エンタメ
2026-03-03 11:00
俳優の志田未来が主演する、TBS系火曜ドラマ『未来のムスコ』(毎週火曜 後10:00)。物語が後半へと向かう本作。その世界に寄り添う主題歌「ポケットに魔法を入れて」を書き下ろしたのは、シンガーソングライターの秦 基博だ。TBS連続ドラマの主題歌を初めて担う秦は、脚本から立ち上がった“人間くささ”をどう音楽へと昇華させたのか。主人公・未来へのまなざし、印象的なフレーズに込めた思い、そして物語とともに深まっていく楽曲の存在感――。その背景について語ってもらった。
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■物語のリアリティーを音にする
――原作と脚本を読んだ上で、今回の主題歌を書き下ろしていただいたとのことですが、最初に台本を読んでどんな感想を持ちましたか?
物語としては、SFといいますか、少しファンタジーの要素もありつつ、でも人間の心情の細かな機微にしっかりフォーカスされている作品だと感じました。そのバランスがとても面白いなと。
――このドラマの世界観を表現するために工夫されたことや、秦さんならではのオリジナリティーはどのように反映されましたか?
オファーをいただいて打ち合わせをした時に、“人間くささ”みたいなものがキーワードとして挙がっていたんです。どうすれば、そういうリアリティーというか、人がそこに生きている感覚を表現できるのか。それがドラマの世界を描く上で大切だと思いました。もちろんメロディーや歌詞全体で表現しているのですが、例えば始まり方。エレキギターと歌だけで始まる部分や、歌声で、生々しさや温度、肌触りのようなものを感じてもらえたらと。
この世界を自分なりにどう表現するか、ということを考えて作りました。
■未来のひたむきさがくれたインスピレーション
――今回、主人公・未来のいじらしい姿にインスピレーションを受けたとコメントされていましたが、その中で特にフックとなった言葉や場面はありますか?
具体的にこの言葉というよりは、主人公の未来がなかなかうまくいかない日々の中でも諦めずに向き合っていく、そのひたむきな姿からインスピレーションを受けました。
あとは未来の地元・富山弁の「だんない(大丈夫)」という言葉ですね。この言葉が最終的にタイトルにもつながっていくキーワードになったと思いますし、そこは自分にとってすごく大事でした。
――他にもキーになっている歌詞はありますか?
ドラマの主人公である「未来」と重なりつつも、楽曲の主人公としても描いています。近いけれど全く同じというわけではなく、僕自身とも重なっていく感覚で書いています。
この楽曲の主人公は、少し負けず嫌いなところがあるんです。そういう部分を全体に散りばめていて、特に冒頭の「ぽつりとこぼれた雫は雨ってことにしておいてよ」というフレーズにはこだわりました。泣いていることや負けそうな気持ちを素直に認めたくない。でもぐっとこらえている。その姿が、見る側からするといじらしく映る。そういう部分を言葉にできたらと思っていました。
――「靴のかかとを鳴らしながら」という歌詞は?
(楽曲の)主人公がもう一度前を向いて、「頑張ってみよう」と歩き出そうとする時の足音を想像しました。「よし!」と思った時の一歩って、きっとかかとが鳴るんじゃないかと。その踏み込みの力強さを表現したくて入れました。
――歌詞やメロディーから、背中を預けられるような楽曲の印象を受けました。
どこか自分に言い聞かせながら立ち上がっている主人公なので、サビの「とりあえず今は」という言葉も、何かが解決したわけではないけれど、とりあえず今、という気持ちを込めて。その「よし、やるしかないか」という踏み込みが表現できていたらうれしいです。
■最後に浮かんだ、決定的なフレーズ
――「ポケットに魔法を入れて」というタイトルには、どんな思いが込められていますか?
少し落ち込んで、悲しくなって、へこんで、それでもほんの少し前を向くというような、心の動きを描いているこの楽曲の世界観。楽曲としてどう表すか、どのフレーズをタイトルにするべきか、ずっと悩んでいました。
最終的には「大丈夫って君の魔法をポケットに入れて」という歌詞から取りました。このフレーズ自体も最後に浮かんできて、そのままタイトルになりました。
――ドラマ主題歌の書き下ろしにあたり、特に意識されたことはありますか?
ドラマの中には落ち込む瞬間もあれば、幸せそうな時間もある。颯太くんと一緒だったり、お母さんと一緒だったりと、さまざまな場面がありますよね。その中で、どうやって楽曲がハマっていくのかを意識していました。同じ言葉でも、シーンによって違う意味を帯びる。そんなふうに響いてくれたらという気持ちで書いていました。
■楽曲の温度を決めた一言
――ドラマ内で楽曲が流れるタイミングも意識されて制作されましたか?
