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中国・ロシアで新覇権争い 舞台は中央アジア最大の国カザフスタン 中国が「ロシアの裏庭」に“熱視線”を送る理由とは?【news23】

総合
2024-10-25 14:16

かつて、旧ソ連の一員だった中央アジアの国々。「ロシアの裏庭」と呼ばれた場所で、いま中国が台頭しています。中国と中央アジア最大の国、カザフスタンの国境に行ってみると、その変化が見えてきました。


【画像で見る】中国とカザフスタン国境の街・ホルゴス 街の様子は


中国・カザフスタン国境で「貿易特区」

ここは中国とカザフスタンの国境の街・ホルゴス。


記者
「こちらがカザフスタン・こちらが中国という国境に来ているのですが、この一帯は『自由貿易特区』になっているんです」


中国人、カザフスタン人双方がビザなしで入れる「自由貿易特区」。ここでは中国、カザフスタン、どちらの通貨も使えます。今年は既に500万人が訪れるなど、今の両国関係を象徴するような場所です。


記者
「こちらにはカザフスタンのチョコレート、ハチミツもたくさん売られています」


中国人観光客
「カザフスタンの製品はよくできているよ。ハチミツは特に良いね」


大鍋で作られているのは羊肉の炊き込みご飯。買い物の他、カザフスタン料理も楽しめるなど、海外旅行気分が手軽に味わえるとあって多くの中国人観光客が訪れていました。


一方、カザフスタン人は…


カザフスタン人観光客
「化粧品や衣類などいろんなものを買ったわ。ここは安いし、品質がいいのよ」


中国製の日用品を買い求める人が多いようです。


中国人店主
「観光客も前より増えた。カザフスタンの経済は成長し続けているし、購買力もどんどん上がっている


Q.中国とカザフスタンの関係はどう?


中国人店主
「関係は良いよ。この貿易特区で、一緒に経済を発展させようとしているから」


この「自由貿易特区」は2012年にスタート。習近平国家主席が主導し、開発を推し進めてきました。今も新しい建物が次々と建てられるなど、発展を続けていて、中国とカザフスタンの関係強化の象徴ともいえる存在です。


「自由貿易特区」を運営するカザフスタン側の社長は…


ホルゴス国際国境協力センター社長
「これはカザフスタンと中国のビジネス関係の始まりです。この自由貿易特区がまさにその原点なのです」


また、この場所にこそ意味があると力説します。


ホルゴス国際国境協力センター社長
「ここを経由して、中国とヨーロッパはつながっているのです」


カザフスタン「一帯一路」の重要拠点

中国がカザフスタンとの関係を重視する理由は、中国にとってカザフスタンがヨーロッパに繋がる要衝だからです。


記者
「長い列車、ものすごい長い列車です。たくさんの貨物を積んでいます」


中国が推し進める巨大経済圏構想「一帯一路」。その中核と位置づけられているのが中国とヨーロッパ25か国を鉄道で結ぶ中央班列です。船便の3分の1の日数で貨物が運べるという利便性から、運行数は10年前に比べて20倍以上に増加。特にホルゴスは中央班列の3つのルートのうち最大の運行数を誇るルートの重要拠点なのです。


中国が「ロシアの裏庭」に“熱視線”

旧ソ連の一員だったカザフスタンを初めとする中央アジアの国々。元々ロシアの影響力が強く、「ロシアの裏庭」と呼ばれていました。しかし、2022年にロシアがウクライナに侵攻して以降、ロシアの経済的な影響力が低下。その隙を突くように存在感を増しているのが中国です。


習近平 国家主席
「私たちは手を携えて共に条件を勝ち取り、より緊密な中国・中央アジア運命共同体を構築することを決心した」


去年、中国は初めて開催した中央アジアサミットで中央アジアに対し、約5000億円の融資と無償援助を行うことを表明。着々と関係強化を図ってきました。


地理的な重要性に加え、中央アジアの国々が持つ天然ガス、石油など豊富な資源も中国にとって魅力です。


カザフスタン人観光客
「中国は、カザフスタンから天然ガスや石油などの資源を買って、カザフスタンは中国から穀物を買っています。両国は経済や貿易面でとても良い関係です」


そして去年、カザフスタンの最大の貿易相手国は、ついに中国がロシアに取って代わりました。ウクライナ侵攻以降、関係を強化しているロシアと中国。一方、「ロシアの裏庭」で高まる中国の存在感。一筋縄ではいかない中国とロシアの駆け引きが続いています。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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