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被災地・能登では戸惑いの声も…自民・石破茂新総裁 総理就任前に「10月27日解散総選挙」表明 言及していた解散前の予算委員会開催は?“変節”に野党が一斉批判【news23】

総合
2024-10-01 14:55

総裁選で戦ったライバルたちに役職を断られるなど、厳しい船出となった自民党の石破新総裁。10月に総選挙を行うことを表明しましたが、被災地の能登から“選挙どころではない”と戸惑いの声も上がっています。


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石破新総裁 不仲とされる麻生氏や菅氏を起用

ご機嫌な様子の麻生前副総裁ですが、20分前はこんな表情。不仲とされる石破新総裁のもと、新たな役職に就きました。


自民党 石破茂 総裁
「新たに最高顧問を創設し、麻生太郎君をお迎えしたいと存じます」


自民党 麻生太郎 最高顧問
「自民党は必ず安定した政権を獲得すべく、きちんとした議席をとりうるよう全力をあげて邁進させていただきます」

9月30日、新たに発足した自民党執行部。選挙対策委員長に、総裁選で3位だった小泉進次郎元環境大臣。副総裁に、総理経験のある菅義偉氏を起用しました。


自民党 菅義偉 副総裁
「副総裁に拝命を受けました菅義偉であります。迫っている衆議院選挙。新しい自民党として石破総裁のもとに取り組みをさせていただきます」

会合終了後、互いに一礼した石破氏と麻生氏ですが…

カメラマン
「グータッチで!」

石破茂 総裁
「グータッチ?最近そうなのか?」

写真撮影の場に麻生最高顧問の姿はありませんでした。石破氏は総裁選で戦った高市氏に総務会長、小林鷹之氏に広報本部長の打診をしましたが、断られたそうです。


石破氏「10月27日総選挙」の波紋

その後の新役員による会見。始まる直前、こんなやり取りも…


石破茂 総裁
「喋ったらいなくなります」

森山裕 幹事長
「ああ わかりました」


石破茂 総裁
「国会の首班指名で内閣総理大臣に選出されれば、直ちに組閣を行い、政権を発足させたい。新政権はできる限り早期に、国民の審判を受けることが重要であると考えており、諸条件が整えば10月27日に解散総選挙を行いたい」

衆議院を早期に解散し、10月27日に投開票を行いたいと表明した石破総裁。まだ自民党の総裁に選ばれただけで、総理大臣は岸田氏のままです。

記者
「解散権を持つ総理に就任する前だが、適切とお考えでしょうか?」

石破茂 総裁
「いま内閣総理大臣でないものがこのようなことを行うのは、かなり異例なことであると承知しております。これが不適切なものだと考えているわけではございません」

早期の解散について、石破氏は8月、こう訴えていました。

石破茂 総裁
「全閣僚出席型の予算委員会をひととおりやって、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが、国民の皆さま方に示せた段階で、可能な限り早く信は問いたい、問うべき」

記者
「野党側は、予算委員会で議論をしてから解散するべきであると反発をしています」

石破茂 総裁
「質疑というものはきちんと行う。その開催については国会の判断に従いたい」

総裁選で「ルールを守る」と訴えてきた石破氏。野党は一斉に批判します。


立憲民主党 野田佳彦 代表
「まさか論戦から逃げるとは思いませんでしたね。党内力学的にいろんなことがあるのかなとは思いますが、でもそれは理解できません」


国民民主党 玉木雄一郎 代表
「自身で言っていたことと早速、齟齬が生じているのではないかと言わざるを得ない」


日本維新の会 藤田文武 幹事長
「無理やりな解散には否定的な立場をこれまでも取られてきた。筋を通す人間ではなかったのかと疑問に思う」


共産党 田村智子 委員長
「党利党略のためには何でもやるってことですね。非常に危険な新体制・新政権になるだろうと指摘しなければならない」


1か月足らずで総選挙に…能登の被災地は

役員人事に早期解散。厳しい船出となった石破新体制。地震と豪雨の被害に苦しむ能登半島の被災者からは、選挙どころではないという声が。

「自分の家は床上(浸水)で『り災証明はまだその段階じゃない』と言われている。とにかく仮設に入れたらいいかなということ」

記者
「解散総選挙が10月の27日にありそうなのですが?」

「役所の人が大変ですよね。私らより選挙を運営する人たちが大変だと思いますけどね。その辺も手伝ってもらえればいいですけどね」


「地震で(家が)火災焼失地域でようやく仮設入って、そこまで頭回らんで。興味ないとは言いませんけど、日々のことに精一杯で」


「能登は誰が(総理に)なろうが立ち直る見込み無し。どう生活していくか。人がおらんようになって何もかもがだめ」


「10.27総選挙」表明の“ホンネ”

小川彩佳キャスター:
総裁選で語られた能登への言葉が選挙のためではないということを証明していただきたいと思うのですけれどもね。
石破さんは総裁選の最中にも予算委員会を開いた上で信を問うべきとしていたので、私も週末にXで速報に触れて、一瞬フェイクニュースかと思いました。なぜ早期の解散という考えを表明したのでしょうか?


