家も子育ても“無料”？人気の移住先1位茨城・境町、財源は？町長を直撃【Nスタ解説】

国内

2025-01-22 22:04

子どもの医療費が無料、給食費も無料、さらに25年間住み続ければ家も土地も、タダでもらえちゃう？移住者が急増している今注目の関東の街。実際、住んだらどうなのか、移住した家族に聞きました。

無料サービスが充実！人気の移住先全国1位の茨城・境町

良原安美キャスター：
充実したサービスで移住者が急増しているのが、茨城県境町です。茨城県の西に位置していて、埼玉県と千葉県の県境にあります。

「移住者増の人気ベスト100」の調査で、全国1位になりました。人口は2万4000人。駅はないものの、都心から車で約1時間半です。また、東京駅に直結する高速バスも1日に8往復出ています。

5人家族の夏井さん一家は、2024年5月に埼玉県から境町に移住しました。その際、夫・宏真さん（46）は転職していません。「テレワークができる仕事だったので、移住の決断ができました」と話していて、2か月に1回、都内の会社に出勤しているということです。

夏井さんのように、「転職せずに移住をする」という人は多くいます。

移住経験者の実態調査（パーソル総合研究所調べ）
「転職していない」53.5％
「転職した」43.4％
「独立・起業」3.1％

近年、在宅勤務が普及したことで、転職せずに移住できる環境が整ってきているため、移住のハードルが下がっているのかもしれません。

井上貴博キャスター：
アクセスがある程度良いと、「東京など物価・土地が高いところにいる必要ない」という流れは少しある気はします。

オンライン直売所「食べチョク」代表　秋元里奈さん：
今、企業の中ではテレワークから出社回帰の流れが来ていますが、もし仮に出社が増えたとしても、通えるぐらいの範囲で、ある程度アクセスも良くて、でも都心よりは全然安いというところで人気があるのかなと思います。

良原キャスター：
子どもたちへのサービスも大変充実している境町ですが、力を入れているのが「英語教育」なんです。

すべての小・中学校に複数の外国人英語教師が常駐していて、各校に平均3人ほどいます。また、すべての小・中学校で英検受験料が年1回無料ということで、中学3年生の英検3級以上の保有率が境町は52.2%となっていて、全国の27.9%と比べても高い割合となっています。

ホラン千秋キャスター：
いろんなところで人口流出が叫ばれる中、こういうものが町の特色になっていくので、わかりやすく魅力があると（移住する）きっかけにはなりますよね。

秋元さん：
今後、（子どもたちに）グローバルで活躍してもらうためにも重要なので、こういった政策はすごくいいですよね。

良原キャスター：
さらに、無料でハワイにホームステイができる機会があるんです。

書類審査などがあるそうですが、ハワイ州ホノルル市（姉妹都市）に4泊6日のホームステイが無料でできるということで、“すべての子どもが英語を話せる町へ”という目標を掲げているということです。（小中学生対象）

良原キャスター：
様々なサービスが充実していますが、財源は「ふるさと納税」で賄っているそうで、2023年の納税受入額は99億3811万円で、7年連続で関東1位ということなんです。

境町の橋本正裕町長（49）によりますと、「自治体にあるものを売りたがるが、私たちは売れるモノをつくる」ということで、実際に鰻の工場を作って返礼品にするといった取り組みもしているそうです。また、国の補助金なども使い、サービスを充実させているということでした。

秋元さん：
ふるさと納税を活用して、地域の特色をより強めていくということも、一つの手段として有効だなと思います。

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＜プロフィール＞
秋元里奈さん
オンライン直売所「食べチョク」代表　34歳
神奈川の農家に生まれる