衝撃的な事件から3年半。21日、一つの大きな区切りを迎えました。安倍元総理を殺害した罪などに問われた山上被告に対し、奈良地裁は無期懲役の判決を言い渡しました。判決を聞いた山上被告の反応は…
山上徹也被告に「無期懲役」の判決 傍聴券求め約700人集まる
喜入友浩キャスター
「判決まで1時間を切りました。裁判所の前は、いま交通規制が敷かれました」
張り詰めた空気に包まれた、奈良地方裁判所。“社会を揺るがせた銃撃事件”の判決を聞こうと、朝から、傍聴券を求めて約700人が集まりました。
60代男性
「現場もよく行くところなのでショッキングすぎて。一般の裁判と違うじゃないですか、家庭を潰されて」
40代女性
「人を殺すことはダメだが、山上被告の境遇とか、事件が起こらなかったらどうだったか考えさせられる」
2022年、応援演説中の安倍晋三元総理を手製の銃で撃ち、殺害した罪などに問われた山上徹也被告。
事件から3年余りを経て始まった裁判。その判決が21日、言い渡されました。
裁判長
「主文、被告人を無期懲役に処する」
山上被告は前で両手を組み、静かに下を向いたまま判決を聞いていました。
法廷で明らかになった山上被告の“壮絶な過去”
“宗教2世としての生い立ち”の評価も争点となった今回の裁判。法廷で明らかになったのは、旧統一教会をめぐり、家庭が崩壊していった壮絶な過去でした。
山上被告が4歳の時、父親が自殺。また、兄には重い病気がありました。
旧統一教会に入信した母親は、勧められるままに献金を続け、その総額は約1億円にのぼったといいます。
山上被告の母
「夫の自殺や長男の手術で非常に心を痛めておりました。(教団から)献金をしませんかということで、(献金)しました」
さらに、2015年には人生を悲観した兄が自ら命を絶ちました。
山上被告の妹
「警察署で長男の遺品を渡されたとき、徹也は声を上げて泣いていました。長男の遺体から一晩中離れず、『俺のせい』と辛そうでした」
その後、安倍元総理が教団の関連団体へ寄せた、ビデオメッセージなどをきっかけに銃撃を決意したといいます。
山上被告
「(旧)統一教会に一矢報いるというか、打撃を与えることが自分の人生の意味だと思いました」
“不遇な生い立ち”の影響は限定的 検察側の求刑通りに
こうした“生い立ち”を踏まえ、山上被告の弁護側は重くても「懲役20年」にとどめるべきだと主張。
しかし、奈良地裁は検察側の求刑通り「無期懲役」の判決を言い渡しました。
「短絡的で自己中心的な意思決定に不遇な生い立ちが大きく影響したとは言えない」
判決では、その生い立ちから、教団に激しい怒りなどを抱いたとしても、殺人などを実行することは“大きな飛躍がある”と指摘。
「公共の静穏や安全を大きく脅かした極めて危険で悪質な犯行」などとしました。
判決を前に1月、拘置所で山上被告と面会したという、ジャーナリストの鈴木エイトさんは…
ジャーナリスト 鈴木エイト氏
「彼が唐突に『僕は統一教会のことはやっぱり譲れないので』って言われた。やはりお兄さんの死がずっと引っかかっていたということも含めて、そこが一番のポイントなんだと彼は言いたかったのかなって」
今回の判決について、裁判を傍聴した人は…
傍聴した人
「1人の命が無くなっているわけで、事実は殺人犯と銃刀法、あと自分勝手なところで認定された。そういう判決が出たのは納得している」
「遺族・家族・関係者の方の悲しみ苦しみは相当なものだと思うが、ただ彼自身の生い立ちというか、被害を受けた側の旧統一教会の問題を考えれば、もう少しゆるい判決であってほしかった」
安倍元総理の妻・昭恵さんはコメントを発表しました。
安倍昭恵さん
「突然の夫の死から長かった日々に、一つの区切りがついたと感じています。被告人は、自分のしたことをきちんと正面から見つめ、私のかけがえのない家族である夫の命を奪い去った罪を償っていただきたいと思います」
一方、弁護団は今後、控訴するかどうかについて山上被告と協議のうえ、判断するとしています。
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