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小4以下の完全デジタル化認めず…2030年度教科書は「紙中心」に 文科省素案判明 デジタル先進国の「紙回帰」や子どもの読解力懸念も背景【Nスタ解説】

国内
2026-10-21 18:37

2030年度以降、学校で正式に導入される「デジタル教科書」についてです。文部科学省は、「紙」の教科書を中心とし、デジタルは補助的な扱いに位置づける大臣指針の素案をまとめたことが分かりました。


【写真で見る】 小4以下の完全デジタル化認めず 保護者たちの意見は?


2030年度以降 教科書「紙中心」に? 文科省が素案まとめる

パソコンやタブレットで学習する「デジタル教科書」。


2026年6月、これを正式な教科書とする改正学校教育法などが成立し、2030年度以降の教科書は、▼紙の教科書、▼デジタル教科書、▼紙とデジタルが内容を補い合う「ハイブリッド型」の3種類となります。


新たな教科書について、文科省は全ての学年と教科で「ハイブリッド型」を基本とし、小学5年以上は「主に紙」、小学4年以下はデジタルの使用をより限定的にした「おおむね紙」で構成する大臣指針の素案をまとめたことが分かりました。


また、紙を使わない「完全デジタル」の教科書は、小学4年以下では認めず、小学5年以上も、英語や音楽、美術といった実技系の教科などに限定するということです。


「紙」を中心とすることについて、保護者は…


分かれる“紙派”と“デジタル派” 「上手く融合し良いとこ取りで」との声も

30代 子ども3歳・1歳半
「紙の方がいいかなと思います。デジタルでパッパパッパ押すだけだと、自分で書かないから字も覚えられない」


小学3年生
「フェスティバルの練習で、ダンスとか(動画で)送ったり、提出したりする」
40代保護者
「ちょっと目が悪くなってきているので、あまりデジタル中心だとその辺が心配」


30代 子ども1歳
「紙だとやっぱり重たいし、結構私はタブレットもありかなと思う。上手く融合して、良いとこ取りでやっていけたら良いのかな」


30代 子ども中1・小5・小3・3歳・0歳 
「あまり全否定はしてないけど、ちゃんと調査を進めて子供たちに本当に良い結果が起こるなら続けてほしい。そこの研究を怠らないでほしい」


文科省は、22日に開かれる有識者会議でこの素案を示す方針です。


“デジタル先進国”では「紙の教科書」に回帰 その理由は?

井上貴博キャスター:
正解がない話ではありますが、日本は各国に比べて少し遅れていたと言われています。


デジタル教科書のこれまでの経緯は次の通りです。


【デジタル教科書 これまでの経緯】
▼2019年4月    デジタル教科書が制度化
▼2021年4月    デジタル教科書の利用制限の撤廃
▼2024年度     全国の小中学校に段階的に導入
▼2026年10月22日 文科省 2030年以降の「素案」示す方針


世界各国を見てみると、SNSの利用制限を年齢で区切るなど、様々な対策が取られています。


年齢によっては、ネットが脳に与える負の影響があると言われています。一方で、デジタル教科書はかさばらないため利便性が高いといったプラスの面もあります。


慶應義塾大学教授 教育経済学者 中室牧子さん:
最近皆さんが心配されているのは、デジタル先進国と言われているスウェーデンやデンマークで、紙の教科書に回帰する動きがあるという話なのではないかと思います。


このような動きをし始めた一番の大きな理由として、特に読解において、長文でまとまった文章を読んで理解を深めるには紙の方がいいのではないかという最新の研究が多くなってきていることが挙げられると思います。


より最近では、スクロール機能がないデジタル教科書は、紙とほとんど効果が変わらないという研究もあります。


〈スウェーデン〉※ジェトロ調べ
▼2022年 デジタル化推進見直し
 政府 読み書き・計算能力など基本的スキルはアナログ活動を通じて最も習得できる


〈フィンランド・リーヒマキ市〉※文科省調べ
▼~2023年 小学6年~中学3年生に1人1台パソコン配布
 デジタル教科書など広く使用


▼2024年 紙の教科書に切り替え(一部の教科)
 政府 「デジタル」と「紙」の良さを生かす方針


井上キャスター:
スクロールしないデジタル教科書は作れるのでしょうか?


慶應義塾大学教授 教育経済学者 中室牧子さん:
難しいとは思います。
スクロールできる、ハイパーリンクがある、通知が出てくる、画面を切り替えられるといったデジタルのいい機能は、私たちの気を散らせる側面があります。


ですが、気を散らせる機能がついてない場合は、紙とほとんど同じなのではないかという研究もあります。


よって、私は紙とデジタルの「良いとこ取り」ができることが大事だと考えます。北欧諸国も紙に戻すという話ではなく、何をデジタルにして、何を紙にするかという選別を始めている段階なのではないでしょうか。


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<プロフィール>
中室牧子さん
慶應義塾大学教授
教育経済学者
著書「科学的根拠で子育て」


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