エンタメ
2026-07-17 08:40
2025年の電子コミック市場は5273億円に達し、全体の7割以上を占めるまでに拡大。なかでもスマホに特化した「ウェブトゥーン(縦読みマンガ)」は、新たなスタンダードとなりつつある。しかし、急成長の裏で「若者のマンガ離れ」や「作品の短命化」「レコメンドへの飽和感」といった課題も浮き彫りに。この現状や今後の展望について、電子コミック界を牽引するフロントランナーである、LINEマンガ、SORAJIMA、STUDIO ZOONの3社に聞いた。
【画像】バトル?ロマファン? 令和の最新ヒット作はここから!
■5000億市場に死角あり? 牽引役が抱く「危機感」
日本のコミック市場において、電子コミックはすでに紙の出版物の売上を大きく上回り、インフラとして定着した。その中でも急速に存在感を高めているのが、フルカラー・縦スクロール形式の「ウェブトゥーン」だ。
かつては海外発のヒット作が主流だったが、近年は国内の主要プラットフォームや専門スタジオ、さらには大手出版社や異業種も本格参入。当初からグローバル配信やアニメ化・実写化を見据えた「巨大IP(知的財産)の源泉」として、エンタメ産業全体のゲームチェンジャーとなっている。
一方で、作品数の爆発的な増加は、読者の可処分時間を巡るショート動画やゲームとの激しい争奪戦を招いている。スマホ特有の消費スピードによる「作品の短命化」や、若年層の「マンガ離れ」への懸念、アルゴリズムによる「レコメンドへの飽和感」など、課題も見えてきた。
この転換期に、フロントランナーたちは何を仕掛けようとしているのか。プラットフォームを運営する「LINEマンガ」宮腰五郎兵衛氏(Content Alliance本部長)、マンガ出版社である「SORAJIMA」原田涼氏(執行役員/セールス部 部長)、マンガのコンテンツスタジオである「STUDIO ZOON」新路純也氏(事業責任者)に聞いた。
■「バトル」「ロマンスファンタジー」…ヒットジャンルの“その先”
――日本でウェブトゥーンが普及し始めた当初は「縦読みは浸透しない」という声もありましたが、現在では当たり前の存在となりました。みなさんは現状をどう見ていますか?
【LINEマンガ】 フォーマットとしての好き嫌いはあるかもしれませんが、結局のところ、読者は「面白いマンガ」に出会いたいだけなんです。面白い作品であれば、縦でも横でも読まれる。その事実は、この数年のヒット作が証明しています。
【STUDIO ZOON】 私たちが参入した2022年頃は制作スタジオが乱立していましたが、今は各社特徴が出てきていますね。当初は韓国の作品が中心でしたが、現在は日本国内での制作も活発になり、ジャンルも「バトル」や「ロマンスファンタジー」の中でも、より作家性を強調した多様な表現へと拡張しています。
【SORAJIMA】 ウェブトゥーン作品のドラマ化やアニメ化、単行本などの展開がどんどん活発になってきていることを見ると、さすがに一定の経済圏を形成し、広く浸透・定着してきたと言えると思います。
――ヒット作品を作るための「必勝法」はあるのでしょうか?
【SORAJIMA】 ウェブトゥーンに携わる編集部は、あくまでも作家性を尊重し、その魅力を最大限に引き出すことを大事にしています。作品作りに「必勝法」はなく、一人ひとりの個性や表現に寄り添いながら伴走することが、編集部の役割と考えています。一方で、私はビジネスを管轄する立場として、安定した流通力や適切なプロモーションを提供することに責任を持っています。どれほど魅力的な作品であっても、読者に届かなければその価値を十分に発揮することはできません。だからこそ、作品が届く機会を最大化し、「良い作品なのに日の目を見ない」という状況をできる限り生まない環境作りに注力しています。
【STUDIO ZOON】 「なろう系」のように、ある程度のルールが定まっているジャンルの中でも、設定が異常に深かったり、主人公に一癖あったり。どこか一点を尖らせた作品が、結果的に長く愛されている印象があります。
【LINEマンガ】 おっしゃるように、過去24~25年のヒットジャンルの型を意識しつつ、さらに侵食、拡張していくような作品が必要になってくる可能性がすごく高いんじゃないかなと思います。ロマンスファンタジーが強いなどの傾向はありますが、縦読みも横読みも、本質的な「売れる傾向」に大きな差はないと感じていて。ただ、縦読みはオールカラーなので、ファンタジー作品などはゲームに近い美しさがあり、それが広告訴求力にも繋がっていますね。
――アニメやドラマにもしやすいように思いますが、ウェブトゥーン制作では最初から映像化を意識しているのでしょうか?