物語の最後に流れる、くらいの認識で、具体的なタイミングは分からないまま作りました。ただ、それぞれがつらいことを越えた先にあるものだったり、その先での感情とリンクする歌詞になればいいなとは思っていました。
――楽曲制作の中で手応えを感じた瞬間は?
最初のAメロが書けた時です。しゃがみこんでいる主人公の気持ちや、「泣いてないよ」というような強がりが書けた時に、楽曲がそのまま動き出しそうな感覚になりました。
――普段からAメロから作られているんですか?
今回はAメロから順番にできました。脚本を読ませていただいたことでシーンが浮かんできて、そこから自然に動き出した感じです。
――曲を書き始める時の、最初のとっかかりは何でしたか?
普段からどういう場面からこの楽曲が始まるのかなとイメージすることが多いんです。そこにシーンやフレーズが重なっていくことで、キャラクター像や楽曲の輪郭が少しずつ定まっていった感じがありました。それで「書けそうだな」と思えたんです。
「最後の最後はうまくいくと強がってる」というフレーズも、わりとパッと出てきて。そのあたりが楽曲の温度を決めた気がしています。
――最初に浮かんだのは、どんなシーンでしたか?
しんどくて、動けなくなってしゃがみこんでしまった人。その前後の時間をイメージしました。そんな人がうつむきながら帰る姿が浮かんできて。楽曲は、そのしゃがみこんだ瞬間から書き始めた感覚です。
■楽曲と物語が重なった瞬間
――実際の放送を見て、志田さんが演じる未来と楽曲が重なった瞬間は?
「こんなふうに流れてほしい」と思っていた場面で流れたので、すごくうれしかったです。第1話はどこで流れるか意識しながら見ていましたが、第2話以降は楽曲のことを忘れて、作品に見入っています。楽曲は関係なく、毎回グッときています。
――脚本からイメージしていた未来像と、志田さんの演技はどのように重なりましたか?
脚本を読んでイメージしていた未来像はありましたが、志田さんの演技には、そこに本当に存在しているようなリアルさがありました。演じているというより、その世界を自然と受け止めているように見えて。それがすごいなと感じました。
――最後に視聴者の方へメッセージをお願いします。
今回、『未来のムスコ』というドラマと出会えたことで、自分自身もこの「ポケットに魔法を入れて」という楽曲が生み出せたと思っています。ドラマと一緒にこの楽曲も楽しんでもらえたらうれしいです。
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■物語のリアリティーを音にする
――原作と脚本を読んだ上で、今回の主題歌を書き下ろしていただいたとのことですが、最初に台本を読んでどんな感想を持ちましたか?
物語としては、SFといいますか、少しファンタジーの要素もありつつ、でも人間の心情の細かな機微にしっかりフォーカスされている作品だと感じました。そのバランスがとても面白いなと。
――このドラマの世界観を表現するために工夫されたことや、秦さんならではのオリジナリティーはどのように反映されましたか?
オファーをいただいて打ち合わせをした時に、“人間くささ”みたいなものがキーワードとして挙がっていたんです。どうすれば、そういうリアリティーというか、人がそこに生きている感覚を表現できるのか。それがドラマの世界を描く上で大切だと思いました。もちろんメロディーや歌詞全体で表現しているのですが、例えば始まり方。エレキギターと歌だけで始まる部分や、歌声で、生々しさや温度、肌触りのようなものを感じてもらえたらと。
この世界を自分なりにどう表現するか、ということを考えて作りました。
■未来のひたむきさがくれたインスピレーション
――今回、主人公・未来のいじらしい姿にインスピレーションを受けたとコメントされていましたが、その中で特にフックとなった言葉や場面はありますか?
具体的にこの言葉というよりは、主人公の未来がなかなかうまくいかない日々の中でも諦めずに向き合っていく、そのひたむきな姿からインスピレーションを受けました。
あとは未来の地元・富山弁の「だんない(大丈夫)」という言葉ですね。この言葉が最終的にタイトルにもつながっていくキーワードになったと思いますし、そこは自分にとってすごく大事でした。
――他にもキーになっている歌詞はありますか?
