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備蓄米の放出でコメの価格どうなる?専門家「100~200円下がる可能性」農水大臣“頭の中の新たな方策”とは【Nスタ解説】

経済
2025-03-10 20:22

コメの価格高騰が続くなか、農水省は10日から放出する備蓄米の入札を開始しました。今後、コメの値段は本当に下がるのか。専門家からは、効果は限定的との指摘も出ています。


【写真を見る】備蓄米放出も…「消えた21万トン」はどこへ?


備蓄米放出 スーパーでどう売られる? 

齋藤慎太郎キャスター:
農水省は10日、備蓄米の放出に向けた入札を開始しました。青森産「まっしぐら」、宮城産「ひとめぼれ」など41銘柄15万トンが対象です。残り6万トンも早ければ3月中に入札が始まります。

今後、備蓄米はどのように動くのか、その流れはまず10日に備蓄米の入札が開始。そして来週中に集荷業者に引き渡され、早ければ3月中に店頭に並びます

どのように販売されるかというと、「〇〇米ブレンド」と表記されたり、原料のところに「原料:複数原料米」と記載されたりする可能性がありますが、“備蓄米”の具体的な表記の決まりはないそうです。


井上貴博キャスター:
政府の説明を聞いていると、そもそも政府が流通をつかめていないので、お米が「ない」のか「消えた」のかもわからない。しかも、流通システムや生産量が簡単に増やせないとなると、来年以降もこのような状況が繰り返し起きてしまうのでは、と不安を抱きます。


産婦人科医 宋美玄さん:
2024年夏にお米が手に入らないときは困りましたが、今後値段がどんどん上がり、この値段がずっと続くのか、という不安もあります。農水省のホームページを見ると毎年700万トン近くの米が流通する中で、21万トン消えただけで、こんなに値段が上がってしまう仕組みもよくわかりません。

ただ、備蓄米を放出することで、今まで隠し持ってた人が、この辺りで一旦手放してくれることに期待します。


良原安美キャスター:
スーパーに並ぶ備蓄米は、保管方法などはきちんとされているのでしょうか。

TBS報道局経済部 田中優衣 記者:
備蓄米は精米としてではなく、玄米として保管されています。また、備蓄米の倉庫も湿度など管理がしっかりされているので、見た目や味はさほど変わりはないのでは、と言われています。


今後のコメ価格は…“大臣の頭の中の方策”とは?

齋藤キャスター:
備蓄米放出を控える中で、非常に気になるのは価格だと思います。

24年12月からのスーパーでのコメの販売価格を見てみると、右肩上がりとなっており、備蓄米の放出が発表された後も価格は上昇しています。2月17日~23日の価格は5kgあたり3939円となっています。1年前の同じ時期は約2000円だったので、2倍弱値上がりしています。

また、10日に最新の価格が発表されますが、関係者はどういった見立てになっているのでしょうか。


田中記者:
大手業者などの関係者からは「5キロ4000円を超えるのではないか」との声もあり、下がる傾向はないとの見立てが多いです。

齋藤キャスター:
備蓄米放出後のコメ5kgの店頭販売価格がどう変動していくのか、専門家に今後を予想してもらいました。


日本総研の三輪泰史さんは「コメの価格の低下に一定程度は効果あり。3月末~4月上旬頃には、100円~200円程度安くなるのではないか」と話しています。

また、宇都宮大学の小川真如助教は「比較的安いブレンド米が店頭に並んだり、飲食店で“おかわり自由”も増加するのではないか。4月頃には、100円~200円程度安く購入できる可能性がある」と予想しています。

“上がりはしないが、大きな下がりもないのでは”、という見立てになっているようです。


また、江藤農水大臣は7日に「新たな方策を皆様の前で発表する機会があるかもしれません。きょうの段階ではまだ私の頭の中にあるとご理解いただければと思います」と話しています。

大臣の“新たなカード”とは、何なのでしょうか。


田中記者:
関係者の周辺を取材していますが、役所内では「具体的にはわからない」という声が多いです。21万トン放出しても、追加で放出するかもしれない。大臣も「新たな方策を考えている」と表明しており、現場ではギリギリのところまで来ているのでは、と感じています。


井上キャスター:
これまでの政府の説明は予想が外れているので、信用ならないと感じます。約100円~200円ぐらいしか下がらないのであれば、もっと思い切ってできないのか。備蓄米を管理している倉庫が東北に集中していると、放出の地域差が出るんじゃないかなど懸念を感じます。

宋美玄さん:
備蓄米を全部放出するというのは、災害の観点から難しいと思います。流通の停滞などに対して、政府が口出せるところは少ないのではないかと感じます。

100円~200円しか下がらないんだったら、値段が上がる前に買った方がいいのかなと思ってしまいます。


田中記者:
大手業者の人たちは、そもそも米が足りていないと指摘しています。

井上キャスター:
政府としては、21万トンの放出である落としどころをつけたことになります。追加放出も考えていると言われてますが、政府はどのように考えているのでしょうか。

田中記者:
仮に放出して流通の円滑が進まない場合、さらに追加すると言っています。それでも価格が下がらない、市場に影響出てこなかった場合は追加するという形です。

井上キャスター:
放出しすぎても市場の原理が崩れてしまうので、今後の推移を見守ることになりそうです。


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<プロフィール>
田中優衣 記者
TBS報道局経済部
農水省担当 食品・飲料業界なども取材

宋美玄さん
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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