【SORAJIMA】 当然だと思います。横読みも縦読みも同じマンガですから、より大きな広がりを見据え、編集部が映像化を意識しながら作品作りを進めているように感じます。SORAJIMAのドラマ化作品をはじめ、アニメ化作品も増えてきており、映像化を意識した作品が多くなってきているように感じます。
【STUDIO ZOON】 当社の『推しの一途すぎる執着を、私はまだ知らない』も、大きなプロジェクトが現在進行中です。他の男性作品についても、アニメ関係者の方から「イメージが湧きやすい」と言っていただけることが多いですね。
――市場が成長する一方で、最近では若年層を中心とした「マンガ離れ」が懸念されています。可処分時間の奪い合いの中で、マンガはどう生き残るべきでしょうか?
【SORAJIMA】 確かにショート動画やゲームとの奪い合いは激しいですが、一方で荒木飛呂彦先生の『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)が美術の教科書に載るなど、マンガが「教育」や「文化」として浸透している側面もあります。大切なのは、どこでマンガに触れるかという「カスタマージャーニー」を設計すること。アニメやゲームから入って原作マンガに戻ってくるような流れを、我々が意図的に作っていくべきだと思っています。
【STUDIO ZOON】 そうですね。結局、物語そのものが面白くなければ読者は離れていってしまう。でも、マンガというフォーマットが持つ物語の可能性は無限大。フォーマットの変化に対応しながら、「めちゃくちゃ面白い物語」を作り続けることが、結果的にマンガ離れを防ぐ唯一の道だと信じています。
【LINEマンガ】 プラットフォームとしても、全世代にマンガの魅力を絶えず届けていくことが使命だと思っています。大人世代も含め、ライフスタイルの中にマンガがある状態をどう維持するか。制作スタジオや出版社の方々と協力して、常に挑戦し続けなければなりません。
――「同じような作品ばかりレコメンドされる」という、ユーザーの飽和感についてはどうお考えですか?
【LINEマンガ】 その課題は強く認識していて、スピード感を持ってテストを繰り返しています。マンガは多品種多ジャンルな商材。ただ私は、数が多いことは正しいことだと思っていて。分母が大きいからこそ、AIなどを活用してより精度の高い、それでいて「意外な出会い」があるレコメンドを追求できるはず。
【SORAJIMA】 僕自身、ジャンルが飽和しているというネガティブな感覚はあまりありません。たとえ同じジャンルや題材でも、作家さん一人ひとりの完成や表現、セリフ回しによって全く異なる作品になります。だからこそ、作家さんならではの個性や表現を引き出すことを大切にしていると感じます。それよりも課題なのは、作品数が増える中でいかに「読者に届けるか」という視点です。プラットフォームに頼るだけでなく、自分たちでもSNSや動画を駆使して届ける努力が必要です。
【STUIO ZOON】 全員が100%「売れる」と思って作っているはずです。似たようなジャンルの作品が増える中で、どう勝ち筋を見つけるか。SNSとの連携や新たな出会いの仕組み作りなど、戦い方はまだまだ工夫次第でいくらでもあります。
――作品数が増えると、どうしても「賞味期限」が短くなりがちです。
【LINEマンガ】 プラットフォームとしては、一度の配信で終わらせず、何度も読者とのタッチポイントを作る施策を考えています。
【SORAJIMA】 僕たちからしても、とてもありがたいです(笑)。ビジネスを管轄する立場から言えば、賞味期限を延ばす鍵は「一度きりで消費させない流通設計」です。当社では、消費スピードに乗せて一気に届ける売り方もあれば、あえて中長期で読者との接点を作り続ける売り方もある。作品ごとに「最適な届け方」を設計し、良い作品が短命に終わらない環境を整えることが、僕たちの役割だと考えています。
【STUDIO ZOON】 私たちは編集長を置かず、各編集者が大きな裁量権を持って企画を立てる代わりに、全員がフィードバックし合う文化を大切にしていて。ビジネスや編集といった垣根を超えて意見を出し合う。そうした多様性が、今の時代のスピード感に耐えうる作品を生むと思っています。
――編集者や営業担当者の役割も、以前とは変わってきているということでしょうか?
