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データ分析で強豪校に挑む!東大野球部アナリストの挑戦 6年連続勝利“急成長”のウラに「自作の秘密兵器」【news23】

国内
2026-11-07 19:41

通算1776敗、勝率わずか1割3分。東京六大学野球で154回、最下位に沈んだ東大野球部はいま、6年連続で勝ち星を上げるなど急成長を遂げています。その秘策に迫ります。


【写真で見る】東大野球部アナリストによる「打球方向データ」 10年前の手書きのものと比較


チームを支える“19の頭脳” 東大野球部アナリストの挑戦

東京・文京区にある東大野球部のグラウンドに響く謎の数字。その意味は…


東大野球部 4年 中井一心さん
「ヒットになりやすさの指標です。打球のスピードと飛んで行った角度を計測しています」


経済学部4年生の中井一心さん。選手やマネージャーではなく、データ分析を専門としたアナリストです。


東大野球部には19人のアナリストが在籍しており、学生野球屈指の大所帯でチームを支えています。


東大野球部 4年 中井一心アナリスト
「高校では野球やっていたんですけれど、一言で言うと下手だったんですよ。ただ野球がすごく好きだったというのと、数理を何かに使うということにすごく興味があって。大学全体としてお勉強ができる人間が多いので、お勉強を生かせる部分。例えば機械学習、AIみたいなものを使った作業だったり、積極的に取り入れているというのは強みかなと思ってます」


練習では、打球の速度やスイングの癖など様々なデータを収集・分析し、選手にフィードバックしています。


4年 農学部 明石健 選手
「俺のどれ?結構(良い数字が)出てる。感覚は良くないけど(良い数字が)出てる。データがあると、『感覚よりも良いスイングだったな』と思って、『(スイングを)変えなくてもいいんだ』という感覚が得られる」


選手もデータを積極的に活用し、パフォーマンスの向上につなげています。


――やりがいは?


東大野球部 4年 中井アナリスト
「自分が絶対に出られないような神宮という舞台で、チームの勝利に携われることだと思います」


日本一「福岡ソフトバンクホークス」も認めるデータ分析

スポーツ推薦のない東大が挑む舞台は、全国の野球強豪校から選手が集まる東京六大学野球。


100年の歴史で唯一優勝経験がない東大。2015年にはリーグワーストの94連敗も。


私、喜入友浩はその連敗の最中に入部しましたが、2014年当時アナリストはいませんでした。努力しても超えられない実力の壁。4年間1度も勝てずに卒業したOBもいました。


突破口となったのがデータ分析です。


2020年、東大野球部のアナリスト部門を立ち上げた齋藤周さん(26)は、データの力をこう語ります。


初代アナリスト 齋藤周さん
「神宮の舞台で結果を出すというところにあたって、少し最後のひと押しをしてあげられるような、そんな存在なのかなとは思ってはいます」


実力の差をデータで埋める。アナリスト部門が発足してからは、毎年勝ち星をあげるようになりました。


齋藤さんの功績はプロにも認められ、卒業後は福岡ソフトバンクホークスのアナリストとなり、日本一に輝いた球団で最前線に携わっています。


――東大のアナリストのレベルはどれくらいですか?


初代アナリスト 齋藤周さん
「正直プロの球団と比べても、部門によっては引けを取らないぐらいのことをやっていると思うので、むしろこちらも勉強したいなと思っているぐらいのところです」


“自作の秘密装置”で分析・特訓も

プロも認める東大のデータ分析。


東大野球部一誠寮で中井アナリストが作業していたのは、相手のデータを読み込ませ、ボールがどこに飛んでくるのか独自のAIで予測するというもの。


東大野球部 4年 中井アナリスト
「緑がうちが過去にとった守備位置」


――東大はどこに守らせますか?


