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「オウム解体のきっかけ」仮谷清志さん拉致監禁事件 警視庁元幹部が語る捜査の舞台裏 地下鉄サリン事件から30年

国内
2025-03-18 12:42

オウム真理教が引き起こした日本史上最悪のテロ事件、「地下鉄サリン事件」からまもなく30年です。きょうから3日連続でオウム事件の教訓について考えていきます。初日のきょうは、「オウム解体のきっかけとなった」と言われる事件の舞台裏です。


30年前の2月28日。東京・目黒公証役場の事務長・仮谷清志さん(当時68)がオウム真理教によって拉致され、その後、亡くなる事件がおきました。


今も仮谷さんを偲ぶ元捜査員たちは口を揃えて言います。「この事件の捜査がオウム解体のきっかけになった」と。


1995年3月20日。オウムが起こした「地下鉄サリン事件」。実はこの時、オウムは追い詰められつつありました。


その理由が仮谷さん事件の捜査でした。


当時、最前線で指揮をとったのは、警視庁の佐久間正法さん(74)。捜査を担う大崎署の刑事課長でした。


記者(1995年)
「ちょうどこの辺りです。車から出てきた数人の男に無理矢理、押し込められるような形で仮谷さんは拉致されました」


仮谷さんは仕事を終えて公証役場から出た直後。


佐久間さんのノートには。


元大崎署刑事課長 佐久間正法さん
「私自身がオウムの認識が薄かったので、カタカナで『オーム』、真理教の真も『心』と書いている」


目撃証言などから、仮谷さんは自身の妹の行方を捜していたオウムの信者に連れ去られたとみられていました。


事件が大きく動いたのは、指紋捜査がきっかけでした。


これは私たちが入手した当時の捜査資料です。容疑者が拉致に使ったレンタカーを借りた際の書類から、わずかな指紋が採取されたのです。


元大崎署刑事課長 佐久間正法さん
「署で取ってくれた(容疑者の)指紋。左手の環指(薬指)っていうんですけど、これが一致した」


この指紋がオウムの信者のものと一致したのです。


そして、警視庁は教団関連施設への強制捜査の日付を3月22日に決定。


しかし…


元大崎署刑事課長 佐久間正法さん
「情報がなぜかオウムに漏れて。警察の中にもオウムの信者がいたという情報もあったので。自衛隊でもガスマスクの訓練もやっていたので、いずれかから漏れたんだろう」


強制捜査の日付がオウム側に漏れ、2日前に「地下鉄サリン事件」が起きたのです。


3月22日。予定通り教団関連施設への強制捜査が行われました。これがきっかけとなり、オウムの主要な幹部が次々と逮捕されました。


元大崎署刑事課長 佐久間正法さん
「(仮谷さん事件の捜査が)オウムの解体に持って行ってくれた。(仮谷さんが)亡くなられたことは本当にかわいそうですが、身を挺して日本を救ってくれた」


仮谷さん事件の捜査でオウムは解体に向かったのです。


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