今回の選挙で突如争点に浮上した「消費税」の減税。“財源の確保”など課題も残されています。
本当に実現できるのか。そして、消費税の減税で家計への負担は、どのくらい軽減されるのでしょうか?
“消費税10%のまま”の外食にはダメージか
高柳光希キャスター:
食料品の消費税が0%になると、▼生鮮食品などの食料品・弁当などは8%から0%になる一方で、▼外食は10%と据え置かれます。差が生まれることで、外食産業などにダメージがあるのではないかという見方もあります。
TBS報道局 経済部 蓮井啓介 記者:
当然、差ができることで外食離れが進む可能性はあります。
また、消費税は高齢者から子どもまで、一律の税率を負担するということでの公平性があるわけですから、差ができることに対する不公平感はあると思います。
減税しても店頭価格は変わらない?
高柳キャスター:
ドイツでは2020年(7月1日~12月31日の間)に、日本の消費税にあたる「付加価値税」の、標準税率を19%から16%に、軽減税率を7%から5%に減税しました。
しかし、多くの商品で、店頭価格が変わらなかったということです。一体なぜなのでしょうか。
TBS報道局 経済部 蓮井啓介 記者:
企業の値づけ戦略というのは非常に自由なものなので、税率が変わったからといって価格が下がるわけではないというのが、ドイツの事例です。
企業は、物価高による商品価格・人件費の高騰といったコストを、すべて値上げに反映できていないので、減税を機にコストを吸収したいという狙いもあるとみられます。
「消費税」各党の公約は?
高柳キャスター:
各党の消費税に関する主な政策は以下のようになっています。
【消費税(衆院選公約などから)】
●自民・維新「飲食料品2年間0%『検討を加速』」
●中道「今秋から恒久的に食料品0%」
●国民「時限的に一律5%」
●共産「廃止をめざし、緊急に5%」
●れいわ「廃止」
●参政「廃止」
●ゆうこく「廃止」
●保守「恒久的に食料品0%(酒類含む)」
●社民「一律0%」
●みらい「消費税減税より、社会保障料引き下げ優先」
“減税”財源はどこから? 各党にアンケート
高柳キャスター:
消費税“減税”の財源について、各党にアンケートを行いました。
【減税の財源(各党へのTBSアンケートより)】
●自民「今後、国民会議で実現に向け検討」
●維新「補助金や租税特別措置の見直しなど」
●中道「政府系ファンド創設による運用益、『積み過ぎ』基金の活用など」
●国民「年金積立金などの資産運用益・売却益など」
●共産「大企業・富裕層の優遇税制の是正など」
●れいわ「国債発行と累進課税の強化」
●参政「積極財政による景気回復での自然増収、社会保障制度の転換で支出効率化など」
●ゆうこく「期日までに未回答」
●保守「減税による経済成長」
●社民「大企業の内部留保課税、防衛費の引き下げなど」
●みらい「-」
TBS報道局 経済部 蓮井啓介 記者:
チームみらい以外は減税一色で、いわば選挙前の“バラマキ合戦”の様相を呈しています。
“食料品0%”なら5兆円の税収減 財務省「減税は夢みたいな話」
高柳キャスター:
減税となった場合、どれだけ税収が減るのでしょうか。
▼食料品 8%→0%になると、税収は約5兆円減
▼一律 10%→5%になると、税収は約15兆円減
▼一律 10%→0%になると、税収は約31兆円減
TBS報道局 経済部 蓮井啓介 記者:
消費税は法律で使い道が決まっていて、社会保障の「年金」「医療」「介護」「子ども・子育て支援」の4つとなっています。
大規模な減税となれば、こうした社会保障サービスのどれかを諦めることになるかもしれません。あるいは、▼ほかの税率を上げる、▼国債を発行して、ある程度の物価高・円安が進むことを容認するなどという選択肢から選ぶしかない状況です。
財務省幹部に取材をしてみると、「消費税減税は夢みたいな話」「5兆円なんてどこを探しても絶対にない。あるなら毎年、赤字国債なんて発行していない」という声が聞かれました。
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<プロフィール>
蓮井啓介
TBS報道局 経済部 財務省担当
財政・税制などの経済政策を取材
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