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「何がなんでも小選挙区で勝ち抜きたい」自民党の大物議員に挑むこと5回…悲願の小選挙区当選を果たした立憲民主党の若手議員が勝利をつかむまで【衆議院選挙2024・栃木4区】

総合
2024-10-28 19:04

10月27日に投開票日を迎えた衆議院選挙。栃木県は前回の衆院選で5つの小選挙区のうち、4つの選挙区で自民党が勝利した“保守王国”だ。ところが今回は、2区の立憲・福田昭夫氏に加えて、4区でも立憲の若手・藤岡隆雄氏が自民党の佐藤勉氏を制した。佐藤氏に5度挑んでつかんだ当選。「この厳しい戦い、小選挙区で押し上げていただきたい! 」小選挙区での当選にこだわった藤岡氏が勝利をつかむまでの、短いながらに白熱した選挙戦を追った。


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栃木4区 選挙戦の構図は?

栃木4区に立候補したのは、自民党・佐藤勉氏、立憲民主党・藤岡隆雄氏、共産党・川上均氏の3人だ。
自民・佐藤氏はこれまで、栃木4区で9回当選。党総務会長や総務大臣などを歴任してきた。一時は不出馬も報じられたが、「後継が見つからなかった」として再挑戦を表明した。


一方、立憲・藤岡氏は、金融庁元職員の47歳。佐藤氏に挑むのは今回で5回目だ。前回の衆院選では、佐藤氏との一騎打ちで5000票弱及ばず、比例復活で初当選。それゆえ、今回は小選挙区当選への思いは強い。藤岡氏を支援する県議は「比例復活で当選した人と、小選挙区で勝った人だとやっぱり見る目が違う。小選挙区で頑張りたい」と語った。


当初は二人の一騎打ちかと思われたが、共産・川上氏が出馬を表明。野党が分裂する形になり、藤岡陣営は「厳しい戦いになる」と険しい顔をみせた。


47歳の藤岡氏「若い力が必要」 72歳の佐藤氏「私が中心となって政治改革を」

 藤岡氏は街頭での演説を重視し、各地へ転戦。ある日の下野市での演説では「政権交代こそ、最大の政治改革。若い力が必要だ」と強く訴え、有権者と目を合わせ握手をして回った。そのうちの一人は「世代交代しないと。若い世代の考え方にならないとダメ 」と話した。


一方の佐藤氏は、小山市で行われた演説の中で「私が中心となって政治改革をしたい。疑念をもたれるようなことのない政治資金のあり方を作っていく」と訴えた。演説を聞いていた人は「小山は栃木の第二の都市だからね。自民党じゃないと」と力説する。


強固な地盤がある佐藤氏への「挑戦者」としての立場を崩さない藤岡氏であったが、連日報じられる各社の情勢調査では「藤岡氏がややリード」「佐藤氏が猛追」といった記述が目立った。


ところが、藤岡陣営に話を聞くと意外にも笑顔は少ない。というのも「前回の衆院選でも『藤岡リード』と書かれていたが、結局佐藤さんに負けてしまった」という苦い記憶があるからだという。前回の“ぬか喜び”が刷り込まれているため、「最後まで油断しない」と陣営関係者は口をそろえた。


一方、佐藤氏の後援会幹部は「後援会に入っている人たちが高齢化で抜けて、若い人が入ってこない」と選挙活動がなかなかスムーズに進まない現状を吐露。「“比例で復活してもらうのが最後の願い”と言う人が徐々に増えている」と声を曇らせた。


藤岡陣営「2000万円問題が追い風に」

開票の結果、藤岡氏は佐藤氏に2万票以上の差をつけ当選した。大票田の小山市で佐藤氏に大差をつけたうえ、真岡市でも約4ポイントの差をつけた。共産党候補の出馬で、野党票が割れることが懸念されたが、得票率は53.4%と、前回の48.9%と比較しても支持を伸ばしたことがわかる。


【開票結果】
立憲・藤岡氏 9万6573票
自民・佐藤氏 7万5260票
共産・川上氏 8985票


藤岡陣営の幹部は「本人の頑張りと“風”じゃないですか。2000万円問題が追い風になった」と勝因を分析した。


JNNが行った投票当日の出口調査によると、藤岡氏は立憲民主党支持層を固めたうえ、無党派層、そして自民党支持層の一部からも票を得ている。政治とカネ問題で、自民党への批判票の受け皿となった面もあるようだ。


藤岡陣営の幹部は「本人はすごく謙虚。万歳三唱の掛け声で、みんなに頭を下げていた。あんな男はいないです」と期待を語る。ただ、野党への追い風がいつも吹くわけではない。強い保守層のある地元にどこまで根付くことが出来るか、国会などでの今後の活動が問われる。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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