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伝統の魚醤「いしる」 復活への道 たったひとりで始めた作業 再出発に向け今は弟と2人3脚で歩む 能登半島地震から1年

国内
2024-12-28 19:12

まもなく1年となる能登半島地震について。この地域伝統の魚醤「いしる」の生産再開をめざし、たった一人で動き始めた生産者の「いま」を取材しました。


石川県能登町。巨大なイカのモニュメントでも知られる“イカの町”です。


元日の地震では、震度6強を観測。まもなく1年ですが、その爪痕は今もなお、色濃く残っています。


ヤマサ商事 山崎晃一 社長
「天井にも飛び散った痕があるので、相当揺れた。身を切り裂かれるような思い」


能登地方で古くから作られている魚醬「いしる」。イカの内蔵やイワシを1年以上かけて塩漬けにし、発酵・熟成したもので、製造技術が去年、国の登録無形民俗文化財に。地域によっては「いしり」とも呼ばれ、地元にとって欠かせない調味料となっています。


能登町で育った 広瀬玉子さん
「いしりはね、もうこれだけ。(味は)コクがでるというのかな」


郷土料理のひとつ「いしる鍋」もあるほど。しかし、地震の影響で存続の危機に直面しています。


まだら館 古谷美紀さん
「在庫がなくなったらどうなっちゃうかな、一時、いしる鍋をストップする」


いしる製造で県内最大手の「ヤマサ商事」。1年経っても、この状態です。およそ250本あった貯蔵タンクのうち、50本近くが破損。新たな製造と出荷は難しい状況です。


ヤマサ商事 山崎晃一 社長
「先代がよく言っていた、大きくステップアップする時には、一度かがまないといけない。能登の人頑張っているので触発される、恥ずかしくなる、頑張っていないと」


震災4日後には、たったひとりで作業を開始。無事だったタンクは洗い、破損したタンクからは“もろみ”、いわゆる「いしるのもと」だけでも取り出せないかと。


いつしか、三重県で働いていた弟・博史さんが仕事を辞め、合流。


山崎社長の弟 博史さん
「一緒にやるのは嫌やったけど、大変そうなので手伝おうかなと」


能登の伝統「いしる」を守るために。生産者の団体は発信も続けています。


能登いしり・いしる生産者協議会 船下智香子 会長
「能登は発酵国と言われるけど、その発酵国の中でも代表する調味料。次世代に繋いでいきたい」


今年、いしるは「品質が産地と密接に結びついている」証=GI表示にも登録されました。


能登が誇る味のため、来年3月の仕込み再開を目指し、山崎さん兄弟はきょうも作業を続けています。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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