星浩さん:
この間の経緯の中でのキーパーソンは森山幹事長ですね。新政権ができたんだから早く信を問うべきだという筋論もありますし、外務省からは外交日程が10月、11月目白押しであるため早く新総裁・新総理を決めてほしいというのもあります。また、財務省から予算編成がありますから、なるべく早く選挙を終えて新政権で予算編成にかかりたいという表向きの議論はありました。

一方で、本音はやはり、国会論戦、予算委員会で各閣僚が次々と追及されるとボロが出てしまい、選挙でかなり苦戦を強いられるという判断が森山さんと石破さんにもあって、実は総裁選挙の最終版の段階で既に森山さんは石破さんにそれを提言し、石破さんはそれを受け入れていたという経緯があるんです。

小川彩佳キャスター:
選挙に勝たなければやりたいことができないというところはあるのだとは思いますが、どうご覧になりますか?


キニマンス塚本ニキさん:
やはり立場上、その組織のトップとして、個人的に石破さんがきちんと予算委員会をするべきだと思っていたかもしれないにしても、組織のトップとして立場を変えなきゃいけなかったかもしれない。でも国民側からすると、前言撤回して良いのか、これからルールを守る政党にしなければと言ってる割には言葉を守らないんじゃないかというところに、我々はどこまで信頼を置いていいのかという疑問があります。

星浩さん:
石破さんからすると、前言を撤回したマイナスと、早く選挙をしてこの選挙をしのぐというプラスを考えた結果の早期解散なのでしょう。しかし、石破さんは正論を吐いて人気を博してきた人ですから、ここで原理原則を曲げる人なのかということになってしまうとマイナスは大きいと思います。

小川彩佳キャスター:
そして早速、野党も反発していますね。

星浩さん:
そうですね。野党も「これは前言撤回じゃないか」と言いますが、ただ解散自体は総理大臣の専権事項ですので、解散が決まった以上は、野党はその党首討論などで追及をしていく、そして選挙に向けてきちんとした政策を打ち出していくという方向に展開をしていくことがむしろ大事になってくると思います。


石破新体制 人事の狙いは

藤森祥平キャスター:
10月1日の臨時国会で正式に石破さんが総理大臣に指名され、そして新内閣が発足します。このような顔ぶれになるのではないかとみられている中で、組閣人事について総務大臣に起用される見通しの村上誠一郎さん。村上さんは2022年に、安倍元総理について「国賊」と発言したとされていて、党の役職停止1年の処分を受けていました。入閣させた石破さんの狙いはどこにありますか?

星浩さん:
村上さんはアベノミクスに対する批判を含め、今の自民党の国会議員の中でおそらく最も安倍さんに対する批判を強くしてきた人ですので、村上さんの起用は「脱安倍路線」をはっきりさせるという政治的な意思の表れだと思います。

それに対してはおそらく菅副総裁も森山幹事長もOKということですので、これは意思をはっきりしたという一方で、高市さんたちの反発は必至ですので、これは党内対立の目になる可能性はありますね。

藤森祥平キャスター:
この安倍派といえば、今度は党役員人事を見ていきますと、例えば選挙対策委員長になった小泉進次郎さん。これは、いわゆる多くの安倍派議員が所属していた裏金疑惑議員、次の選挙で公認するかどうか、厳しい措置を取るために彼を置いたのか、どう見れば良いですか?

星浩さん:
これは9日に解散が予定されますので、そこまでにいわゆる裏金議員の公認・非公認を決めなくてはならないわけですね。おそらく、全て公認するというわけにはいきませんので、何人か非公認にする、基準は何かということを、この間にかなり早いスピードで決めなくてはいけませんから、まさに進次郎さんにとっては最初のハードルになってくると思います。

藤森祥平キャスター:
どこまで厳しく対応するのか、できるのか。

キニマンス塚本ニキさん:
一般の国民のほとんどが、直接総裁を決めたわけではないので、やはりその温度としては生ぬるさをどうしても感じてしまいますが、総選挙までの1か月間、立場や言葉を変えないように、見張っていかなきゃいけないなと感じます。

小川彩佳キャスター:
総選挙はあっという間にやってきますからね。


石破新総裁の方針について「みんなの声」は

NEWS DIGアプリでは『石破 新総裁の方針』について「みんなの声」を募集しました。

Q.10月27日に解散総選挙 どう思う?
「妥当」…16.7%
「代表質問・党首討論後にすべき」…23.8%
「代表質問・予算委員会後にすべき」…45.9%
「解散すべきでない」…9.0%
「その他・わからない」…4.6%


※9月30日午後11時08分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
※動画内で紹介したアンケートは1日午前8時で終了しました
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年

キニマンス塚本ニキさん
英語通訳・翻訳者
ラジオパーソナリティ
9~23歳までニュージーランドで過ごす


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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