【LINEマンガ】 私たちから見ていても、かつての「数字を作るだけ」の営業から、作品の中身や展開まで一緒に伴走する形へと、職種の中身が劇的に変わっているように思います。スタッフのマインドセットも、時代の変化に合わせて常にアップデートしていっているように見えますね。
【STUDIO ZOON】 たしかにそうですね。 編集者一人でできることって、限界があるんですよ。プラットフォームがあり、SNSがあり、読者層も多様。営業と編集がチームワークを発揮し、それぞれの専門性をどこで掛け合わせるかが重要になってきています。
【SORAJIMA】 以前は役割ごとに責任が分かれがちだった面もありましたが、出版社・流通・書店が三位一体となって一つのIPを育てていく。こうしたカルチャーを構築できている会社が、今の時代に強いんじゃないかと思います。
――最後に、今の時代に作品を広めていくための「必勝法」はありますか?
【SORAJIMA】 正解を探すのは難しい時代だとは思います。SNS社会では一方的な広告だけでは届きにくい場面も増えているため、インフルエンサーやUGC(ユーザー生成コンテンツ)のような、第三者の「熱狂」が伝わる仕組みが重要。だからこそ、まずは自分たちが作品を愛し、その熱量を届けるしかないと思っています。
【STUDIO ZOON】 私も、一番大切なのは「読者に喜んでもらえるか」という本質を突き詰めること。そして、作ったものをしっかり届けるために、プラットフォームや書店さんと密に連携し、一緒に勝ち筋を決めていく。その泥臭い努力こそが、最も重要だと思っています。また、当社の場合、マーケティングやイベント、MDなど様々な事業連携が可能となっておりますので、グループシナジーを生かして作品をより広げていきたいと思っています。
【LINEマンガ】 私たちも同じ思いです。プラットフォーマーとスタジオは二人三脚のパートナー。これからも協力し合い、読者の心を動かす面白い作品を一つでも多く届けるために、全力を尽くしていきたいですね。
(文:磯部正和)
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かつては海外発のヒット作が主流だったが、近年は国内の主要プラットフォームや専門スタジオ、さらには大手出版社や異業種も本格参入。当初からグローバル配信やアニメ化・実写化を見据えた「巨大IP(知的財産)の源泉」として、エンタメ産業全体のゲームチェンジャーとなっている。
一方で、作品数の爆発的な増加は、読者の可処分時間を巡るショート動画やゲームとの激しい争奪戦を招いている。スマホ特有の消費スピードによる「作品の短命化」や、若年層の「マンガ離れ」への懸念、アルゴリズムによる「レコメンドへの飽和感」など、課題も見えてきた。
この転換期に、フロントランナーたちは何を仕掛けようとしているのか。プラットフォームを運営する「LINEマンガ」宮腰五郎兵衛氏(Content Alliance本部長)、マンガ出版社である「SORAJIMA」原田涼氏(執行役員/セールス部 部長)、マンガのコンテンツスタジオである「STUDIO ZOON」新路純也氏(事業責任者)に聞いた。
■「バトル」「ロマンスファンタジー」…ヒットジャンルの“その先”
――日本でウェブトゥーンが普及し始めた当初は「縦読みは浸透しない」という声もありましたが、現在では当たり前の存在となりました。みなさんは現状をどう見ていますか?
