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3月2日に行われる9月開幕の東京世界陸上への切符をかけた、マラソン代表最終選考レース東京マラソン。パリオリンピック™の出場権を手に入れた東京の地で、今度は世界陸上への切符を掴みにいくのが、パリ五輪で6位に入賞した赤﨑暁(26、九電工)だ。
決戦を控えこの日会見に出席した赤﨑は、「しっかりここまで練習は外すことなく問題なくやれて良い状態だと思いますし、景色も少しでも楽しみながら挑もうかなと思っています」と思いを口にした。
陸上人生最大の目標だった“日の丸を背負って戦う”
「超楽しかったです!本当に1番最高でした」。去年8月のパリ五輪で日本人最高の6位入賞を果たした赤﨑は、レース後に清々しい笑顔でこう話した。
熊本県大津町出身の赤﨑は、世界記録を3回更新した「日本マラソン界の父」金栗四三以来、熊本県勢100年ぶりのマラソン代表だった。起伏が激しく「五輪史上最難関」と言われた42.195kmのコース。100年前に、このパリの地で途中棄権に終わったマラソンの父を超える走りで、1分29秒も自己ベストを更新する走りを見せた。
「自分の夢がマラソンで日本代表になることで、それが叶って一番大きな舞台で挑めたのが嬉しいですし、緊張するかなと思ったんですけど、全くせずにオリンピックに向けての練習からずっと楽しくて。最初から最後まで楽しくオリンピックに向けて挑むことができたのかなと思っています」
新たな目標は“日本記録”
パリ五輪出場は、支えてくれた両親への初めての海外旅行のプレゼントにもなった。赤﨑の座右の銘「楽しむ」の原点は、現役市民ランナーでもある父・俊文さんの存在。やりたい事を思いっきりやらせ、無事に走って帰ってくる事を願った母の貴子さんと、5歳年上で誰よりも大きな声援を送った兄の隼人さん。そして、高校時代に人間性も育ててくれた開新高校(熊本)の木村龍聖監督が現地へ応援に駆けつけた。
レース後、晴れやかな笑顔を浮かべていた赤﨑だったが、4人からのビデオメッセージを見ると、感謝の気持ちがこみ上げ、涙を浮かべた。
「来てくれたのは嬉しかったですし、だいぶきつい事もあったので・・・。どんな結果でも後押ししてくれて、優しい言葉をかけてくれていたので、今回は良い走りが見せられて良かったです」
“陸上人生最大”と位置づけた「日本代表になる」という目標を達成した時に生まれた、新たな目標。それは鈴木健吾(29、富士通)が持つ2時間4分56秒の日本記録を更新する事だ。
「世界陸上が自国開催というのは、自分の陸上人生で本当に1回あるかなので。今回オリンピックで走って、テレビ越しに応援して頂いたっていうのもあるんですけど、次は僕が走っているのを生で見てもらって、そこで直接応援をいただけたらと思う。チャンスがあるのであれば、しっかりと皆さんの目の前で元気とか勇気を与えられるような走りができたらいいと思っています。タイムを出せれば自ずとついてくるので、世界陸上を狙いに行くというより、僕はもうタイムを狙って、それにたまたま付いてきたぐらいの感じが一番僕にとってはやりやすいのかもしれないです」
男子の最終選考レースとなる今大会は日本記録を更新し、日本人トップならば代表に内定する。「タイムを狙う」という赤﨑が、静かに世界陸上への切符を狙う。
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