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千葉豪雨で相次ぐ車の水没死…なぜ危険な冠水道路へ進入?「止まって」叫ぶもアンダーパスへ 水没現場で何が 検証取材【報道特集】

国内
2026-08-15 20:49

車が水没して亡くなってしまうケースが相次いでいますが、なぜ車は冠水した道路に入り込み閉じ込められてしまうのか、現場を取材しました。 


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千葉豪雨残る爪痕 死者は9人に

千葉県を襲った豪雨の爪痕は、8月15日も残されたままだ。


記者
「川にかかる橋が2箇所陥没していて、穴の中には車が落ちています」


新たに1人の死亡が確認され、この豪雨による死者は9人となった。


千葉市若葉区では1人が行方不明になっていて、8月15日も捜索が行われた。


83歳の妻
「玄関のここらへんまで水が入ってしまって、全部浮いてしまった」


この住宅では、80代の夫婦が2人だけで部屋の泥かきを強いられていた。


86歳の夫
「泥をとって掃除しないと畳はみんなだめですから、大変なんですよ。歳をとっているから」
「80歳を超えて2人で畳を上げるのは重労働です」


大網白里市では、豪雨によって使えなくなった家財などが運び込まれていた。


被災した人
「初めての経験なので先が全く見えないが、協力していただいているので前向きに頑張りたい」


大きな問題になりつつあるのが放置された車だ。千葉県内の道路には、1200台以上とみられる車両が放置されたままだ。


事故も起きている。8月15日午前3時40分ごろ、千葉市稲毛区で路上に放置されていた車に乗用車が突っ込んだ。


今回の豪雨は、千葉県内の各所で想定を超えるものとなった。


千葉市では、8月14日午前10時までの24時間の雨量が観測史上最大の367ミリに。平年の8月1か月に降る雨量の3倍以上となった。


相次いだ車の水没死 千葉・柏市の現場で何が…

今回の豪雨で相次いだのは、車の水没だ。

大雨による死者9人のうち、4人は車の水没が原因だった。


現場の一つとなった柏市内の住宅街では、白い車が冠水した道路に突っ込んだ直後、車体の後方が浮き前に大きく傾いた。


撮影した男性
「車が浮いてすぐ出てくるかと思ったが、なかなか出てこなくて」


この男性と近所の人たちで車内に閉じ込められた70代の男女を救出したが、女性は心肺停止の状態で病院に運ばれ、その後、死亡が確認された。


撮影した男性
「横(の窓を)割ってなかなかドアが開かなくて、やっと開いて(女性を)屋根の上に引きあげたときには心肺停止で」


JAFの実験映像では、水深60cmの冠水した道路に車が突っ込むと、車体は大きく前傾し車内には水が流れ込む。前方に強い水圧がかかるため、運転席の中からドアは開けられず、自力で脱出することはできなかった。


なぜ深い水没場所に?勾配ある道路 冠水時の危険性

柏市の現場には地形に特徴がある。


村瀬健介キャスター
「こちら側から急勾配の坂が下っていってますけれども、向こうからも急勾配の坂が来ています。ちょうど坂と坂が合わさった谷の場所が、今回70代女性が亡くなった現場です」


現場は谷底のようになった箇所。雨が降った当時は、左に見えるアパート1階の窓のすぐ下まで水が来ていた。中を見せてもらうと…


村瀬キャスター
「カーテンは今も濡れたままの状態になっています。かなり高い基礎の上に立っていて、地面からは高い位置にありますが、それでもこの位置まで水が来たのがわかります」


救出の様子を目撃していた近所の人は――


救出を目撃した女性
「どんどん水かさが増していってしまうので」


この女性が撮影した動画は、近所の人が車の中から男女を助け出した際のもので、人が立っている足元の白い部分が車の屋根とみられる。


──車が完全に水没するぐらいの水の高さに?

救出を目撃した女性

「もう一気に来た。普通の住宅街でこんなに水が溜まるのは一瞬なんだと、私も手も震えていて怖かった」


これほど深い水没箇所に、なぜ車は向かっていってしまったのか。


水がない時の道の様子は、谷のような窪地になっていることがわかる。事故があった当時は、谷の部分に濁った水が溜まり、窪んだ部分が分かりづらい。


どれほど深く水が溜まっていたのか分からないまま、車は進んでしまった可能性もある。


「止まって!」と叫ぶも車が水の中へ…アンダーパスでの緊迫の救助

冠水したアンダーパスに車が進入してしまうケースも相次いだ。


村瀬キャスター
「この先のアンダーパスが、水没した現場です。手前には2台の車が残されています。レッカー車手配済みというふうに張り紙がされていますが、この先の低くなっている土地で水が溜まっていたということで、多くの車が水没したということです」


13日、アンダーパスが冠水した時の映像には、軽トラックが荷台まで浸かり、出口付近には停止した白い車と、黒い車を押す人たちの姿が映っていた。車には車椅子マークと送迎中の文字も確認できる。


この時、黒い車を押していた男性が当時の状況を語った。映像は息子が撮影したという。


水没車を救助した男性
「ご老人が2人か3人か乗っていた。押してる最中にもまた後ろから入ってきちゃって」


撮影していた人
「止まって!」


男性らが黒い車を押していたその時、一台の車がアンダーパスに進入した。車は出口の手前で停止。歩道の高さと比べると、車体が水に浮いているようにも見える。


──車は浮いてる?

水没車を救助した男性

「浮いてました。車乗ってる人はパニックかなと。(乗ってた人は)窓から出てもらって」


── 窓は開けられたんですか?
「開きました。電気系統は生きてるけど、エンジンは止まってるみたいな感じ」


わずか20分ほどで急変する水位 専門家に聞く冠水道路の走行リスク 

男性が車を押していたのは午後5時20分ごろ。5時40分ごろに撮影された映像では、道路上に立つ人の姿が確認できる。わずか20分ほどでほとんどの水が引いたことがわかる。


運転手はなぜ、冠水したアンダーパスに進入してしまったのか。男性はこう推し量る。


水没車を救助した男性
「車が沈んでるのに何で来るのかなと思ったが、テールランプが見えてると『車がいる、大丈夫』と思ってしまうのでは。車が浮いてる分(車体の)上まで見えるじゃないですか。そうすると『行けるのかな』と思ってしまうのでは」


冠水した道路を走る危険性について、専門家は…


JAF認定セーフティアドバイザー 内藤康介さん
「車によるが車の床下までの深さであれば、走行できる対策はされているが、下の部分・床面を超えてしまうと、走らなくなったり止まってしまう可能性はある」
「そもそも冠水した路面・道路には入らないことを意識して、迂回することを考えていただきたい」


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