カンボジアを拠点に特殊詐欺で10億円をだまし取ったとみられる男4人が逮捕されました。グループは「闇バイト」で集められていましたが、劣悪な環境で事件に加担させられる実態が見えてきました。
フィリピンにあるビクタン収容所。いわゆる「ルフィ事件」では、この場所から強盗などの指示が出されていたということですが、別の事件でもきょう、動きが…。
マスクにサングラスをかけて顔を隠す男たち。きょう、埼玉県警に詐欺の疑いで逮捕された、清原淳容疑者(30)ら男4人です。
収容所を出る前に撮影された写真では、拘束されながらも両手でピースサイン。この4人は、カンボジアの首都プノンペンで特殊詐欺をした疑いがもたれていて、今年7月にフィリピンで拘束。きょう、マニラにある空港から日本に向けて移送されました。
記者
「カンボジアを拠点に特殊詐欺をしていたとみられる4人が成田空港に到着しました」
警察によりますと、今回逮捕された4人は特殊詐欺の電話をする「かけ子」。4人がいたグループは、高齢者を中心におよそ10億円をだまし取ったとみられ、去年、グループの29人が逮捕・起訴されていました。
その際、アジトからは紙の一部が水に溶けた状態で見つかりました。被害者の連絡先などは水で溶ける紙に書かれていて、グループが証拠隠滅をはかったとみられます。
かけ子たちは「闇バイト」で集められたとみられますが、劣悪な環境で事件に加担させるグループの実態が供述などから分かってきました。
特殊詐欺グループの1人
「『リゾート地で高収入』の広告に応募した。パスポートを取り上げられ、拠点のアパートに連行された」
グループのメンバーたちは、リゾートとは程遠いカンボジアのアパートに集められ、特殊詐欺の電話をかけ続けるよう指示されたということです。
特殊詐欺グループの1人
「休みは月1回で、外出も許されなかった」
拠点では誰かが逃げないよう、男などが監視や脅迫をしていて、メンバーのパスポートもまとめて管理されていたということです。
寝泊まりは窮屈な2人部屋。食事はデリバリーの弁当が支給され、ウォーターサーバーが設置されていましたが…。
特殊詐欺グループの1人
「食事はまずいし、ウォーターサーバーの水は臭かった」
軟禁状態のような生活に、去年逮捕されたメンバーの1人はこう話しています。
特殊詐欺グループの1人
「逮捕されたことは嫌だったが、正直ほっとしている」
今回逮捕された4人は去年の摘発前に逃走していて、清原容疑者は拠点の責任者とみられています。グループをめぐっては、リーダー格の男3人がいまも逃げていて、警察が引き続き行方を追っています。
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