国内
2026-05-26 13:32
生理について学校で習った記憶がある一方で、「おりもの」については教えてもらった記憶がない…。おりものの色や形状から健康状態の目安も分かると言いますが、実は多くの人が正しい知識を知らないまま大人になっています。日本で初めておりものシートを発売した小林製薬『サラサーティ』はその“空白部分”に向き合い、PTAや学校などに向けて正しい知識やおりものシートの使い方を広めています。取材から見えてきたのは、子どもだけでなく大人もまた「知らなかった」という現実でした。
【写真】ブクブク泡、カッテージチーズ状...会場に展示された医師への相談が推奨されるおりもののサンプル
■「早い段階から触れることで、知識だけではカバーできない“実感の部分”を補えれば」
『サラサーティ』は、「性教育・初潮教育への理解促進」の一環として、性教育メディア「命育」との共同プロジェクト「はじめてのおりものキット」の無償配布を実施しています。2023年に開催された反響を受け、昨年12月に足立区立千住双葉小学校で2回目の無償配布を実施。『サラサーティ』ブランドマネージャーの山下直子さんは、「親子でも話さないし、学校でも教わらないテーマだった」と開催の背景を話します。
「小学校の保健体育の授業では、二次性徴や初経・精通については扱われますが、「おりもの」について体系的に学ぶ機会は限られているのが現状です。学校では先生が林間学校などの前に課外授業としてお話しする機会はあるそうですが、家庭内で親子で話せる機会はなかなかないと聞きました。本来、おりものは初経よりも早く始まり、身体の変化を知らせるサインでもあるので、ぜひ親子で話せる機会を設けていただければありがたい。PTAの皆さんのご協力をもとに小学校に伺ってお話しする機会を設けさせていただいています」(山下さん、以下同)
『サラサーティ』は1988年に日本初のおりもの専用シートとして誕生し、「おりものをケアする」発想そのものを提示。「皆が同じ悩みを抱えているのかわからない(自分だけかもしれない)」「生理と同様に話すのが恥ずかしい」など、当時は対処する選択肢が限られていましたが、日常的なケア習慣へとつなげてきました。それは単なる商品開発ではなく、生活者の認識そのものを変えていくプロセスでもあったといいます。
「おりものが出ると煩わしいですし、ちょっとベタベタするのが不快だなと思ったりするんですけど、緊急的な症状ではない。でも自分の体調への気づきを与えてくれるものではあると思っています。保護者様からは「自分自身もよくわかっていなかった」「上手く説明ができない」という声が寄せられ、具体的な部分のイメージが不足していることもわかってきました。おりものシートに早い段階から触れていただくことで、知識だけではカバーできない“実感の部分”を補えればと考えています」
■「おりものキット」配布の意図、「第三者から話してもらうほうがすんなり入る」
足立区立千住双葉小学校での「はじめてのおりものキット」配布イベントは、おりものについて保護者向けオンライン授業動画を鑑賞することから始まり、ブランドマネージャーからおりものについての講話、「はじめてのおりものキット」の手渡しという順序で進んでいきます。
参加した保護者からは、「おりものについて正しく説明できないことが参加のきっかけになった」(小学5年生女子生徒の母親)という声も。
【参加した保護者の声】
「今まで私が学んできたものって何だったんだろうというくらい、とにかく一緒に勉強ができたことが印象深かった」(小学5年生女子生徒の母親)
「娘も生理に興味はあるので親子で話はしていたんですけど、生理って血が出るのでわかりやすいじゃないですか。でもおりものの場合は、なかなか説明ができない。子どもに知ってもらうためにも、私ではなく第三者から話してもらうほうがすんなり入るのかなと思ったので、ありがたかったですね」(小学3年生女子生徒の母親)
「お母さんやお家の人だけではなくて、保健の先生に相談してもいいんだよとも言ってくれた。そういう視点も、子どもたちにとっては新鮮だったように感じます。体のことだから、親に話すばかりじゃなくてよいという考え方もすごくいいなと感じました」(小学4年生女子生徒の母親)
今回の取り組みで特徴的なのは、男子生徒も一緒に参加している点です。イベントを主催した同小学校PTA会長の川井千宏さんは「これまで知る機会がなかった部分を理解するきっかけになった」と話します。
「私は2児の男の子の父なので、家庭では生理やおりものについて話すタイミングは一切ありませんでした。自分は男親なので分からないことばかりでしたが、PTAで提案したらぜひやりましょうとなって実現しました。
息子たちにどう伝えるか、なかなか難しいですけど、まずは知ってもらうところから。体調が悪そうな女の子がいて「大丈夫?」と声かけできたとしても、「怪我してるのかな?」くらいで終わっちゃうのが男の子の正直なところだとは思うんです(笑)。でも男子を含めた理解の広がりが必要なんだというところは、今日聞いていて勉強になりました。家族でも話し合ってみたいと感じました」
この啓蒙活動を、当事者だけのものにしないことを重視していると小林製薬・山下さん。悩みを抱えながらも医療機関に行くほどではない層が多い現状に触れ、「そこを支える存在でありたい」と言います。
