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井端弘和監督「もうやるしかない」WBC連覇へカギは「一発長打」 脱“スモールベースボール”の井端流野球語る【独占】

スポーツ
2025-02-28 11:55

2023年大会で3大会ぶりに世界一を果たし、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ「World Baseball Classic(WBC)」まで、あと1年。連覇へ向け再び動き出した侍ジャパンがオランダとの強化試合(3月5日、6日)に臨む。昨年11月に行われたプレミア12では、決勝で台湾に敗れ、国際大会27連勝がストップ。井端弘和監督(49)は「昨年の負けでもうやるしかないとしか思ってない」と危機感を抱く。28人中20人が初代表の“新生侍ジャパン”で挑む強化試合を前に、新タ悦男アナウンサーが井端監督にWBC連覇のカギやキーマンまで聞いた。


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新タ悦男アナウンサー:WBCの本番まであと1年となりました。


井端弘和監督:「1年後の今日は」と思ったら「そろそろキャンプがあって」とか思うので、そこはドキッとしますけど、選手を見る上ではまだ1年あるんで。前回のWBCでは大勢投手(25、巨人)だったり、宇田川優希投手(26、オリックス)とかが、新人で、次の年(代表)に入ってくる。パッてこの1年で新戦力が出てくる可能性があるところは凄く楽しみにしてます。


新タアナ:その前段階でのオランダとの強化試合なんですけど、位置づけは改めてどう捉えていますか。


井端:(プレミア12の)決勝で台湾にやられた時は2本のホームランで、その前のWBCでも準決勝の吉田正尚選手(31、レッドソックス)の(同点の3ラン)ホームラン。決勝でも岡本和真選手(28、巨人)の(追加点となるソロ本塁打)と村上宗隆選手(25、ヤクルト)の(同点ソロ)ホームランでというところで。ホームランである程度最後の方は決まってるのかなということは、その数も増やしていかないと。二遊間でホームランをガンガン打てる選手は牧秀悟選手(26、DeNA)で、うまくバランスも取れるのかなと思ってるので。一人でも多く、その可能性がある選手は入ってきてほしいなと思っています。


新タアナ:9人、スタメンオーダーを並べる時に、一発が打てる長打の選手が何人ぐらいいればいいですか?


井端:何人というよりかは多ければいいなと思ってますし、ある程度自分がイメージしている選手が呼べたら、長打を打てる選手の方が多くなるのかなと思ってます。


新タアナ:今までの代表は「スモールベースボール」っていうイメージが凄く強いですけど、ちょっと変わりますよね。


井端:結果を見たら東京オリンピック™もそうでしたけど、村上選手のホームランで、最小失点の2対0で勝ったりしてるので。たまたまプレミア12は打線がよく繋がって、決勝以外では自分が思っていた以上に打線が活発になってくれたことは、国際試合で珍しいのかなと思って見てました。WBCになってくると、どの国もいいピッチャーが出るところで、失投をホームランにするか、打ち損じるかの戦いになってくるイメージは持ってるので。一人でも多くツーアウトから長打やホームランでの得点ができたらなと思っています。


新タアナ:「スモールベースボール」という言葉があるように、もし今考えていらっしゃる呼び名があるとしたら、井端野球は何ベースボールと言うんですか。


井端:ランナーを置いてホームランが出たら、複数点入るっていうのは理想ですね。追い込まれてもなかなか出るとは限らないと思うので、その中でも何とか粘って塁に出て誰かがホームランを打つっていう打線が組めたらいいなと思いますね。ソロホームランではもったいないなって。(2023年WBC準決勝で同点3ランを放った)吉田選手の時のようにスリーランとか、一気に3対0から追いつくので、ああいう風に打ってくれると、ホームランの威力がすごく怖いなって改めて思ったので。


新タアナ:ホームランベースボール?


井端:どうなんですかね・・・


新タアナ:ビッグバンとか?


