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シム・ウンギョン&河合優実も登壇、三宅唱監督作『旅と日々』ロカルノ国際映画祭で公式上映

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2025-08-16 22:58
シム・ウンギョン&河合優実も登壇、三宅唱監督作『旅と日々』ロカルノ国際映画祭で公式上映
映画『旅と日々』(11月7日公開) シム・ウンギョン、三宅唱監督、河合優実(C)2025『旅と日々』製作委員会
 スイス・ロカルノで開催中の「第78回ロカルノ国際映画祭」(8月6日~16日)で、インターナショナル・コンペティション部門に正式出品された三宅唱監督の最新作『旅と日々』(11月7日公開)が、現地時間15日に公式上映された。三宅監督をはじめ、主演のシム・ウンギョン、出演の河合優実が現地で参加し、上映後には観客からの質問にも答えた。

【動画】三宅唱監督最新作『旅と日々』予告編

 スイス南部のマッジョーレ湖畔の街ロカルノで毎年8月に行われる本映画祭。三宅監督にとっては『Playback』以来、13年ぶりの参加となる。

 『旅と日々』は、つげ義春の漫画「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を三宅監督が脚本に再構成し、現代的にアップデートしたロードムービー。行き詰まった脚本家が旅先での出会いをきっかけに、ほんの少し歩みを進める姿を描く。

 夏の海辺では、ビーチが似合わない夏男(高田万作※高=はしごだか)が、影を抱える渚(河合)と出会う。何を語るでもなく、なんとなく散策するふたり。翌日も浜辺で再会。近づく台風の影響で大雨が降りしきる中、二人は海で泳ぐのだった。

 冬、脚本家の李(シム・ウンギョン)は、ひょんなことから訪れた雪荒ぶ旅先の山奥でおんぼろ宿に迷い込み、やる気のない宿主・べん造(堤真一)と出会う。暖房もなく、雪に押しつぶされそうな宿で、李は夜の雪原へと導かれていく。

 公式上映に先駆けて行われた記者会見で三宅監督は「(今回)1本の映画で別の季節を感じることによって、映画を観るときに新しい経験が出来るのではないかと思い、夏と冬の二つの季節を描くことにした。原作者であるつげ義春さんが漫画という芸術と向き合い、追及し続けているのと同じように、自分自身も映画そのものの本質的な部分を探求できるいい機会であり、挑戦だった」と語った。

 公式上映は2800席を誇る「Palexpo(FEVI)」で行われ、満席に。三宅監督は「ランチ後の上映は眠くなるものですが、ご安心ください。次々と移り変わる映像とシーンの連なりで、皆さんの目も耳も、その他すべての感覚を心地よく目覚めさせます。映画をお楽しみください。ボンボヤージュ!」とあいさつ。シムは「今日ここで観られることを楽しみにしていました」、河合も「国や言葉を超えて共有できる感覚がある映画です」と、それぞれに語った。

 上映後は5分を超えるスタンディングオベーション。三宅監督、シム、河合は笑顔で観客に応え、握手を交わした。

 続くQ&Aでは、シムが「役になるというより、作品の中を生きることを意識した」と語り、河合も「その人物の背景よりも、その瞬間の風景や人にどう反応するかを大事にした」と振り返った。

 続けて行われたQ&Aでは、シム・ウンギョンが「今作では、今までと違うアプローチをした。役になるというよりも、そのまま(作品の中を)生きるということを意識した」と語り、河合も「その人物のバックボーンよりも、目の前にある風景、見知らぬ人に対して、どのように反応するか、という”今この瞬間”ということをすごく意識した」と話した。

 三宅監督は「名前すら名乗らない、短く儚い出会いを描こうと思った。互いに不寛容さが広がる世界で、他者と時間を共有する可能性を映画に託した」と制作意図を明かす。また「前半は映画初期の記録性、後半は古典的アメリカ映画や日本映画をベースにした。結果、“新しい古典映画”と言ってもらえた」と挑戦を語っていた。

 すでに各国メディアからは「美しさと余韻に満ち、心に広く届く作品」(Asian Movie Pulse)、「主演のシムは沈黙や視線で世界を映し出す卓越した演技を披露」(Journey Into Cinema)と高い評価が寄せられている。

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