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高橋文哉、アニメ映画初主演の手応え 天海祐希と『クスノキの番人』アフレコ現場を振り返る

エンタメ
2026-01-31 09:30
高橋文哉、アニメ映画初主演の手応え 天海祐希と『クスノキの番人』アフレコ現場を振り返る
アニメーション映画『クスノキの番人』主人公・直井玲斗役の高橋文哉、物語の鍵を握る伯母・柳澤千舟役の天海祐希(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.
 東野圭吾の小説を初のアニメーション映画として映像化した『クスノキの番人』(公開中)。「その木に祈れば、願いが叶う」と言われるクスノキと、それを中心に描かれる家族の愛を描いた珠玉の物語。主人公・直井玲斗役で長編アニメーション映画初主演を果たした高橋文哉と、物語の鍵を握る伯母・柳澤千舟を演じた天海祐希が取材に応じた。声だけで人物を立ち上げるアフレコの現場で、互いに受けた刺激や信頼、そして作品を通して得た気づきについて語り合った。

【動画】アニメ映画『クスノキの番人』予告編

■高橋文哉「ひとりの人間として玲斗に向き合った」

――高橋さんはアニメーション声優として初主演でしたが、収録を振り返っていかがですか?

【高橋】今回のお話をいただいた時は、やったことのないことに挑戦できるということで、ワクワク、ドキドキしたのと同時に不安もありました。その後、伊藤智彦監督とお話させていただいて、自分の中で覚悟を決めて収録に臨みました。結果的に、今作では伊藤監督に本当に救われました。

 収録の現場では、「そのままでいい」「ありのままでいてほしい」と繰り返し言っていただき、最初はその意味がきちんと理解できていませんでした。実は、以前、何に使われるかも分からないまま録音していた“素の声”の音声データを、伊藤監督が聞いてくださっていて。「この声で玲斗を描きたい」というイメージを、持ってくださっていたようなんです。収録が始まってからも、伊藤監督は僕にとって一番やりやすい形を一緒に考えてくださいました。

 だからこそ、僕も全力で応えたいと思いました。声優として“正解”を探すのではなく、ひとりの人間として玲斗に向き合おう、と。その姿勢が、玲斗の成長とも重なっていき、自分自身も一緒に成長している感覚がありました。毎日、昨日より今日の方が楽しくなっていって、最終日は、気づいたら終わっていた――そんな現場でした。

【天海】すごく上手だなと思いました。上手なんて言うのは失礼かもしれませんが、本当にお上手で。台本を読んでイメージしていた以上に玲斗にピッタリで、「あ、私も頑張らなきゃ」と思わされました。

――二人で一緒にアフレコに臨まれたシーンもあったそうですね。

【高橋】初めてお会いするのでとても緊張していましたし、実際に千舟さんをまとった天海さんと向き合ったとき、玲斗と同じような緊張感を感じました。自分は自分で、ちゃんとできることをやろう、何かしら成長した姿を見ていただけるように、という気持ちになっていき、それも玲斗が感じていたものと、すごく近かった気がします。

【天海】それは千舟も同じでしたね。玲斗と出会ってから彼女も変わっていく。いろいろなものを身にまとってガチガチに硬くなっていた彼女が“重たいコートを脱いでいく”ような変化を、声のグラデーションで表現できたらいいなと思って演じました。

■天海祐希「毎回新しい発見がある」声の仕事に意欲

――声だけで演じる経験は、ご自身にとってどんな実りがありましたか?