井端:ファイターズでしたっけ?(1990年代後半からの日本ハムの打線の愛称を“ビックバン打線”という)そんな感じですよね。なかなか足も使いづらいというか。盗塁もってなると難しいと思うので、繋げるところは繋いで。誰かが失投を打ってくれればいいなと。打順の組み方は気を付けないといけないとは思ってますけどね。


新タアナ:守り勝つのは全体で、そこで打ち勝つっていうことになってくる。


井端:当然日本の優秀なピッチャー陣がいたから、前回のWBCも優勝できたと思ってます。内野の守備もミスは少なかったので、そこは大前提にあると思う。その中でこっちが打つ、一発長打がキーということは間違いないかなと思ってます。


新タアナ:競争も激しくなりそうですね。今回20人ぐらい初めての選手もいますし。


井端:ピッチャーも左の中継ぎを多く入れましたし、一人一人が持ち味を発揮してもらいながら、オランダも良い左バッターが来ますので、反応を見られたらいいなと思ってます。細川成也選手(26、中日)、佐藤輝明選手(25、阪神)あたりは(ホームランを)40本、50本の可能性は持ってると思うので、そこに期待したいなと思ってます。


オランダとの強化試合へキーマンは“二遊間”

新タアナ:今回の代表について、28人選ばれましたけど、キーマンの投手と野手を具体的に名前を一人ずつ挙げてもらうとしたらどうでしょう。


井端:ショートとセカンドの2つになっちゃうんですけど、二遊間は非常に各球団に優秀な選手がいる。長岡秀樹選手(23、ヤクルト)、吉川尚輝選手(30、巨人)、今回選んだ矢野雅哉選手(26、広島)、森敬斗選手(23、DeNA)あたりも若いですけど、飛躍できる選手かなと思ってます。貴重な右バッターの太田椋選手(24、オリックス)も、昨季途中からですけど、高打率を残してますので、パンチ力もあるところでは楽しみにしてます。


新タアナ:ショートは本当に魅力的な選手が多いなと思って。矢野選手は野性味あふれるプレーをしますが、どう見てました?


井端:昨季は途中から打率を上げてきて、.260で終えた。どちらかというと、ちょっと当てる方からしっかり振り切れるようにもなってきてましたし、この春のキャンプを見ても、何となく本人もレギュラーの風格が出てきたなっていうところでは、伸びる時って一気に伸びると思うので。昨年をいいように自信を持って今シーズン臨んでくれたら更に良い矢野選手を見せてくれるのかなと思ってます。


新タアナ:矢野選手の守備はどう見てました?


井端:ある程度打ち取った打球を捕るところもできますし、難しいのも捕ってくれるところでは、日本のピンチを救うプレーも期待できるなって思ってます。


新タアナ:そういう意味で森敬斗選手は、メジャー選手並みの肩の強さ。


井端:入ってきた時から能力が高い選手なので、打つ方も守る方も、実戦も積んでいければ良い選手になるのかなと思ってます。


新タアナ:代表コーチに入ってからずっと森選手のこと言ってましたもんね。将来的に入ってきてもらわないと困るんじゃないんですか?


井端:そうですね。やっぱりスピードもありますし、矢野選手と似て頭じゃなく体が反応する選手なのかなと思ってますので。それは非常に大事ですし、自分が出来なかったところという意味では凄いなと思って見てます。


新タアナ:1年後のWBCの選出に当たって、選手に一番求めるものは何ですか?どこを重視して、今回の試合だったり今シーズンを見ていったりするのか。


井端:一番は「このユニフォームを着たい」っていうことが大前提ですよね。やっぱりその思いがなければあんなプレッシャーの中で戦うことはできないのかなと思ってますので。まずこの代表に入って「優勝する、勝つ」っていう気持ちで来てほしいと思いますね。今年1年、頭のどこかでもいいんで、WBCを意識して1シーズン過ごしてもらえたらいいなと思ってます。


新タアナ:正捕手争いも激しいですね。プレミア12で見られなかった岸田行倫選手(28、巨人)、山本祐大選手(26、DeNA)を今回呼んでいると思うんですけど。


井端:山本選手は伸びてきてましてね。昨年はバッティングでも貢献して粘り強いし、チャンスにも強いところ。あと、彼はピッチャー主導で投げさせられるキャッチャーかなと思いますので。肩も強いですし、本当に期待はしてます。


新タアナ:そして今回、WBCを経験したのが宮城大弥選手(23、オリックス)だけですけど、選出した理由は?