【LINEマンガ】 フォーマットとしての好き嫌いはあるかもしれませんが、結局のところ、読者は「面白いマンガ」に出会いたいだけなんです。面白い作品であれば、縦でも横でも読まれる。その事実は、この数年のヒット作が証明しています。
【STUDIO ZOON】 私たちが参入した2022年頃は制作スタジオが乱立していましたが、今は各社特徴が出てきていますね。当初は韓国の作品が中心でしたが、現在は日本国内での制作も活発になり、ジャンルも「バトル」や「ロマンスファンタジー」の中でも、より作家性を強調した多様な表現へと拡張しています。
【SORAJIMA】 ウェブトゥーン作品のドラマ化やアニメ化、単行本などの展開がどんどん活発になってきていることを見ると、さすがに一定の経済圏を形成し、広く浸透・定着してきたと言えると思います。
――ヒット作品を作るための「必勝法」はあるのでしょうか?
【SORAJIMA】 ウェブトゥーンに携わる編集部は、あくまでも作家性を尊重し、その魅力を最大限に引き出すことを大事にしています。作品作りに「必勝法」はなく、一人ひとりの個性や表現に寄り添いながら伴走することが、編集部の役割と考えています。一方で、私はビジネスを管轄する立場として、安定した流通力や適切なプロモーションを提供することに責任を持っています。どれほど魅力的な作品であっても、読者に届かなければその価値を十分に発揮することはできません。だからこそ、作品が届く機会を最大化し、「良い作品なのに日の目を見ない」という状況をできる限り生まない環境作りに注力しています。
【STUDIO ZOON】 「なろう系」のように、ある程度のルールが定まっているジャンルの中でも、設定が異常に深かったり、主人公に一癖あったり。どこか一点を尖らせた作品が、結果的に長く愛されている印象があります。
【LINEマンガ】 おっしゃるように、過去24~25年のヒットジャンルの型を意識しつつ、さらに侵食、拡張していくような作品が必要になってくる可能性がすごく高いんじゃないかなと思います。ロマンスファンタジーが強いなどの傾向はありますが、縦読みも横読みも、本質的な「売れる傾向」に大きな差はないと感じていて。ただ、縦読みはオールカラーなので、ファンタジー作品などはゲームに近い美しさがあり、それが広告訴求力にも繋がっていますね。
――アニメやドラマにもしやすいように思いますが、ウェブトゥーン制作では最初から映像化を意識しているのでしょうか?
【SORAJIMA】 当然だと思います。横読みも縦読みも同じマンガですから、より大きな広がりを見据え、編集部が映像化を意識しながら作品作りを進めているように感じます。SORAJIMAのドラマ化作品をはじめ、アニメ化作品も増えてきており、映像化を意識した作品が多くなってきているように感じます。
【STUDIO ZOON】 当社の『推しの一途すぎる執着を、私はまだ知らない』も、大きなプロジェクトが現在進行中です。他の男性作品についても、アニメ関係者の方から「イメージが湧きやすい」と言っていただけることが多いですね。
――市場が成長する一方で、最近では若年層を中心とした「マンガ離れ」が懸念されています。可処分時間の奪い合いの中で、マンガはどう生き残るべきでしょうか?
【SORAJIMA】 確かにショート動画やゲームとの奪い合いは激しいですが、一方で荒木飛呂彦先生の『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)が美術の教科書に載るなど、マンガが「教育」や「文化」として浸透している側面もあります。大切なのは、どこでマンガに触れるかという「カスタマージャーニー」を設計すること。アニメやゲームから入って原作マンガに戻ってくるような流れを、我々が意図的に作っていくべきだと思っています。
【STUDIO ZOON】 そうですね。結局、物語そのものが面白くなければ読者は離れていってしまう。でも、マンガというフォーマットが持つ物語の可能性は無限大。フォーマットの変化に対応しながら、「めちゃくちゃ面白い物語」を作り続けることが、結果的にマンガ離れを防ぐ唯一の道だと信じています。
【LINEマンガ】 プラットフォームとしても、全世代にマンガの魅力を絶えず届けていくことが使命だと思っています。大人世代も含め、ライフスタイルの中にマンガがある状態をどう維持するか。制作スタジオや出版社の方々と協力して、常に挑戦し続けなければなりません。
――「同じような作品ばかりレコメンドされる」という、ユーザーの飽和感についてはどうお考えですか?
