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物価高が引き起こす見えない増税「インフレ税」とは?歴史的賃上げラッシュ・「税率区分」に“核心”が 【サンデーモーニング】

国内
2026-04-12 12:55

4月7日に2026年度の予算が成立しました。過去最大となった今回の予算、その財源となったのは“国民からの税収”です。しかし、そこには“見えない増税分”も含まれています。


【写真で見る】4月から始まる「防衛特別所得税」の仕組みとは?


過去最大の予算が成立 4月から始まる“独身税”に注目が集まる

高市早苗 総理大臣(4月7日)
「予算全体にメリハリ付けを行う中で、危機管理投資や成長投資といった分野に大胆に増額するなど、強い経済の実現に資する内容となっております」



7日、令和8年度予算が成立。一般会計の歳出総額は、防衛費の増額などもあり、過去最大の122兆3092億円となりました。


こうした中、4月から暮らしに関わる新制度がスタート。注目されたのが、子どものいない世帯から“独身税ではないか”などといった声も上がった「子ども・子育て支援金」です。


街の人
「20代前半で“独身税”を払うのが結構きついなって正直思います。早く結婚して子どもを産めって言われてる感じ」
「子どもを育てている人の負担軽減になるのであれば税金は納めるし、それで未来が良くなればいいのかなと思う」



給与から、医療保険料に上乗せされる形で「天引き」され、収入によって、月々最大で千数百円の新たな負担に。


防衛費の増税も…新制度スタートで“負担増”か

さらに、4月からは別の負担増もあります。それは“防衛費の増税”



高市早苗 総理大臣(2025年10月)
「日本として主体的に防衛力の抜本的強化、および、防衛費の増額に引き続き取り組んでいく決意を(トランプ大統領に)伝えました」


2025年、閣議決定された「税制改正の大綱」。
防衛力強化の財源として、4月から法人税、たばこ税が引き上げられたのに加え、2027年1月からは「防衛特別所得税」が創設されます。その額は基準所得税額の1%。



現在、私たちの所得税は、東日本大震災の復興財源として2.1%上乗せされています。


この税率を1.1%に引き下げ、空いた1%枠を「防衛特別所得税」にするというもので、「トータルの税率」は変わりません。


ところが、復興に関わる税の課税期間は、これまでより10年延長。「防衛特別所得税」については、期限が定められておらず、長い目で見れば増税となります。


「税率区分自体を引き上げないと…」見えない増税“インフレ税”

こうした負担に加えて、ここ最近のインフレ、物価高が引き起こす「見えない増税」がいま話題となっています。


それがいわゆる「インフレ税」
まず商品の値上がりによって、消費税で徴収される額が増えます。
さらにもう1つ、「見えない増税」の核心ともいえるのが「税率区分」です。



記者(3月18日)
「こちら春闘の回答状況を示すホワイトボードは、ずらっと満額の文字でいっぱいになっています」


2026年の春闘は、インフレを背景に歴史的な賃上げラッシュ。


実はここに「インフレ税」の核心があると専門家は指摘します。



野村総研エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏
「名目の賃金が上がるだけで、今まで税金払ってなかった人が払うようになるとか、より高い税率で払うようになるとかというのが、“インフレ税”と呼ばれるものなので。この非常に高い物価上昇を上回る賃上げには、なかなかならない」



日本の所得税の税率区分は7段階。年収が640万円以上で課税所得330万円の人が、仮に賃上げで5%上がったとします。


増えた16万5000円にかかる所得税は、税率10%ならば1万6500円ですが、区分が上がり20%となるため、所得税は3万3000円に跳ね上がるのです。



本来、こうした税率区分自体をインフレに合わせて引き上げないと、物価高対策として意味がないと、木内さんは言います。


野村総研エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏
「例えばアメリカとかカナダとかドイツとかも、日本と比べると、もうちょっと制度化されていて、物価高で人々が損をしないような仕組みになっている。(日本も)70年代とか、物価が非常に上がっている時というのは「実質増税になっているんじゃないか」という意識が今よりはあった」


大部分を占めるのは「インフレ税」?6年連続で税収増か


今と同じようなインフレとオイルショックに見舞われた1970年代。政府は「狂乱物価」とまでいわれた物価高対策に追われます。



田中角栄 総理(1974年当時)
「政治を扱う責任者としては正念場だという感じです。とにかく物価抑制という問題に対しては待ったなしで取り組まなきゃいかん」


その結果、たびたび税率区分の変更などの対策がとられたのです。


ところが、その後のバブル崩壊で、日本経済はデフレに突入。
牛丼一杯280円という時代に、物価対策も忘れられる形に。



こうした中、近年のインフレなどによって政府の税収も増加。2025年度は前年度より5兆円ほど増加が予想されるなど、6年連続で税収増となる見込みです。



そのかなりを「インフレ税」が占めると木内さんはいいます。


野村総研エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏
「この数年のように物価が上がる世界になってきたら、制度として財政が公正なものになるような制度の見直しというのが必要だ。その議論が遅れていると思う」


「見えない増税」に改めて目を向けるべきかもしれません。


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