伝統・風情を守る道か、誰もが歩ける舗装された道か、有名な観光名所で議論されていたバリアフリーなどの問題に、ようやく1つの結論が出されました。
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「本物」の復元か「誰でも」の権利か
山形純菜キャスター:
観光名所や施設のバリアフリー化、伝統・風情をどう守り、そしてどう折り合いをつけるのか、日本の実情を見ていきます。
対立が続いているのが、名古屋を代表する観光スポット「名古屋城 天守閣」のバリアフリー化です。老朽化や耐震性などを理由に、2018年5月に閉館しました。
これを機に、名古屋市は天守閣を史実に忠実な「木造での復元」を計画しましたが、そこで焦点となったのが「バリアフリー」です。
名古屋市としては、梁や柱が傷つかないよう「小型昇降機の設置」を提案しました。
一方で市民団体などは、市提案の小型昇降機では大型の車いすや担架などが乗せられないため、誰でも上層階に行けるよう「大型エレベーターの設置」を要望しています。
意見が割れて折り合いがついておらず、2022年に完成予定でしたが、中断し、まだ復元工事に至っていません。
意見が分かれるところだと思いますが、星さんはどのように考えますか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
基本的に、色々な面で折り合いをつけることは大事ですが、障害のある方にもちゃんと利用してもらえるような工夫をして、バリアフリー化を進めていくという方向は必要だと思います。
井上貴博キャスター:
私も個人的にはバリアフリー化を進めてほしいと思います。
史実に基づいていることも確かに大切ですが、100%再現をすることができないのであれば、バリアフリー化を進めることが世界基準ではないのかと思います。
出水麻衣キャスター:
多くの人に天守閣を知っていただくためにも、より多くの人が天守閣に登れるようにして、その歴史を知ることに繋がっていけばいいと思います。
全国の観光地で進むバリアフリー
山形キャスター:
「誰でも楽しめるように」という取り組みは、歴史的建造物だけでなく、全国の観光地に広がっています。
鳥取砂丘では約20年前から、「砂丘用車いす」が導入されています。一般的な車いすに比べてタイヤの部分が大きくなっています。
無料で予約も不要。年間約300人が利用しており、体力的に不安な高齢者も利用しているということです。
東京多摩動物公園では、3月1日から免許不要の「電動カート」を導入しました。坂も多い広大な敷地の移動の際に使ってほしいということです。
レバーを握ることによって進み、離すと止まるという、操作も非常に簡単で、妊婦さんなどにもオススメということです。
手話も作品の一つに エンタメにもバリアフリーを!
山形キャスター:
バリアフリーは、エンタメの世界でも広がっています。
演劇の世界では、「役者と手話通訳が同じ世界」で舞台を作る取り組みも進んでいます。障害のある人も楽しめるように演出されている「バリアフリー演劇」です。
手話通訳の方が、役者のすぐ近くに立って劇に参加しています。セリフを手話で伝えてくれるだけではなく、衣装もその舞台の世界観に合わせて考えられており、役者とともに演じながら手話をしているんです。
世界でも、エンタメのバリアフリー化が進んでいます。
世界的アーティストのビヨンセさんやテイラー・スウィフトさんなどのコンサートでは、手話通訳を配置しています。
映像を見ましたが、歌詞を伝えるだけではなく、手話がパフォーマンスの一環になっているようでした。
さらに2023年、アメリカ最大のスポーツイベント「スーパーボウル」のハーフタイムショーでは、歌姫のリアーナさんも注目されましたが、それ以上に注目されたのが、手話通訳の方でした。「完璧な通訳と作り上げた世界観」と世界が称賛を送ったといいます。
井上キャスター:
目から鱗でしたが、手話の方を別で考えていましたが、一緒にエンタメとして、作品として見てもらうというのは素晴らしい考え方ですよね。
星浩さん:
実際、別枠であるよりもそっちの方が自然なような気がします。
出水キャスター:
手話の方は日頃から表情豊かに全身を使って伝えてくださると思っていたので、非常に演劇と相性も良いことに気づきました。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年
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