【天海】声のお仕事をやらせていただくたびに、本当に奥が深い仕事だなと感じます。日頃から、声だけでもきちんと思いが伝わるように演じたいという気持ちはあるのですが、実写ではどうしても表情や体の動きに助けられている部分がある。でも声の仕事では、その“助け”が一切ない。その難しさがあるからこそ、毎回新しい発見があるんです。アニメーションにはとても力のある絵があります。その力のある絵に、声だけでどう寄り添えるか。実年齢に縛られず、さまざまな役と向き合える点も含めて、とても魅力的な仕事だと思っています。

【高橋】声だけで感情や存在を伝えることの難しさを、改めて実感しました。同時に、息遣いやブレスひとつで何が伝えられるのかを考えるようになって。実写では意識しきれていなかった部分に目が向いたのは、大きな学びでした。

■自分の人生に重ねることができる物語

――原作を読んだときの印象を教えてください。

【天海】私は自然と、千舟さんとして読んでいました。大きな成功を収めながらも、後悔を抱えて生きてきた人。表向きは凛としていて、ちゃんとしていなければならないと自分を律してきた姿が、頼もしくもあり、切なくもありました。人生の終盤に差し掛かった彼女が見つけた希望が玲斗くんで、彼に何か遺していきたいと思った。弱みを見せられなかった人が、彼にだけ本心を吐露するようになる。その関係性が、とても胸に迫りました。東野さんが紡ぐ物語には、一見、冷たく見える言葉の奥にも必ず温かさや情がある。痛くて苦しくて切ないけれど、その奥には必ず深い優しさがある。それを探り出す面白さもあります。読む年齢や立場によって、受け取り方が変わる。さらにアニメーションになったことで、原作で感じていた“クスノキへの思い”が、より立体的に伝わってきました。

【高橋】天海さんのお話を聞いていて、理解できることと、まだ理解しきれないことがあるな、と思いましたが、一冊に詰め込まれたパワーがとにかく大きいと感じました。原作を読んで、改めて『本っていいな』と思いました。想像を促してくれるけれど、読み手に委ねすぎない。だからこそ、「これをアニメーションにしたい」と思われた理由が分かる気がしました。台本にも、原作で大切にされている部分がしっかり残っていて、制作陣の愛が集約されていると感じました。 東野さんの登場人物は、キャラクターではなく“人”として魂が存在している。だから、自分の人生に重ねることができるんだと思います。

――印象に残っているせりふは?

【天海】「変わろうと思えばいつでも変われます。少なくとも、自分自身の心は」という言葉です。玲斗くんに向けた言葉であり、自分自身にも向けている言葉。誰にとっても、救いになる言葉だと思います。

【高橋】(老舗和菓子メーカーの跡取り息子、大場壮貴に向かって)「地位があって、金があって、親がいて、まだ足りないんですか!?」ですね。共感できる自分と、共感したくない自分が同時にいて。劣等感や嫉妬心を言葉にできるのは、玲斗の強さだと思いました。言いづらい言葉も役を通して言える、俳優の仕事っていいなと思いました。

――いまの時代、思いを伝えること自体が難しくなっていると感じます。

【天海】伝えること自体は、誰にでもできる。でも、受け取る準備ができていない人もいますよね。思いを投げることだけが善ではなくて、受け取る側の状態を考えることも大切。本作のクスノキのように、「ここに置いておきます。受け取りたい時に受け取ってください」というのはとても優しいと思いました。

【高橋】僕ら世代には、その考えが足りないのかもしれないと思いました。SNSでは、何の準備もなく言葉が目に入ってしまう。その状態で受けるダメージは大きい。覚悟を決めて“クスノキに入る”のと、突然目に飛び込んでくるのとでは、受け止め方がまったく違う。いまの時代に、とても重なる話だと思いました。

――観客に持ち帰ってほしいものは?

【高橋】この作品は、とても“丸い”作品だと思っています。見る人やタイミングによって、見えるものが変わる。何かを決めつけず、自由に感じてほしい。必ず何かを受け取れる余白がある作品だと感じています。

【天海】いくつになっても、人は成長できるし、変われるということ。そして、クスノキは誰の心の中にもあるんだと思います。人は誰しも、誰かに伝えたいことや、遺しておきたい思いがあるし、同時に、誰かの言葉を聞いておきたい、知っておきたいと思うこともある。「あなたは何を伝えたいですか」「何を受け取りたいですか」と、自然に考えるきっかけをくれる作品だと思います。その両方を無理なく肯定してくれる大きな優しさに、包まれてほしいです。

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