東大野球部 4年 中井アナリスト
「この点一つ一つが最適のポジショニングだと我々が思っているものになっています」


ただ、実際にどこを守るかは選手とミーティングをして決めています。


こうした分析は私(喜入キャスター)が現役のころもありましたが、手書きで人海戦術でした。正直、どこを守っていいか分からない時もありました。


さらに、選手がVRゴーグルを身につけ、素振りのような動きをしている様子も。


――何を映している?


3年 法学部 秋元諒 二塁手
「神宮球場を背景にして、ピッチャーと対戦するみたいな感じです」


このVRも東大のアナリストが自ら開発したオリジナルで、相手ピッチャーの球筋を体感できるといいます。


3年 法学部 秋元二塁手
「ピッチャーのタイミングであったり、投球フォームであったり、あとは変化球どんな感じで曲がるのかとか」


喜入キャスターが実際に体験してみると…


喜入キャスター
「目の前が神宮球場になりました。スタンドがあり、相手選手も守っていて、電光掲示板も本物さながらです」


中井アナリストは、東大野球部にとってこのVRは「秘密の打撃練習装置」と話していました。


選手も信頼「結果で恩返しを…」 迎えた今シーズン最終カード

迎えた今シーズン最終カード、法政大学戦で守備につく東大。独自のAI分析をもとに、状況に応じて守備位置を変えていきます。


すると、分析通り打球はセカンドの正面へ。


3年 法学部 秋元二塁手
「しっかり落ち着いて処理できたのがよかったです。打者の傾向は間違いなく分析されているので、信頼していつも守備はしています」


3回、守っていた方向にボールが飛んできますが、頭の上を越え先制されます。その後は堅実な守備を積み重ね、ノーエラーでそれ以上の失点は許しません。


最終回、打席に向かうのは4年生の明石選手。


4年 農学部 明石選手
「VRをどれだけ用意してくれてもプレーするのは僕たちなので、どうにかして活かして、結果で彼らに恩返ししたい」


打球はライトへ。9回2アウトでした。


続いて、3年生の秋元選手。


3年 法学部 秋元二塁手
「VRとかで今朝も見てきたんですけど、分析できて頭も整理がついているので、ひるむことなく向かっていける」


レフト前ヒット。


3年 法学部 秋元二塁手
「何とかヒットになってくれって感じで打ちました」


しかし、追い上げ及ばず敗戦。最終カード法大戦は1回戦0-3、2回戦0-15となり、この秋は勝ち星を上げることができませんでした。


データ分析は「下駄」 データ全盛期で相乗効果も

データ分析にかけた中井さんの4年間が終わりました。


東大野球部 4年 中井アナリスト
「何もかもがはまってくれなかったという印象の方が強いですかね。プログラミングで色々ガリガリ計算してるだけじゃダメだなと。分析する側が野球自体にもっと詳しくなって、数理と現場のレベルの差分を埋めることが必要だったんじゃないかな」


悔しい経験も東大野球部にとって貴重なデータになりました。


上村彩子キャスター:
最難関の大学に合格した上で、六大学のような高いレベルで野球をするということはすごいことだと思います。


喜入キャスター:
野球がモチベーションで勉強を頑張ったというところがあるかもしれません。


上村キャスター:
今はプロ野球でもメジャーリーグでも、他のスポーツでもデータ全盛の時代だと思います。他大学ではデータの分析やアナリストの方の活躍は広がってるのでしょうか。


喜入キャスター:
今はもうアマチュアスポーツ全般で広がっていて、その中で東大は特に大学をあげて強化しているということです。

アナリストの中井さんは、「データは下駄のようなもの」だと話していました。東大は現在少し高い下駄を履いている状態ですが、データ全盛の現代では、皆が高い下駄を履けるようになる。こういう中で強いのは、やはり地力があるチームや選手だということに選手も気づいているため、今は地力をつけなければと相乗効果が生まれているようです。リーグ戦後もバットを振っていました。2027年の春を楽しみにしたいと思います。


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