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ジェームズ・ガン監督が語る“怪獣愛”と新生『スーパーマン』【インタビュー】

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2025-07-13 18:00
ジェームズ・ガン監督が語る“怪獣愛”と新生『スーパーマン』【インタビュー】
映画『スーパーマン』メイキング写真(左から)ジェームズ・ガン監督、スーパーマン役のデイビッド・コレンスウェット (C) & TM DC (C)2025 WBEI
 DCコミックスの看板ヒーローを新たに描いた映画『スーパーマン』が公開された。子ども心を思い出させるようなワクワク感、ユーモアとテンポの良さ、そして深い人間ドラマをあわせ持つ本作。その背景には、日本映画へのリスペクトと、監督自身の深い“怪獣愛”が息づいている。

【動画】スーパーマン VS 巨大なカイジュウの激戦(本編映像)

■スーパーマンの魅力

 「製作のピ―ター・サフランとやりたい企画を話し合ったとき、そのひとつがスーパーマンだったんです。だからDCのトップに就任する何ヶ月も前から、スーパーマンの構想を練り始めていました。そしてピ―ターと一緒にDCスタジオの共同会長兼CEOに就任したとき、最初のスーパーヒーローであるスーパーマンから新しいユニバースを始めるのが一番ふさわしいと考えたんです」

 そう語ったジェームズ・ガン監督が、スーパーマンの魅力を改めて語る。

 「スーパーマンの好きなところは、ほとんどすべてのバージョンで変わらない、その「止められない」本質ですね。道徳的にも絶対に善を貫くところ。どんな状況でも正しいことをしようとするし、良い存在であり続けようとする。そこには、彼を育てた人間の両親、ジョナサンとマーサが教え込んだ価値観がしっかり根付いています。

 それに、ものすごく強力な敵に襲われても決してあきらめない、そういう不屈さも好きです。もちろん、強力な冷気を吹きかけたり(スーパーブレス)、目から強力な熱線を出せたり(ヒートビジョン)、スーパードッグ(クリプト)やスーパーいとこ(スーパーガール)がいたり、そういう魔法みたいな馬鹿げた要素も大好きなんです。心が純粋なキャラクターを中心に据えつつ、そういう楽しさもあるのが魅力だと思います」

■怪獣との戦いが描く「ヒーローの倫理観」

 本作でガン監督は、1978年公開のクリストファー・リーヴ版『スーパーマン』(リチャード・ドナー監督)や、『スーパーマンII』(リチャード・レスター監督)への敬意をにじませつつも、完全新作としてスーパーマン像を再構築している。

 「スーパーマンを“最強のヒーロー”として描くと同時に、敵を単なる脅威ではなく“怯えた存在”として見る彼の視点を描きたかった」とガン監督は語る。目指したのは、ヒーローの倫理観と人間性、そして怪獣映画的ダイナミズムを融合させた、新しいヒーロー映画の形だ。

 「『ゴジラ-1.0』はもちろん、ほかのゴジラ映画や『クローバーフィールド/HAKAISHA』など巨大モンスター映画もずっと前から大好きなんだ。子どもの頃に読んだスーパーマンのコミックスでも、彼がときどき巨大モンスターと戦っていて、そんなスーパーマン映画を作りたかった。映画のスクリーンでスーパーマンが巨大モンスターと戦うところを見たかったんだ」と、自身の原体験にも触れる。

 本作でもスーパーマンがメトロポリスで巨大な怪獣と戦うシーンを用意し、特撮映画へのオマージュを込めた演出を施したという。巨大怪獣との戦いは、ただ派手な映像を狙ったものではない。ガン監督は、その背景に「ヒーローの倫理観」を描く狙いを込めた。

 「怪獣との戦いは、さまざまなスーパーヒーローの倫理観の違いを描く手段だとも思いました。怪獣をただ殺すヒーローもいるけれど、スーパーマンは基本的に、行き場を失って怯えている巨大な動物だと見ている。そこが彼らしくて、面白いところなんだ」

 巨大怪獣との戦いは単なるスペクタクルではなく、スーパーマンというキャラクターの倫理観を際立たせる装置でもあるのだ。

■日本映画から受けた多大な影響

 ガン監督は、日本の怪獣映画のみならず、日本映画全般からも大きな影響を受けてきたと話す。

 「もちろんたくさんあります。『怪獣総進撃』や『ゴジラ-1.0』のような日本の巨大モンスター映画は大好きだし、それだけじゃない。特に好きなのは三池崇史監督の作品や、小津安二郎監督の作品。実は飼い犬の名前も“小津”から取ったんです」

 脚本執筆を始めたころに引き取った保護犬に「オズ」と名付け、本作に登場するクリプトのキャラクターの着想源になったことも明かしている。

 「日本映画は、アメリカ映画にはない形でポップカルチャー的要素をうまくジャンル映画に取り入れていると思います。僕はアメリカ映画よりもむしろ東アジア映画からの影響が大きい。日本、香港、韓国、主にそこからインスピレーションを得ています」と、話していた。

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