12年前に東京女子医大病院で鎮静剤を大量に投与され、当時2歳の男の子が死亡した医療事故。東京地裁は、業務上過失致死の罪に問われた2人の医師のうち、元研修医を無罪判決とした一方、麻酔科医には執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
「明後日、手術ね」
「うん。うん、はい!」
「喉のここ、治してもらうのね」
「えい、えい、おー!」
埼玉県に住んでいた孝祐ちゃん。当時2歳だった2014年2月、首にできた小さな腫瘍をとる手術を東京女子医大病院で受けました。病院は「簡単な手術」と説明していました。
しかし、孝祐ちゃんは術後に移されたICUで、鎮静剤「プロポフォール」を大量に投与された末に、亡くなりました。
大人の限界量の2.7倍にあたる量が亡くなるまでの70時間以上にわたって投与されたのです。
孝祐ちゃんの母親(2020年)
「ずっと変わらずあるのは、孝祐ともう一度、会いたいなというのはずっとあります」
この医療事故をめぐって、麻酔科医の▼小谷透被告(66)と▼研修医だった福田聡史被告(44)が業務上過失致死の罪に問われました。
これまでの裁判で、2人は無罪を主張し、検察側は2人に禁錮刑を求刑しました。
そして、孝祐ちゃんの死から12年が経ったきょう。
裁判長
「小谷被告を禁錮1年6か月、執行猶予3年に処する。福田被告は無罪」
東京地裁は、孝祐ちゃんの死因を鎮静剤の過剰投与による副作用だと認定。そのうえで、研修医だった福田被告には「副作用が生じることを予測できなかった」として無罪を言い渡しました。
一方、ICUの責任者で、鎮静剤の投与を指示していた麻酔科医の小谷被告については「専門医であれば、到底行わないような量で長時間の投与を続けていて、注意義務違反の程度は非常に大きい」として過失を認めました。
裁判長
「わずか2歳で命を落とした被害者は言うには及ばず、疾病からの回復を願って被害者を入院させた両親らの無念は察するに余りある」
裁判で有罪判決を受けた小谷被告の弁護人は、判決を不服として控訴する方針を示しました。
一方、孝祐ちゃんの母親は、先ほど、ひとりに無罪を言い渡した判決について、「このような判決を孝祐に報告はできません。とても悲しい気持ちでいっぱいです」などとコメントを出しました。
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