
各省庁が財務省に要求する、概算要求が31日に締め切りとなります。
注目は、政府が最も重視する人型ロボットなどのフィジカルAI。1兆4000億円の予算が計上されるなか、果たして日本の成長につながるのでしょうか。
【写真で見る】「世界人型ロボット運動会」100メートル走でウサイン・ボルト超え?!
100メートル走「8秒64」 “フィジカルAI”で中国が技術力をアピール
記者
「こちらではロボットのサッカーが行われています。ロボットたちが懸命にボールを追いかけています」
中国・習近平政権が重点分野として掲げる人型ロボット、いわゆる“フィジカルAI“。北京で8月22日〜8月26日まで開かれていた「世界人型ロボット運動会」では、15か国から集まった2000体以上のロボットが、51の種目でその性能を競い合いました。
特に技術力をアピールしたのは、やはり中国。
100メートル走では、ブレーキが利かず機体は大破しましたが、叩きだしたタイムはなんと8秒64。あのウサイン・ボルトの「9秒58」を超える記録が飛び出したのです。
2025年の100メートル走決勝で、優勝したロボットの記録は21秒50でした。
中国は、わずか1年でタイムを半分以下に縮めたのです。
この大会に、日本から唯一挑んだのがGMOインターネットグループのロボット「ひとみん」でした。
記者
「走り出しましたが、ちょっとゆっくりですね」
実は、使われている機体は中国製。GMOが手掛けるのは、走りを制御するAIです。
記者
「他のロボットとは差がついてしまいました。間もなくゴールです。日本チームのロボット、無事完走です。力尽きてしまったのでしょうか、倒れました」
1500メートル走では7位と健闘しましたが、他の競技では入賞できませんでした。
中国にいる、GMOの研究開発担当者に聞きました。
GMOインターネットグループ担当エンジニア 滝澤照太さん
「目標はもちろん優勝なんですけれども、100メートル走で22秒台程度(去年の優勝タイム)の走りができるように開発を行っておりました」
競技では中国の後塵を拝した日本も、成長戦略ではフィジカルAIを最重要視しています。
高市総理「フィジカルAIで世界に打って出る」 “上限なし”「概算要求」で新たな投資枠
かねてより、高市総理はフィジカルAIについて…
高市総理(1月)
「日本はこれ(フィジカルAI)で世界に打って出ます」
世界に打って出るため、高市総理はこれまでにない手を打ちました。
各省庁が来年度の事業と予算の見積もりを出す「概算要求」で、初めて上限を設けない新たな投資枠を作ったのです。
高市総理(7月・経済財政諮問会議)
「『強く豊かな日本』投資枠を創設し、真に効果的な施策を重点的に措置します。この投資枠につきましては要求上限を設けない」
上限のない「強く豊かな日本」投資枠。概算要求の総額は、過去最大の140兆円前後となる見込みに。
高市総理
「大切なことは財政支出の額ではなく、その経済成⻑に与える効果です」
経産省は、この投資枠でAIやロボットなどの成長分野に、来年度約1兆4000億円を計上(一般会計)するといいます。
巨額の資金が必要なフィジカルAIの開発。GMOの開発拠点を訪ねました。
“資金が全然足りない” 開発現場の厳しい現状
GMOのフィジカルAIを開発している現場。このロボットは、様々な方向から力を受けても倒れずに立っていることができます。
中国のロボット運動会に参加した「ひとみん」の開発でも、膨大な時間とコストをかけて、自社の⻑距離陸上チームの選手の無駄のない足の運びや、重心移動のデータをAIに覚えさせたといいます。
そして、ダンスまで…
開発を担当する滝澤さんは、中国の優位性をこう言います。
GMOインターネットグループ担当エンジニア 滝澤照太さん
「機体を簡単に安く作って、すぐに調達できるというのが(中国の)非常に強みで、たとえば運動会であれば、開発をする途中に壊れてしまうこともあると思うが、そういうことを恐れずに開発できる環境が揃っている」
安価に機体を調達できる中国。一方で、日本の開発の最前線が直面しているのは、資金面での過酷な現実です。
国産の人型ロボットを開発しているスタートアップ企業「アトム」。26日、自社のロボットのAIに現場を想定した動きを覚えさせるための拠点を稼働させました。
会社として、世界と戦うためには資金が必要だと言います。事業の立ち上げでは、⺠間から45億円確保したといいますが...
アトム 青木俊介 社長
「(資金は)全然足りないですね。2000〜5000億円ぐらいの領域に突っ込んで、量産までやって世界のシェアをとりに行きたい。中国だけじゃなく世界的に、あり得ないぐらいの金額と人が集まってきていて」
青木俊介社長が必要と考えるのは、数千億円規模の集中した投資です。
AIやロボットをめぐる熾烈な攻防の中で、高市総理が掲げた「強く豊かな日本」投資枠。はたして“世界に打って出る”ことは出来るのでしょうか。
・お腹をすかせた中学生3人…通りかかった食堂で「PayPay使えますか?」「ごめんなさい、現金だけなんです」その後の展開は…SNS投稿に大反響のワケ「こういう出会いって宝物」「読んでて涙出た」
・エアコン「1℃下げる」OR「風量を強にする」どっちが節電?「除湿」はいつ使う?賢いエアコンの使い方【ひるおび】
・「蚊の10倍」猛烈かゆみが襲う 水辺にいる“スケベ虫”に注意