井端:昨年の途中に怪我で離れたのがあったのと、当然プレミアに入ってきてほしいとは思ってました。怪我もあったので、もう一回見てみてっていうのと、ゆっくり会話もしたいっていうのも。今回先発してもらいますけども、緩急つけられるところと制球の良さは、日本でも屈指のピッチャーかなと思ってます。


新タアナ:前回のWBCが終わった時に、「宮城・戸郷翔征(24、巨人)・高橋宏斗(22、中日)は次のWBCで柱になってもらうんだ」と話していましたが。


井端:レギュラーシーズンは先発でやってますので、当然次は、WBCでの先発を目指してほしいなと思ってます。投げられるピッチャーだと思ってますので、先発争いでメジャーの選手と、その3人の投手は競争してほしいなと思ってます。


新タアナ:戸郷選手はプレミア12の決勝でいい経験をしたって評価しますか?


井端:戸郷選手は昨季レギュラーシーズン最後まで投げてましたし。大会は違うけど、プレミア12という舞台の決勝で先発のマウンドに立てたっていうところでは、次に生かしてもらえるんじゃないかなと思ってます。


新タアナ:色々な選手達の思いもあったと思いますし、監督の非常に悔しい思いもありながらWBCに向かっていきますけど、3月から始まる強化試合、秋の強化試合、そして本戦に向けて強い意気込みをいただいてもよろしいでしょうか?


井端:私個人としては、もう1年しかないって思ってますけど、選手にとっては、まだ1年あるんで、今回呼ばれなかった選手以外も十分可能性はあると思ってます。日本のプロ野球全選手がチャンスだと思って、今年1年やってもらって、いいメンバーを来年のWBCの時に選んで、優勝できるようにやっていきたいと思います。


新タアナ:プレッシャーも強いと思いますが。


井端:もうやるしかないんで。昨年の負けで「もうやるしかない」としか思ってないんで、守る自分はなくなったのかなと思います。怖いものなしで行こうかなと思ってます。


【侍ジャパンメンバー】
■投手
宮城大弥(23、オリックス)
曽谷龍平(24、オリックス)※初
種市篤暉(26、ロッテ)
常廣羽也斗(23、広島)※初
斎藤友貴哉(30、日本ハム)※初
橋本侑樹(27、中日)※初
大津亮介(26、ソフトバンク)※初
河野竜生(26、日本ハム)※初
塹江敦哉(27、広島)※初
杉山一樹(27、ソフトバンク)※初
今井達也(26、西武)
石井大智(27、阪神)※初


■捕手
岸田行倫(28、巨人)※初
山本祐大(26、DeNA)
海野隆司(27、ソフトバンク)※初


■内野手
大山悠輔(30、阪神)
吉川尚輝(30、巨人)
森敬斗(23、DeNA)※初
長岡秀樹(23、ヤクルト)※初
佐藤輝明(25、阪神)
太田椋(24、オリックス) ※初
廣瀨隆太(23、ソフトバンク)※初
矢野雅哉(26、広島)※初


■外野手
髙部瑛斗(27、ロッテ)※初
水谷瞬(23、日本ハム)※初
細川成也(26、中日)※初
梶原昂希(25、DeNA)※初
万波中正(24、日本ハム)


【日程】
2025年3月5日(水)19:00 日本 vs オランダ @京セラドーム大阪
2025年3月6日(木)18:30 日本 vs オランダ @京セラドーム大阪


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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