きのう(28日)、熊本県で発生した最大震度7の地震について、2016年の熊本地震と比べて、どういった特徴があるのか、TBS災害担当の福島解説委員の解説です。
【写真を見る】地図で確認 今後30年以内の地震発生確率が最も高い活断層がある地域
“相次ぐ倒壊” 震源の深さが影響か
井上貴博キャスター:
28日に発生した熊本の地震は、局所的に被害が集中しました。これは「震源が浅かったから」とみられています。
・八代城跡:建物など倒壊
・JR八代駅:機関車が脱線・横転
・日本製紙 八代工場:煙突が崩落
・住宅が倒壊など
・高速道路が隆起
地震発生時の様子を聞くと、「縦揺れ(いわゆるドーンと突き上げられる)というよりも、横揺れが続いた」と話す方がいました。
被害の大きい場所では1mの横揺れ、その横揺れが1秒間に10回ほどあったのではないかと考えられ、特に断層の上の市街地が大きな被害を受けたということです。
東京大学地震研究所の笠原順三名誉教授は、「震源の深さ16㎞、比較的浅い場所で発生した地震。大きい横揺れが地上にそのまま伝わったことが考えられ、場所によっては1mほどの揺れ幅だったと考えられる」といいます。
八代市では住宅などが倒壊するなど、断層沿いに被害が集中しています。日本製紙 八代工場では煙突が崩落。地上付近と上部で大きく揺れ方にズレがあって持ちこたえられず、煙突が折れたのではないかというのです。
熊本に2つある活断層 その関連性は?
井上キャスター:
熊本県のあたりには、「布田川断層帯」と「日奈久断層帯」があり、10年前の2016年に起きた地震もこのあたりに被害が発生しました。
・2016年4月14日:M6.5 最大震度7
・2016年4月16日:M7.3 最大震度7
・2026年7月28日(午後4時27分ごろ):M7.1 最大震度7
TBSテレビ 福島隆史 解説委員:
28日、震度7を観測した地震は、「日奈久断層帯」と呼ばれる、全国でも有数の活断層のすぐそばで起きました。
10年前の2016年も震度7の地震が2回発生しましたが、最初の地震、つまり前震(2016年4月14日)が起きた場所も「日奈久断層帯」が関与したとみられています。
その2日後(2016年4月16日)に起きた本震も最大震度7を観測しましたが、この地震は、「布田川断層帯」が関与したとみられています。
今回、28日に発生した地震は「日奈久断層帯」の南側で起きたということになります。
2016年、大きな「日奈久断層帯」のごく北側の一部が活動しました。一方、南側は比較的静かだった。
地震研究者の間では、南側の地震活動が今後どうなるのかというのが、10年前から注目ポイントだった。
今回、その南側でマグニチュード7という規模の大きい地震が起きた。ここが非常に大きな注目点です。
2016年の地震と関連があるかは、29日の地震調査委員会で議論し、評価されると思います。
井上キャスター:
専門家からすると、今後連動していくのかどうか。
TBSテレビ 福島隆史 解説委員:
静けさを保っているところが不気味なんです。新しいデータによると、28日夜までは、震度7をもたらした地震活動は、主にこの(日奈久断層帯)北側で起きていたのですが、29日午後1時までの新しい気象庁が出したデータを見ると、この活動域が震度7の地震の南西方向に広がっている。これが特徴として挙げられているため、おそらくこれも地震研究者はものすごく注目していると思います。
活動域が広がっている、しかも心配していた南側に広がっているのが注目ポイントです。
今後30年の地震発生確率 最も高いランクにある活断層は全国に36か所も
井上キャスター:
今回、日奈久断層帯の付近で発生した地震は、地震発生確率が最も高い「Sランク」3%以上だったということです。
【今後30年の地震発生確率】
・Sランク:3%以上
・Aランク:0.1~3%未満
・Zランク:0.1%未満
・Xランク:不明(すぐに地震が起きることが否定できない)
(地震調査委員会より)
今後30年の地震発生確率3%以上の、Sランク活断層は全国に36か所もあるということです。(2026年1月時点)
TBSテレビ 福島隆史 解説委員:
30年で3%と言われても、切迫しているとは思いづらいですが、▼火災の被害に遭う確率は1.1%、▼台風や大雨で被害に遭う確率は0.3%程度といわれていますので、それよりもはるかに高い。そんな高い確率の活断層が全国に36か所もあるのです。
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<プロフィール>
福島隆史
TBS解説委員(災害担当) 長年、気象庁を担当
日本災害学会副会長
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