ドラマの主人公である「未来」と重なりつつも、楽曲の主人公としても描いています。近いけれど全く同じというわけではなく、僕自身とも重なっていく感覚で書いています。
この楽曲の主人公は、少し負けず嫌いなところがあるんです。そういう部分を全体に散りばめていて、特に冒頭の「ぽつりとこぼれた雫は雨ってことにしておいてよ」というフレーズにはこだわりました。泣いていることや負けそうな気持ちを素直に認めたくない。でもぐっとこらえている。その姿が、見る側からするといじらしく映る。そういう部分を言葉にできたらと思っていました。
――「靴のかかとを鳴らしながら」という歌詞は?
(楽曲の)主人公がもう一度前を向いて、「頑張ってみよう」と歩き出そうとする時の足音を想像しました。「よし!」と思った時の一歩って、きっとかかとが鳴るんじゃないかと。その踏み込みの力強さを表現したくて入れました。
――歌詞やメロディーから、背中を預けられるような楽曲の印象を受けました。
どこか自分に言い聞かせながら立ち上がっている主人公なので、サビの「とりあえず今は」という言葉も、何かが解決したわけではないけれど、とりあえず今、という気持ちを込めて。その「よし、やるしかないか」という踏み込みが表現できていたらうれしいです。
■最後に浮かんだ、決定的なフレーズ
――「ポケットに魔法を入れて」というタイトルには、どんな思いが込められていますか?
少し落ち込んで、悲しくなって、へこんで、それでもほんの少し前を向くというような、心の動きを描いているこの楽曲の世界観。楽曲としてどう表すか、どのフレーズをタイトルにするべきか、ずっと悩んでいました。
最終的には「大丈夫って君の魔法をポケットに入れて」という歌詞から取りました。このフレーズ自体も最後に浮かんできて、そのままタイトルになりました。
――ドラマ主題歌の書き下ろしにあたり、特に意識されたことはありますか?
ドラマの中には落ち込む瞬間もあれば、幸せそうな時間もある。颯太くんと一緒だったり、お母さんと一緒だったりと、さまざまな場面がありますよね。その中で、どうやって楽曲がハマっていくのかを意識していました。同じ言葉でも、シーンによって違う意味を帯びる。そんなふうに響いてくれたらという気持ちで書いていました。
■楽曲の温度を決めた一言
――ドラマ内で楽曲が流れるタイミングも意識されて制作されましたか?
物語の最後に流れる、くらいの認識で、具体的なタイミングは分からないまま作りました。ただ、それぞれがつらいことを越えた先にあるものだったり、その先での感情とリンクする歌詞になればいいなとは思っていました。
――楽曲制作の中で手応えを感じた瞬間は?
最初のAメロが書けた時です。しゃがみこんでいる主人公の気持ちや、「泣いてないよ」というような強がりが書けた時に、楽曲がそのまま動き出しそうな感覚になりました。
――普段からAメロから作られているんですか?
今回はAメロから順番にできました。脚本を読ませていただいたことでシーンが浮かんできて、そこから自然に動き出した感じです。
――曲を書き始める時の、最初のとっかかりは何でしたか?
普段からどういう場面からこの楽曲が始まるのかなとイメージすることが多いんです。そこにシーンやフレーズが重なっていくことで、キャラクター像や楽曲の輪郭が少しずつ定まっていった感じがありました。それで「書けそうだな」と思えたんです。
「最後の最後はうまくいくと強がってる」というフレーズも、わりとパッと出てきて。そのあたりが楽曲の温度を決めた気がしています。
――最初に浮かんだのは、どんなシーンでしたか?
しんどくて、動けなくなってしゃがみこんでしまった人。その前後の時間をイメージしました。そんな人がうつむきながら帰る姿が浮かんできて。楽曲は、そのしゃがみこんだ瞬間から書き始めた感覚です。
■楽曲と物語が重なった瞬間
――実際の放送を見て、志田さんが演じる未来と楽曲が重なった瞬間は?
「こんなふうに流れてほしい」と思っていた場面で流れたので、すごくうれしかったです。第1話はどこで流れるか意識しながら見ていましたが、第2話以降は楽曲のことを忘れて、作品に見入っています。楽曲は関係なく、毎回グッときています。
――脚本からイメージしていた未来像と、志田さんの演技はどのように重なりましたか?
脚本を読んでイメージしていた未来像はありましたが、志田さんの演技には、そこに本当に存在しているようなリアルさがありました。演じているというより、その世界を自然と受け止めているように見えて。それがすごいなと感じました。
――最後に視聴者の方へメッセージをお願いします。
今回、『未来のムスコ』というドラマと出会えたことで、自分自身もこの「ポケットに魔法を入れて」という楽曲が生み出せたと思っています。ドラマと一緒にこの楽曲も楽しんでもらえたらうれしいです。
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