「性教育という領域に企業が関わることには慎重な見方もあります。実際、学校によっては対応が分かれるなど、講義先を見つけるハードルも存在していました。それでもこのプロジェクトを進める理由は、学校では扱いきれず、家庭では話しにくい“空白”の部分があるからです。それらを私たちが補完して、生理と同じようにおりもの教育が当たり前になる未来を目指していきたいです」
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「小学校の保健体育の授業では、二次性徴や初経・精通については扱われますが、「おりもの」について体系的に学ぶ機会は限られているのが現状です。学校では先生が林間学校などの前に課外授業としてお話しする機会はあるそうですが、家庭内で親子で話せる機会はなかなかないと聞きました。本来、おりものは初経よりも早く始まり、身体の変化を知らせるサインでもあるので、ぜひ親子で話せる機会を設けていただければありがたい。PTAの皆さんのご協力をもとに小学校に伺ってお話しする機会を設けさせていただいています」(山下さん、以下同)
『サラサーティ』は1988年に日本初のおりもの専用シートとして誕生し、「おりものをケアする」発想そのものを提示。「皆が同じ悩みを抱えているのかわからない(自分だけかもしれない)」「生理と同様に話すのが恥ずかしい」など、当時は対処する選択肢が限られていましたが、日常的なケア習慣へとつなげてきました。それは単なる商品開発ではなく、生活者の認識そのものを変えていくプロセスでもあったといいます。
「おりものが出ると煩わしいですし、ちょっとベタベタするのが不快だなと思ったりするんですけど、緊急的な症状ではない。でも自分の体調への気づきを与えてくれるものではあると思っています。保護者様からは「自分自身もよくわかっていなかった」「上手く説明ができない」という声が寄せられ、具体的な部分のイメージが不足していることもわかってきました。おりものシートに早い段階から触れていただくことで、知識だけではカバーできない“実感の部分”を補えればと考えています」
■「おりものキット」配布の意図、「第三者から話してもらうほうがすんなり入る」
足立区立千住双葉小学校での「はじめてのおりものキット」配布イベントは、おりものについて保護者向けオンライン授業動画を鑑賞することから始まり、ブランドマネージャーからおりものについての講話、「はじめてのおりものキット」の手渡しという順序で進んでいきます。
参加した保護者からは、「おりものについて正しく説明できないことが参加のきっかけになった」(小学5年生女子生徒の母親)という声も。
【参加した保護者の声】
「今まで私が学んできたものって何だったんだろうというくらい、とにかく一緒に勉強ができたことが印象深かった」(小学5年生女子生徒の母親)
「娘も生理に興味はあるので親子で話はしていたんですけど、生理って血が出るのでわかりやすいじゃないですか。でもおりものの場合は、なかなか説明ができない。子どもに知ってもらうためにも、私ではなく第三者から話してもらうほうがすんなり入るのかなと思ったので、ありがたかったですね」(小学3年生女子生徒の母親)
「お母さんやお家の人だけではなくて、保健の先生に相談してもいいんだよとも言ってくれた。そういう視点も、子どもたちにとっては新鮮だったように感じます。体のことだから、親に話すばかりじゃなくてよいという考え方もすごくいいなと感じました」(小学4年生女子生徒の母親)
今回の取り組みで特徴的なのは、男子生徒も一緒に参加している点です。イベントを主催した同小学校PTA会長の川井千宏さんは「これまで知る機会がなかった部分を理解するきっかけになった」と話します。
「私は2児の男の子の父なので、家庭では生理やおりものについて話すタイミングは一切ありませんでした。自分は男親なので分からないことばかりでしたが、PTAで提案したらぜひやりましょうとなって実現しました。
息子たちにどう伝えるか、なかなか難しいですけど、まずは知ってもらうところから。体調が悪そうな女の子がいて「大丈夫?」と声かけできたとしても、「怪我してるのかな?」くらいで終わっちゃうのが男の子の正直なところだとは思うんです(笑)。でも男子を含めた理解の広がりが必要なんだというところは、今日聞いていて勉強になりました。家族でも話し合ってみたいと感じました」
この啓蒙活動を、当事者だけのものにしないことを重視していると小林製薬・山下さん。悩みを抱えながらも医療機関に行くほどではない層が多い現状に触れ、「そこを支える存在でありたい」と言います。
「性教育という領域に企業が関わることには慎重な見方もあります。実際、学校によっては対応が分かれるなど、講義先を見つけるハードルも存在していました。それでもこのプロジェクトを進める理由は、学校では扱いきれず、家庭では話しにくい“空白”の部分があるからです。それらを私たちが補完して、生理と同じようにおりもの教育が当たり前になる未来を目指していきたいです」
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