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震災の恐怖描いた漫画、無料公開 『南海トラフ巨大地震』震災のエンタメ化に葛藤「防災意識の向上に」

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2026-03-11 00:00
震災の恐怖描いた漫画、無料公開 『南海トラフ巨大地震』震災のエンタメ化に葛藤「防災意識の向上に」
『南海トラフ巨大地震』無料公開 (C)biki・よしづき くみち / 講談社
 2011年3月11日に発生した東日本大震災を受け、震災の恐怖を描いた漫画『南海トラフ巨大地震』が、漫画アプリ『マガポケ』にて24時間限定で最新話以外無料公開された。3月11日は“いのちの日”ということもあり、編集部は「災害はいつ起こるかわかりません。この機会に『災害がもし起きたらどう行動するか』を身近に考えるきっかけになると幸いです」と伝えた。

【画像】リアルすぎる被災地&津波…公開された『南海トラフ巨大地震』数ページ

 2023年5月より「現代ビジネス」にて連載がスタートした同作は、フィクションでありながら、過去に実際に起きた災害を丁寧に取材して「南海トラフ巨大地震」を題材にした物語。

 地震発生時、名古屋港にいた主人公・西藤命は、変わり果てた街の姿を目にし、「大津波警報」が発令されるなか、安全な高台へ逃げようとするが、そばには「ケガを負って動けない高齢者」が…。見捨てるか、それとも助けるか。迫られる究極の決断。そして襲い来る「見えない津波」の恐怖。いつか必ず起こる未曽有の災禍。そのとき、いったい何が起きるのか?どうすれば、生き延びることができるのか?綿密な取材に基づいて描かれた「いつか起こる震災のリアル」を描いている。

 連載当初より「現代ビジネス」では10,000,000PV超え、コミックス第1巻は発売後即重版がかかるなど注目されており、漫画は『マガポケ』でも連載中。

 作品について担当編集は「本作には、津波や焼死などのショッキングな表現が登場します。実際に震災を経験した方も多くいらっしゃるなかで、こうした表現を描かざるを得ない「巨大地震」という題材を漫画作品として扱うことには、編集担当として当初は迷いもありました。災害をエンタメ化して面白がっていると、そう感じられる方もいるのではないかと思ったためです」と告白。

 「一方で、漫画にすることで、テキストや映像ではできない伝え方をすることができるという確信もありました。漫画だからこそ手に取ってくれるという読者は、おそらく少なくないのではないかと考えたためです。それによって、本作が少しでも読者の方の防災意識の向上に結び付くのであれば、それは人命を守ることにもつながる非常に意義の大きいことだと思います」と作品を世に送り出す理由を説明した。

 「そしてなにより連載開始前には、作者のbiki先生、よしづきくみち先生の両先生からも『社会的意義が大きいので、ぜひやりたい』という旨の言葉をいただくことができていました。単なるエンタメではなく、読者の未来に資する作品に。そうした想いを、両先生と編集部で共有できていると感じたことから、担当としてもあらためて本作を世に送り出したいという思いを強くしました」と強調した。

 また、『南海トラフ巨大地震』に関する特別コラムも公開。コミックス第2巻および「現代ビジネス」にて期間限定で掲載されたものになっている。

■公開された特別コラムの一部
――防災リュックで自宅は守れない

防災と言えば「防災リュック」を作成すること、と考える方は多くいると思います。防災リュックには市販のセット品も多くあり、正直なところかつては「このセットは本当に役立つのか?」と不安になるような商品も多くありました。しかし昨今、被災地の声がSNSなどを通じて広く拡散されるようになったことも受け、「被災者の声を生かした、避難所で本当に欲しかった防災セット」なるものも増加しています。

実際、こうしたセットには良いモノも多く、ひとつふたつ購入して自宅に置いておくことは、防災の一歩目としても有効です。ところが、防災リュックを購入して玄関に設置すると、「これでひと安心」と防災対策を終えてしまうことがよくあります。防災リュックを購入しても自宅が頑丈になるわけではなく、津波を防げる無敵のバリアが張られる訳でもありません。防災リュックはあくまでも防災の一要素でしかないのです。

――避難所の声は「生者」の声

大地震や大規模な風水害が発生した際に、避難所が開設されると、地元のテレビ局や新聞記者がやって来て、「この度は大変な目に遭われましたね、お気持ちやお困りのことをひと言お願いします」とインタビューや取材をすることがあります。また、災害の後には被災者に対するアンケート調査などが行われ、被災生活の実態や改善すべき点が教訓として多く残されます。

こうした情報は、避難所運営や防災リュックの中身を改善するための、後日情報として活用されます。「被災者の声」を生かし、次の災害へ備えることは大変重要なことですし、こうした情報は近年の防災に役立っています。

しかし、避難所や事後アンケートから聞こえてくる「被災者の声」は、「災害を無事に生き延びた」方々の声であることに注意が必要です。避難所にたどり着くことができなかった、発災直後や避難中に命を落とされた「死者」の声をイメージしなければなりません。

――「死者」の声なき声を聞く

被災経験の無い方にとって、被災者の声は貴重な情報源です。我が家の防災においても、ぜひ参考にすべき教訓と言えます。しかし、防災の優先順位を考える際には、被災地や避難所から聞こえてくる「生者」の声の前に、「死者」の声なき声を聞くことが重要なのです。

大地震で倒壊した建物に押しつぶされた方、津波に巻きこまれてしまわれた方、大規模な火災から逃げ切ることができなかった方、こうした方々の声を聞くことができたら、どのようなアドバイスを得ることができるでしょうか。非常食は美味しいモノを買っておくといいよ、防災グッズは100円ショップでも買えるよ、恐らくはこうした声ではないはずです。

水や食料はどうでもいいから走って逃げなさい、防災リュックの前に自宅の耐震リフォームをしなさい、恐らくはこのような声が聞こえてくるはずです。災害で命を落とされた方々の声をイメージすることで、本当に大切な対策が見えてきます。

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