【LINEマンガ】 その課題は強く認識していて、スピード感を持ってテストを繰り返しています。マンガは多品種多ジャンルな商材。ただ私は、数が多いことは正しいことだと思っていて。分母が大きいからこそ、AIなどを活用してより精度の高い、それでいて「意外な出会い」があるレコメンドを追求できるはず。
【SORAJIMA】 僕自身、ジャンルが飽和しているというネガティブな感覚はあまりありません。たとえ同じジャンルや題材でも、作家さん一人ひとりの完成や表現、セリフ回しによって全く異なる作品になります。だからこそ、作家さんならではの個性や表現を引き出すことを大切にしていると感じます。それよりも課題なのは、作品数が増える中でいかに「読者に届けるか」という視点です。プラットフォームに頼るだけでなく、自分たちでもSNSや動画を駆使して届ける努力が必要です。
【STUIO ZOON】 全員が100%「売れる」と思って作っているはずです。似たようなジャンルの作品が増える中で、どう勝ち筋を見つけるか。SNSとの連携や新たな出会いの仕組み作りなど、戦い方はまだまだ工夫次第でいくらでもあります。
――作品数が増えると、どうしても「賞味期限」が短くなりがちです。
【LINEマンガ】 プラットフォームとしては、一度の配信で終わらせず、何度も読者とのタッチポイントを作る施策を考えています。
【SORAJIMA】 僕たちからしても、とてもありがたいです(笑)。ビジネスを管轄する立場から言えば、賞味期限を延ばす鍵は「一度きりで消費させない流通設計」です。当社では、消費スピードに乗せて一気に届ける売り方もあれば、あえて中長期で読者との接点を作り続ける売り方もある。作品ごとに「最適な届け方」を設計し、良い作品が短命に終わらない環境を整えることが、僕たちの役割だと考えています。
【STUDIO ZOON】 私たちは編集長を置かず、各編集者が大きな裁量権を持って企画を立てる代わりに、全員がフィードバックし合う文化を大切にしていて。ビジネスや編集といった垣根を超えて意見を出し合う。そうした多様性が、今の時代のスピード感に耐えうる作品を生むと思っています。
――編集者や営業担当者の役割も、以前とは変わってきているということでしょうか?
【LINEマンガ】 私たちから見ていても、かつての「数字を作るだけ」の営業から、作品の中身や展開まで一緒に伴走する形へと、職種の中身が劇的に変わっているように思います。スタッフのマインドセットも、時代の変化に合わせて常にアップデートしていっているように見えますね。
【STUDIO ZOON】 たしかにそうですね。 編集者一人でできることって、限界があるんですよ。プラットフォームがあり、SNSがあり、読者層も多様。営業と編集がチームワークを発揮し、それぞれの専門性をどこで掛け合わせるかが重要になってきています。
【SORAJIMA】 以前は役割ごとに責任が分かれがちだった面もありましたが、出版社・流通・書店が三位一体となって一つのIPを育てていく。こうしたカルチャーを構築できている会社が、今の時代に強いんじゃないかと思います。
――最後に、今の時代に作品を広めていくための「必勝法」はありますか?
【SORAJIMA】 正解を探すのは難しい時代だとは思います。SNS社会では一方的な広告だけでは届きにくい場面も増えているため、インフルエンサーやUGC(ユーザー生成コンテンツ)のような、第三者の「熱狂」が伝わる仕組みが重要。だからこそ、まずは自分たちが作品を愛し、その熱量を届けるしかないと思っています。
【STUDIO ZOON】 私も、一番大切なのは「読者に喜んでもらえるか」という本質を突き詰めること。そして、作ったものをしっかり届けるために、プラットフォームや書店さんと密に連携し、一緒に勝ち筋を決めていく。その泥臭い努力こそが、最も重要だと思っています。また、当社の場合、マーケティングやイベント、MDなど様々な事業連携が可能となっておりますので、グループシナジーを生かして作品をより広げていきたいと思っています。
【LINEマンガ】 私たちも同じ思いです。プラットフォーマーとスタジオは二人三脚のパートナー。これからも協力し合い、読者の心を動かす面白い作品を一つでも多く届けるために、全力を尽くしていきたいですね。
(文:磯部正和)
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