
自然災害の激甚化、エネルギー価格の高騰、食料品の値上がり——日本社会を揺さぶる課題に、政治はどう応じようとしているのか。前環境大臣で自民党税調副会長も務める浅尾慶一郎氏にききました。(聞き手:川戸恵子 収録:8月26日)
【写真を見る】「人工光合成」で日本は変われるか―浅尾慶一郎 前環境大臣が語る気候変動の新戦略と経済成長の秘策【国会トークフロントライン】
トランプ政権が「気候変動を認めない」中、日本はどう動くべきか
ーー千葉県を襲った豪雨、熊本の酷暑、さらにはドナウ川の水位低下による原発停止と今夏も世界各地で異常気象が起きているが、今年、国連気候変動枠組条約からアメリカ・トランプ政権が離脱しました。この状況をどうみていますか?
浅尾慶一郎 前環境大臣:
今災害の話がありましたが、気候変動の大きなステップとして「脱炭素」、いわゆる二酸化炭素の出す量を減らしていこうっていう“緩和”っていう話と、新しい気候のもとで、“適応”していくという、両方やらなきゃいけないんですが、この“適応”については、喫緊の課題でもあります。
トランプ政権はそもそも気候変動というものを認めてないっていう立場なので、そこは議論は平行線にしかならない。
私は一昨年、環境大臣在任中にマイケル・ウォルツという大統領補佐官(当時)と会うことができました。「太平洋の島しょ国が災害の結果、国が沈没する水没するというような危険性がある。これに対して、日米の技術を使って対応していったらいいんじゃないか」と、そういう話をしたところ、やはりこれは日米だけじゃなくて、(オーストラリアとインドを入れた)QUADでやろうという話がウォルツさんからあった。それを日本にいるオーストラリア大使に伝えたところ、非常に彼らも喜んでいた。オーストラリアも気候変動に熱心な国ですから、それをやっていきましょうと。
気候変動じゃないけど国がなくなっちゃうってのは安全保障上の危機だし、海洋進出で中国が影響力を増すっていうことに対して、アメリカとしてもいろんな懸念を持つでしょうから、そういうことの文脈の中では協力できるところはあるんではないかなというふうに思っています。
「日本が産油国になれる」人工光合成という大きな賭け
ーー浅尾さんは“人工光合成”が温暖化対策のカギになるとPRされていますが、これは何なんですか?
浅尾慶一郎 前環境大臣:
コロンブスの卵みたいな話で、正確に言うとですね、効率がものすごく悪ければ、光合成のようなものはできることはできるんですね。この効率を高めていくと、どういうことになるかっていうと実は太陽光のエネルギーを1時間、地球に降り注ぐものを全部集められたら、なんと人類が1年間で使うエネルギーと一緒だということなんです。
もちろんそんなことはできません。できませんが、植物が地球上どこにでもある二酸化炭素と水蒸気を使って、太陽光を溜める、その考え方を応用して「人工光合成」ができれば、日本がいわば産油国になるということになります。
日本の持ってる技術は世界の最先端なんで、今世の中にないものを作るっていうことは、ものすごい生産性の潜在成長率を高めることにも繋がるし、だから経済成長のためにも役に立つんです。
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