怪談の楽しみ方かもしれません。そこで今回は、そんな大人向け怪談絵本のなかでも特に怖い、トラウマ覚悟の作品をご紹介させて頂きます。まずはこちら!

「悪い本」(作:宮部みゆき 絵:吉田尚令 編:東雅夫 出版社:岩崎書店)

昨年、作家デビュー30周年を迎えた直木賞作家の宮部みゆき様の作品でございます。「理由」「模倣犯」などのミステリーでお馴染み、日本を代表する小説家でございます。人情味溢れる時代小説も人気でございますが、そんな宮部様のホラー作品でございます。

文字数は約400字。宮部作品中の最小記録では…。これだったら、活字離れの方にも問題ないかと。文字が少なくても絵の力で十分に伝わるのでございます。

どんな内容なのかというと、この世の悪という悪を知り尽くした本が読者に、あることを語りかけてくるというお話。演出で恐怖を与えるというより、人間の持つ残虐な本能を描いた作品でございます。じわりとくる大人の怪談でございます。

そしてもう一冊。

「かがみのなか」(作:恩田陸 絵:樋口佳絵 監修:東雅夫 出版社:岩崎書店)

こちらは、昨年、「蜜蜂と遠雷」で、直木賞と本屋大賞ダブル受賞したことでも大きな話題となりました恩田陸様の作品でございます。こちらは、約170字。

主人公と少女と鏡のお話でございます。お話はシンプルですが怖い。さらに絵も怖い。鏡をみるのが怖くなるかも…でございます。くれぐれもご注意を…。大人もトラウマ注意の怪談絵本でございます。

暑い夏、今年は今流行りの大人絵本、“怪談絵本”で涼んでみるのはいかがでございましょう。

(文:N田N昌)

月刊 MOE(モエ) 2018年9月号 (2018年08月03日発売)
Fujisan.co.jpより

情報提供元: マガジンサミット

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