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真田広之が語る、どうなる?『SHOGUN 将軍』シーズン2――戦を終わらせ、その先へ

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2026-01-01 08:00
真田広之が語る、どうなる?『SHOGUN 将軍』シーズン2――戦を終わらせ、その先へ
香港で取材に応じた真田広之 (C)ORICON NewS inc.
 世界を席巻した戦国スペクタクル・ドラマシリーズ『SHOGUN 将軍』のシーズン2が、いよいよ本格始動する。その準備が進むなか、11月13日、香港ディズニーランド・ホテルで開催された「ディズニープラス・オリジナル・プレビュー2025」に主演兼エグゼクティブ・プロデューサーの真田広之が登壇。現地で行ったインタビューでは、「シーズン1を超えるものでなければ、続編をつくる意味はない」と力強く語った。

【画像】『SHOGUN 将軍』シーズン2キーアート

 シーズン1は、テレビドラマ界のアカデミー賞と称される「エミー賞」で作品賞を含む歴代最多の18冠、「ゴールデングローブ賞」でも4冠に輝き、真田広之、アンナ・サワイ、浅野忠信らキャスト陣の受賞ラッシュは、日本でも大きな話題となった。

 主要アワードを席巻したこのシリーズは、単なる“サムライ・スペクタクル”ではない。江戸幕府を開き、長い天下泰平の世をつくった徳川家康にインスパイアされた吉井虎永(真田)を主人公に、権力闘争の先に「平和とは何か」「人は何を守るために戦うのか」を問いかけた、極めて現代的なドラマだった。

 「シーズン1のときは、本当に“良いものを作ること”だけに集中していました。そしてありがたいことに、多くの方々に楽しんでいただけた。たくさんの賞をいただいたあとも、その評価に甘えることなく、“より良いものを作ろう”という姿勢は変わりません。期待を意識し過ぎることなく、プレッシャーをエネルギーに変えて、“シーズン1を超えよう”という気持ちで準備しています」

 シーズン1が描いたのは、1600年・関ケ原の戦い前夜の日本。シーズン2では、その10年後が舞台となる。

 「シーズン1で、僕のモチベーションの中心にあったのは、長い戦乱に終止符を打った虎永――つまり家康の物語でした。戦を終わらせることの大変さ、しかし、それを“成し遂げた人がいる”という事実そのものが、今の世界に対する強いメッセージになると思いました。それを描くうえで重要だったのは、“人間”です。敵も味方も含めて、葛藤を抱え、守るものがあり、迷いながら選択する――その人間ドラマが、きちんと描けるかどうか。シーズン2でも、それが最重要だと思っています」

 現在も世界のさまざまな国や地域で、いまなお紛争が起きている。時代も事情も全く異なるが、家康が成し遂げた「戦乱を終わらせ、天下泰平の世をつくる」という行為は、歴史上の偉業であると同時に、今なお世界が願い続ける普遍的な理想でもある。

 「戦いを終わらせるまでには犠牲や苦しみが伴います。だからこそ、平和を維持しなければならない。日本は、かつてそれを成し遂げ、250年以上にわたって戦乱のない時代があった。平和を築いた人たちが、確かに存在した。その事実が伝わればうれしい。そこがシーズン2の、大きな見どころになる気がしています」と、話しながら真田の目に一瞬、涙が浮かんだ。何か強く胸に迫るものがあることが伝わってきた。

■遠回りの20年が『SHOGUN 将軍』へつながった

 2002年に主演した『たそがれ清兵衛』でアカデミー外国語映画賞にノミネート。翌年、『ラスト サムライ』で世界的な評価を獲得し、その後、活動拠点を海外へ移してからのキャリアについても質問した。

 『ラッシュアワー3』『スピード・レーサー』『ウルヴァリン:SAMURAI』『アベンジャーズ/エンドゲーム』『モータルコンバット』、そして『ジョン・ウィック:コンセクエンス』など、数々の世界的ヒット作に出演。演技のみならず、スタント、アクション、殺陣にも精通していることから、映画制作のさまざまな現場で活躍してきた。その歩みの裏には、計り知れない試行錯誤や挫折もあったはずだ。

 「渡米した当初は、不安ばかりでした。でも“日本人であること”“自分らしくあること”を貫いて、どこまでいけるのか。それだけは決めていました。システムに合わせることは必要ですが、自分を曲げて成功しても、それは自分の人生の成功ではない。もっと早く成功できる道もあったかもしれません。でも、不器用でも自分が求めるものを追求したい。悔しさやもどかしさが積み重なり、それがモチベーションになって、エネルギーになっていきました。そうして初めて、プロデュースを任された作品が『SHOGUN 将軍』です。『このために遠回りをさせてくれたんだ』と思いました。20年分の悔しさを、この勝負にすべて注ぎ込む感覚でした」

 『SHOGUN 将軍』では、“日本の伝統的な所作や文化を正しく描いている”という点でも高く評価された。シーズン2の制作ではさらに精度を上げるため、時代劇専門の日本人スタッフが前作以上の規模で参加する。

 「シーズン1より後退するようでは、続編を作る意味がない。同じクルーを残しつつ、日本人スタッフをさらに増強することを強くお願いしました。FXさんもディズニーさんも、その覚悟を受け止めてくれました」

 シーズン2からは、主演に加え、肩書きが「エグゼクティブ・プロデューサー」に変わった。「正直なところ何が違うのか最初はわかりませんでした(笑)。ただ、発言権は確実に広がり、その分責任は大きくなりました。『こうだ』と一言言えば、全体が動く。その重さを感じています。でも、それ以外は変わりません。みんなと話し合いながら作品をつくり、カメラの前に立てば、俳優として芝居を楽しむ。それだけです」

 家康は、験担ぎを大切にしていたという説もある。真田自身はどうなのか。尋ねると、即座に「一切ないですね」と返ってきた。

 「“これがないとダメ”というものがあると、それが足かせになる気がするんです。作品ごとに撮影場所も役も違うし、スタッフともゼロから関係を作っていく。そのとき、“米がないと生きられない”と言っていたら、飛び込めない現場が出てくる。だから、身一つが僕のスタイル。役者業も、プロデューサー業も、身一つで順応できる状態を保つことを大事にしています」

 短い取材時間ながら、丁寧に答えてくれた真田からは自信と余裕、そして充実感がにじみ出ていた。その中で一瞬、感極まった時の「平和を築いた人たちが、確かに存在した。その事実が伝わればうれしい」という言葉には、俳優として、そしてエグゼクティブ・プロデューサーとして、日本の精神を世界へ届ける覚悟が凝縮されているように感じられた。

 ディズニー傘下のFXが製作した『SHOGUN 将軍』シーズン1はディズニープラスのスターで全話独占配信中。シーズン2は2026年1月撮影開始。

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